やや強気センチネルワン【サイバーセキュリティ】センチネルワン(S)の株価下落理由とは?最新の2025年第4四半期決算分析を通じて今後の株価見通しに迫る!

- 本稿では、注目の米国サイバーセキュリティ銘柄である「センチネルワン(S)の株価下落理由とは?」という疑問に答えるべく、2025年3月12日に発表された最新の2025年度第4四半期決算分析を通じて、同社の目標株価、並びに、今後の株価見通しと将来性を詳しく解説していきます。
- センチネルワンの成長は鈍化し、ハイパーグロース企業として期待には届いていませんが、フリーキャッシュフローの改善により、より持続可能で収益性の高い企業へと変化しつつあります。
- 私が当初想定していた「2025年夏までに40ドル」という目標株価への到達は困難である一方で、25ドルという水準に到達する可能性はあると考えています。
- 同社は多額の現金を保有し、負債を一切抱えていない堅実なバランスシートを有しており、今後の収益性向上と市場での競争力強化に向けた好位置にあるように見えます。
センチネルワン(S)の最新の2025年度第4四半期決算発表に関して
センチネルワン(S)は、3月12日にの最新の2025年度第4四半期(暦年:2024年第4四半期)決算を発表しましたが、目を見張るような成果を出せず、期待外れという印象を受けました。
事業の成長率は私が望んでいた水準の最新のておらず、その点では残念に思います。
しかし同時に、市場環境が現在弱いことも理解しています。そして、いずれ市場環境は改善すると考えています。
誤解のないように言うと、同社の決算に関して、すべての内容が悪いと考えているわけではありません。成長率は犠牲になったものの、その代わりにフリーキャッシュフローは大幅に改善されました。これは正しい判断だったと考えています。
さらに、同社は2026年度第4四半期のフリーキャッシュフローの年間換算ベースで1億ドルという私の予測にとどまらず、それを上回る可能性が高いと見ています。
私は常に、最高のアイデアだけに集中し、それらの銘柄を自身のポートフォリオに追加してきました。中途半端な銘柄では中途半端なリターンしか得られません。そのため、今後数週間のうちに市場が回復すれば、投資家は再び同社に強気に見始めるのではないかと考えています。
しかしながら、正直に言えば、私が当初想定していた「2025年夏までに40ドル」という目標株価には届かないと考えています。これは私の見誤りでした。しかし、2025年夏までに25ドルには到達すると引き続き考えています。
そして、引き続き、自身のポートフォリオ内の銘柄は、いずれも全体のポートフォリオの5%以上を占めないように心掛けています。
総じて、同社は2025年夏までに1株25ドルに到達する可能性があると考えています。
では、今回の決算の詳細に入っていきましょう!
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センチネルワン(S)を取り巻く重要な背景
実際のところ、センチネルワン(S)のガイダンスを見る限り、クラウドストライク(CRWD)の障害による大きな市場シェア獲得が実現できなかったことが明らかです。
その結果、同社の売上成長率は前年比30%を下回る見通しとなっています。つまり、センチネルワンはもはやハイパーグロース銘柄ではなくなり、私の強気シナリオは実現しませんでした。
過去にどう考えていたかは関係なく、これが現実です。納得しがたい事実ではありますが、私の予想が間違っていたことを示しています。
どれほど難しい決断であろうと、どれほど厳しく判断しなければならなくとも、2024年と同様に、私は2025年には市場平均を上回るパフォーマンスを実現しなければなりません。
そのため、2025年のポートフォリオにおいて、少しでも不安を感じる銘柄があれば、ポートフォリオから除外していくつもりです。この判断が好意的に受け取られないことは承知していますし、多くの方を落胆させるかもしれません。しかし、現実を受け入れるよりも、否認し続けるほうが楽だというのも事実です。そして、今回の状況は、悪いタイミングでの悪いニュースと言えます。
しかし、市場平均を上回る成果を出すためには、困難な決断を下す必要があります。そのため、近いうちに市場環境が改善するか、センチネルワンの株価が25ドルに近づいたタイミングで、同社をポートフォリオから除外する予定です。
センチネルワン(S)とは?
センチネルワン(S)は、企業がサイバー脅威から自社を守るためのサイバーセキュリティ企業です。もともとはコンピューターやデバイス(エンドポイント)のセキュリティを強化する企業としてスタートしましたが、現在ではクラウドセキュリティやAIを活用した脅威検知までをカバーする幅広いセキュリティプラットフォームを提供しています。
同社の強みは「自動化」にあります。同社の技術は、サイバー攻撃をリアルタイムで検知・阻止し、最小限の人的リソースで対応可能にすることで、企業が日々対処しなければならない大量のセキュリティアラートの負担を軽減します。
今後の見通しとして、同社は今年、年間経常収益(ARR)および総収益のいずれも10億ドルを超える見込みであり、これは重要なマイルストーンとなります。この成長により、機関投資家のポートフォリオにおいて、より重要な銘柄として位置づけられる可能性があります。
さらに、フリーキャッシュフローの改善も進んでおり、単なる急成長企業から、持続可能なフリーキャッシュフローを生み出せる企業へと移行しつつあることを示しています。
ただし、製品の変更に伴い、前半は売上成長がやや鈍化する可能性があります。しかし、AIを活用したセキュリティソリューションの採用が進むことで、後半には再び成長の勢いが加速すると見込まれています。
このような背景を踏まえ、次に同社のファンダメンタルズについて詳しく見ていきます。
センチネルワン(S)の売上高成長率はもはやハイパーグロースではない
センチネルワンの売上高成長率(%)
(出所:筆者作成)
下記の内容は、センチネルワン(S)に関する下記の前回の分析レポートで述べた内容です。
「ですが、これは私の戦略の核心ではありません。本当に重要なのは次に説明します。ポイントは、次年度の比較対象(コンパラブル)が大幅に容易になるということです。この影響により、同社は2025年度の年平均成長率(CAGR)を30%と示し、新しい評価軸のもとで語られる存在になると見ています。」
そして、ガイダンスが発表されましたが、仮に経営陣が慎重な見通しを示しているとしても、同社が年平均成長率(CAGR)30%の軌道に乗っていないことが明らかになりました。私がどれほど同社が30%の成長を維持できると信じていたとしても、実際のデータはそれを否定しています。
これが悪いニュースです。
センチネルワン(S)のバリュエーション:予想フリーキャッシュフローの51倍
センチネルワン(S)の強気のシナリオの一部として、同社が無借金で運営されている点が挙げられます。さらに、無借金であるだけでなく、時価総額の20%以上が現金で構成されており、これはアフターマーケットで15%の下落を考慮しても変わりません。
このキャッシュの蓄えは非常に大きなものであり、特に同社がついに黒字化し、フリーキャッシュフローもプラスへと転じた今、その価値はより一層際立っています。
この点を踏まえ、上述の前回の同社に関する分析レポートにおける、私の同社への見解を再確認したいと思います。
「私の投資論は一貫しており、来年末までに同社が1億ドルのフリーキャッシュフローを達成するランレート(継続的な収益力)を示すというものです。」
「これが何を意味するのか、説明します。2026年度第4四半期(来年12月)には、投資家が同社の持続可能なフリーキャッシュフローマージンが9%に達し、さらにその後の12カ月間で上昇を続けると信じるようになる、というのが私の投資論の核心です。」
これを踏まえた上で、今回のガイダンスを見てみましょう。
(出所:センチネルワンの2025年度第4四半期決算資料)
彼らは、2026年度通期のNon-GAAP営業利益率が約4%になると明言しています。
つまり、今年はNon-GAAPベースで約5,000万ドルの営業利益を計上する見込みであることを示しています。
しかし、もう一度私が強調したポイントを見直してください。私は2026年度第4四半期のフリーキャッシュフローマージンが9%に達すると見ています。年度の序盤にはまだ課題が残っているものの、年間を通じて改善が進むと想定しています。
この見通しは、今も十分に現実的であるように思えます。実際、決算発表の中でも以下のように述べられていました。
「通期では、営業利益率がプラス3%から4%の範囲になると予想しており、これは2025年度と比較して中央値で650ベーシスポイント以上の改善となります。」
「さらに、収益性とキャッシュフローの改善を進める中で、通期のフリーキャッシュフローマージンは営業利益率を数ポイント上回ると見込んでいます。」
「また、より安定したプラスのフリーキャッシュフローを生み出す方向へ移行する中で、依然として11億ドル以上の現金および現金同等物を保有しており、事業への投資や拡大に向けた十分な柔軟性を確保しています。」
「数ポイント上回る」というのは、例えば3ポイントの上昇を意味する可能性があります。 もしそうであれば、今年のフリーキャッシュフローは7,500万ドルに達する可能性があります!しかし、私の予測では、この水準に到達するのは2026年度第4四半期の年間換算ベースだと考えていました。
「年間換算ベース(run-rate)」とは、その四半期の数値を年単位に換算することで、具体的には四半期の数値を4倍して年間の指標とする計算方法です。
つまり、私は2026年度第4四半期のフリーキャッシュフローが2,500万ドルになると予想していましたが、この水準は軽々と突破する可能性があります。
今年の年間換算ベースでは、1億ドルを超えるフリーキャッシュフローを生み出す可能性があり、場合によっては1億2,000万ドルに達する可能性すらあると見ています。つまり、投資の根拠自体は正しく機能しているものの、その価値がすぐには明確に見えにくいだけであると考えています。
これを踏まえると、慎重なシナリオを想定しても予想フリーキャッシュフローの51倍というバリュエーション水準となります。 しかし、同社は年平均成長率(CAGR)28%以上で成長しており、時価総額の22%が現金で構成されている点を考慮すると、この水準は非常に割安であるようにも見えます。
センチネルワン(S)を取り巻くリスク要因
一方で、投資家は飽きやすいものです。90日以上も停滞している銘柄を持ち続けられる投資家はごくわずかしかいません。そして、センチネルワン(S)は長年にわたって停滞している銘柄です。
多くの投資家は、売却を決断するきっかけを探しており、成長鈍化という現状は、その理由として十分なものになっています。
さらに、サイバーセキュリティ市場は極めて競争の激しい分野であることも事実です。クラウドストライク、パロアルトネットワークス(PANW)、マイクロソフト(MSFT)といった大手企業が、法人顧客の獲得を巡ってしのぎを削っています。
加えて、サイバーセキュリティ市場にはさまざまなニッチなサービスが乱立しており、すべての企業が一斉にセキュリティ対策を導入していた急成長期はすでに落ち着きを見せつつあります。
センチネルワン(S)に対する結論
以上より、センチネルワン(S)は期待していたような大きな成果を出せませんでした。これは事実であり、飾るつもりはありません。
成長は鈍化しており、私が当初描いていたハイパーグロースのシナリオが完全には実現しなかったことは明らかです。ただし、それでも同社は私の「インフレクション投資戦略」において重要な要素であるフリーキャッシュフローの改善という点で着実に成果を出しています。
当初の予想では、2026年度第4四半期の年間換算フリーキャッシュフローが1億ドルに達すると考えていました。しかし、現在ではそれを大幅に上回る可能性すらあると見ています。つまり、もはや単なる高成長のサイバーセキュリティ企業ではなく、堅実なバランスシートを持ち、利益を生み出す企業へと進化しつつあります。
確かに、2025年夏までに40ドルに到達するという当初の目標は強気すぎたと認めざるを得ません。それは誤りでした。しかし、2025年夏までに25ドルという水準に到達する可能性はあると考えています。
現在、市場環境は弱い状況ですが、市場は永遠に低迷するわけではありません。状況が改善すれば、機関投資家は同社の収益性向上に注目し、株価も上昇していくのではないかと考えています。
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