【最新】米国株・S&P500の今後の見通し:FRBとCPI後に株価指数は史上最高値更新も、インフレ指標には引き続き注目
ローレンス・ フラー- 昨日の株式市場は、FRB理事会とCPI報告書への懸念からもみ合いとなったが、10年物国債入札に強い需要があり、その後反発に転じた。
- S&P500とナスダック総合株価指数は史上最高値を更新し続けており、今後の利下げ開始時期については、7月か8月になる可能性があると見られている。
- 中小企業の景況感指数が今年最高水準に達し、市場の幅広い銘柄の上昇が期待される一方で、特定の大型テクノロジー株の影響が大きい状況が続いている。
- 強気相場は一握りのメガキャップのテクノロジー銘柄に牽引されてきたが、利下げサイクルが始まれば幅が広がり、中小企業の借入コストが緩和され、それらの銘柄がアウトパフォームするだろう。
昨日の株式市場は、本日のFRB理事会と消費者物価指数(CPI)報告書への懸念からもみ合いとなったが、その後まもなく反発に転じた。
その後、390億ドルの10年物国債入札に強い需要があり、利回りは7ベーシスポイント低下の4.40%となり、ラリーは昼過ぎには勢いを増した。
長期利回りの低下がディスインフレの影響なのか、経済成長の低迷の影響なのか、判断は分かれるところだが、私は個人的にディスインフレの影響であるという見方を支持し、S&P500とナスダック総合株価指数が昨日に引き続き史上最高値を更新し続けると考えている。
市場にとって次の大きなサプライズは、利下げ開始時期のコンセンサスを9月に戻すようなインフレ指標であり、そうならなければ、利下げは7月か8月になるはずであると見ている。
基本的には、足元のトレンドは強気市場の味方であると考えている。
また、中小企業を対象としたNFIB景況感指数が今年最高水準まで上昇したことも悪くない。
90.5という指数水準は、長期平均の98をまだ大きく下回っているものの、中小企業の景気に対する不安感が薄れるにつれ、変化率はプラスに転じている。
また、この指数を構成する10項目の中で最も改善したのは、景気が良くなると予想する経営者の割合を示すものである。
そして、中小企業が期待しているのは、今後1年間の借入コストの低下であり、このことは、この強気市場の広がりに大きな影響を与える。
この強気相場に対する正当な批判は、市場を牽引している上昇銘柄数の少なさである。
実際、S&P500の3大構成銘柄であるアップル(AAPL)、エヌビディア(NVDA)、マイクロソフト(MSFT)は、史上初めて指数の20%を占めるに至った。
さらに、マグニフィセント7のテクノロジー関連銘柄は、強気相場が始まって以来、指数上昇のほとんどを占めている。
このため、イコールウェイトのS&P500(RSP)の時価総額加重型のS&P500(SPY)に対する相対的なパフォーマンスは劇的に悪化している。
時価総額加重型S&P500とラッセル2000小型株指数を比較すると、さらに悪化していることが分かる。
小型株の相対的なパフォーマンスは20年来の低水準に近づいている。
批判はもっともだが、この展開が必ずしも否定的な展開ではないという理由としては、この展開が他の市場にチャンスをもたらす可能性があるからである。
また、指数から一握りの時価総額上位独占企業を除外すると、株価収益倍率(PER)は10年平均を大きく下回るため、この市場は弱気派が指摘するほど割高ではないという事実も物語っている。
そして、一部の超大型テクノロジー株以外の平均的な銘柄の相対的なパフォーマンスを向上させるきっかけは利下げである。
大企業は融資を必要としていない一方で、FRBの利下げは企業の借入コストを引き下げることからも、その際には、小型株のアウトパフォームははるかに顕著になるはずであると見ている。
時価総額の小さな企業になればなるほど、資金調達ははるかに重要な問題になる。
したがって、目の前の緩和サイクルは、投資家が過去1年半のリーダー銘柄から出遅れ銘柄に資金を再配分することで、市場の幅(上昇する銘柄数)に大幅な改善をもたらすはずであると見ている。
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