12/06/2023

強気
センチネルワン
強気
2025年半ばまでに35ドルの価格で40%のリターンを目標とする私の楽観論は、前年同期比42%の増収を記録した、同社の2024年度第3四半期の堅調な業績をベースとしている。
センチネルワン(S)注目のサイバーセキュリティ銘柄の最新の2024年第3四半期決算を徹底分析!

red and black abstract illustrationマイケル・ウィギンズ・ デ・オリベイラマイケル・ウィギンズ・ デ・オリベイラ
  • 本稿では、注目のサイバーセキュリティ銘柄であるセンチネルワン(S)の2023年12月5日に発表された最新の2024年度第3四半期決算と財務パフォーマンスを詳細に分析していきます。
  • そして、それらの分析を通じて、同社の目標株価、並びに、今後の株価見通しと将来性を詳細に解説していきます。
  • 同社を今回自身のポートフォリオに新たに追加し、2%のポジションを占めることとしました。
  • 一方で、同じサイバーセキュリティ関連銘柄のパロアルトネットワークス(PANW)は、自身のポートフォリオ内で7%のポジションを占めています。
  • センチネルワンの堅調な第3四半期業績と前向きな見通しは、サイバーセキュリティ業界における同社の強さを際立たせています。
  • 同社の売上高成長率と潜在的な収益性により、同社株価は2025年半ばまでに40%のリターンを生み、目標株価として35ドルを予想しています。

サマリー

私のポートフォリオには約2%の現金ポジションが残っていたため、今回、センチネルワンをポートフォリオの2%のポジションとすることにした。

同社はパロアルトネットワークスPANW)と直接競合している。

パロアルトネットワークスは私のポートフォリオの7%のポジションを占めているので、センチネルワンをポートフォリオの2%にとどめておくことにした。

これを合計すると、私のポートフォリオの9%がサイバーセキュリティに関連することになり、この数字は少し大きく感じられるかもしれない。

しかし、パロアルトは私の好みのサイバーセキュリティ銘柄であり、自身のパロアルトに対するポジションの大きさには非常に満足しており、そのポジションを縮小したくないといのが本音である。

私はセンチネルワンを長い間追いかけてきたことから、この企業が抱えている問題を誰よりもよく知っていると思う。

そして、私は、彼らが根本的な収益性に関する問題を解決したと信じている。

センチネルワン(S)への投資テーマ

センチネルワン(S)は、私が長い間弱気と見ていた事業である。

しかし、根本的なストーリーが変わりつつあることが分かれば、私自身、同社に対する考えを変えることも厭わない。

現在、一株あたり約23ドルのこのポジションから、私は+40%のリターンを期待している。

現時点での私の目標株価は、2025年半ばまでに35ドル前後である。

過去、私にとって最も効果的だった投資は、その企業のストーリーが変わるタイミングでの投資であった。

もちろん、それが上手くいかない投資もある。

しかし、私が正しかった時は、私が失敗した時の損失を補うのに十分なリターンが生みだされている。

では、早速、本題に入りたい。

センチネルワン(S)への当面の見通し

センチネルワンは、2024年度第3四半期の堅調な業績と2024年度の前向きな見通しから明らかなように、サイバーセキュリティ業界において強力なプレーヤーとして際立っている。

同社のトマー・ワインガルテン最高経営責任者(CEO)は、売上高が前年同期比で42%増加し、年間経常収益合計が43%増加するなど、印象的な財務指標を強調した。

これらの数字は予想を上回っただけでなく、マクロ環境における課題を克服する同社の能力も裏付けている。

ワインガルテン氏は、Singularityプラットフォームを通じて、エンドポイント・セキュリティの近代化に成功し、その革新的なソリューションのために同社を利用する企業が増えていることを強調した。

クラウド・セキュリティとデータ・レイク・ソリューションへの進出は、3桁の成長を遂げており、同社のサクセス・ストーリーに新たな層を加えている。

「当社のイノベーションとテクノロジー・リーダーシップのペースは、同社の成長を促進し続けている」というワインガルテン氏の声明は、ダイナミックなサイバーセキュリティの情勢を先取りすることに注力する同社の姿勢を反映したものである。

さらに、同社は11,500を超える顧客基盤を誇っている。

また、大企業とプラットフォーム導入の成功は、顧客1社あたりのARRの上昇に寄与しており、前年比で約15%成長している。

センチネルワンは、その優れた強みを発揮しているが、サイバーセキュリティ業界をめぐる課題や逆風と無縁ではない。

注目すべき課題の一つは、ワインガルテン氏が強調した、「永続的に進化し続ける脅威の状況」である。

ワインガルテン氏は、「攻撃の速度と複雑さは劇的に増大している」と述べ、滞留時間の短縮とサイバー脅威の高度化に直面したリアルタイムの保護の必要性を強調している。

また、従来のバラバラのセキュリティ・ソリューションでは、企業を十分に保護できないことが多いとも指摘する。

課題は技術的な側面にとどまらず、サイバーセキュリティ分野に影響を及ぼす地政学的な緊張にまで及んでいる。

ワインガルテン氏は、「地政学的な緊張がサイバー空間に波及している」と述べ、グローバルな問題がサイバーセキュリティの状況に広く影響を与えていることを示している。

このような背景を踏まえて、財務状況を説明していきたい。

センチネルワン(S)の売上高成長率は、来年にかけて年平均40%で拡大

センチネルワンは以前、2024年度第3四半期に前年同期比35%増を見込んでいたが、いざ報告書が提出されると、売上高は前年同期比42%増の着地となった。

その結果、同社は、現在、2024年度第4四半期に前年同期比34%増を見込んでいるが、私は同様に、同社が自社のガイダンスを5%から7%程度上回ると想定している。

最良のシナリオでは、同社は2024年度第4四半期にトップラインを前年同期比41%成長させることができると見ている。

そして、来期の成長率が前年同期比41%に達しないとしても、年平均成長率40%近くは達成可能だと考えるのが賢明だと考えている。

市場のアナリストは前年比約32%の収益成長率を予想しているが、私はこの数字は凡庸だと思っている。

繰り返しになるが、私は、同社は年平均成長率40%近い売上高成長率で終わる可能性が高いと信じている。

私の推論としては、今期は、同社にとって、収益成長率が年間3ケタ増であった前年度との比較であったことからも、非常に困難な時期であったと見ている。

しかし、来期に関しては、このハードルの低さと現在の勢いを考慮すれば、来年は年平均成長率40%近くを達成できると私は考えている。

センチネルワン(S)への投資におけるブル・ケース:収益性の大幅な改善

このブル(強気)・ケースの最大の弱点は、事業が不採算であることである。

とはいえ、同社がコスト構造の削減を進めていることは注目に値する。

前年同期と比べ、EBITライン、または、Non-GAAP営業ラインは、なんと前年同期比3,200ベーシス・ポイント改善している。

さらに、第4四半期の見通しでは、Non-GAAPベースの営業利益率がマイナス14%になる見込みである。

しかし、この経営陣は非常に保守的なガイダンスを発表してきた経緯があることから、私はこのマージン・プロファイルを上回るだろうと考えている。

その背景を考えてみたい。

前四半期の2024年度第2四半期には、センチネルワンは営業利益率マイナス22%のガイダンスを発表していた。

そしてその四半期が報告されると、マージン・プロファイルはマイナス11%となった。

同様に、センチネルワンは、以前、マイナス25%で今期を終えると予想していた。

そして、今期はマイナス20%着地と予想されている。

したがって、2024年度第4四半期の営業利益率はマイナス10%、あるいはマイナス8%程度になる可能性があると見ている。

したがって、同社は、おそらく損益分岐点に近い状態で次の会計年度を終了する可能性があるように見える。

しかし、この改善ペースを維持するのは難しいことは理解している。

これは、上記の私の仮定を否定するものではないが、このコスト削減のペースは、ある程度のトップレベルの成長をあきらめなければ維持できないことは明らかである。

同社が、現在の改善ペースを維持する上で遭遇する可能性のある課題は、主に実施されたコスト削減策の性質に起因する。

同社は、現在、簡単に取り組めるコスト削減策から取り組んでいる可能性が高く、今後、これら調整が進んでいくにつれて、簡単には実施できないような削減策や最適化が求められてくる可能性が高い。

また、同社が営業利益率をさらに改善しようとする時、コスト削減の取り組みによるリターンの減少に直面することは避けられない。

実際に、多くの場合、容易に特定でき、容易に実施可能な変更で構成されるハードルの低いコスト削減策は、コスト最適化プロセスの早い段階で枯渇する傾向がある。

今後、同社は、より複雑で入り組んだ調整に踏み込む必要が出てくるかもしれないが、これには抵抗が強まったり、中核的な事業機能や顧客満足度に影響を与えずに対処するのが困難な課題が生じたりする可能性がある。

加えて、トップライン成長とのトレードオフの可能性についての言及は、持続的なコスト削減が最終的にイノベーションへの投資能力に影響を与える可能性があることを示唆している。

センチネルワン(S)のバリュエーション:来期予想売上高ベースで8倍

私の試算によると、来年の年平均成長率40%が正しいと仮定すると、来年、センチネルワンは約8億6000万ドルの売上を上げることになる。

このため、この銘柄の株価は売上高の約8倍となる。

高成長株にどれだけ詳しいかにもよるが、これは割安に聞こえるかもしれないし、割高に聞こえるかもしれない。

私の経験では、ハイテク分野で年平均成長率約40%で成長している企業は、12倍から14倍の倍率を得ている。

もちろん、これはその事業がどれだけ黒字に近づいているかにもよる。

私が言いたいことは、来年12月までに事業が黒字化しつつある、あるいは少なくとも黒字化が手の届くところにあることが分かれば、この株価は売上高の11倍、あるいはそれよりも少し高い水準に近づく可能性があるということである。

従って、私は、今後18ヶ月間の間に、同社が110億ドルの時価総額に近づくと期待している。

センチネルワン(S)に対する結論

私はこれまでセンチネルワンに対して弱気スタンスを維持してきたが、最近の動向を受けてこの会社を再評価することにした。

2025年半ばまでに35ドルの価格で40%のリターンを目標とする私の楽観論は、前年同期比42%の増収を記録した、同社の2024年度第3四半期の堅調な業績をベースとしている。

同社は、エンドポイント・セキュリティの近代化に成功し、クラウド・セキュリティとデータ・レイク・ソリューションへの拡張と相まって、サイバーセキュリティの強力なプレーヤーとして位置づけられている。

現在に至るまでの収益性の課題にもかかわらず、最近のコスト削減努力は注目に値する。

しかし、このペースを維持することは困難であり、イノベーションと成長に影響を与える可能性がある。

しかし、売上高は年平均成長率40%で成長すると予測されており、来期予想売上高ベースで8倍のバリュエーションは妥当と思われる。

以上より、将来的な収益性改善の可能性から、今後18ヵ月で時価総額が110億ドルに近づく可能性もあると見ている。