中立チャールズ・シュワブチャールズ・シュワブ / SCHW / 予想配当利回り1.3% / 中立:最新の24年1Q決算と今後の株価見通し・将来性
イアニス・ ゾルンパノス- チャールズ・シュワブ(SCHW:予想配当利回り1.3%)は、ブローカレッジ、ウェルス・マネジメント事業等を展開している米国の大手金融機関である。
- 同社は、実店舗を持つブローカー支店の大規模なネットワークに加え、定評のあるオンライン投資プラットフォームも運営している。
- そして、同社は2024年4月15日に24年第1四半期決算を発表している。
チャールズ・シュワブ(SCHW)の概要
セクター:資本市場
現在価格:72ドル
時価総額:1,332億4,000万ドル
弊社算出の一株当たり本質的価値:38.715ドル
安全マージン:-88.37%
過去5年間の配当成長率:13.80%
直近配当落ち日:2024年2月8日
直近配当支払い日:2024年2月23日
予想配当利回り:1.35%
過去5年間の売上高成長率:8.00%
過去10年間の売上高成長率:10.60%
チャールズ・シュワブ(SCHW)はブローカレッジ、ウェルス・マネジメント、バンキング、アセット・マネジメント事業を展開している米国の大手金融機関である。
同社は、実店舗を持つ大規模なブローカー支店網、定評のあるオンライン投資プラットフォームを運営し、さらに、モバイル経由での取引機能も備えている。
また、銀行や自己勘定資産運用事業も運営し、且つ、独立系投資アドバイザーにサービスを提供している。
2023年12月末時点の同社の顧客資産は8兆ドルを超え、投資関連ビジネスでは最大手の一角を占めており、売上高のほぼ全てが米国からのものである。
そして、同社は2024年4月15日に24年第1四半期決算を発表している。
チャールズ・シュワブ(SCHW)の収益と成長に関して
チャールズ・シュワブ(SCHW)の24年度第1四半期の非経常損益項目を除くベースでのEPSは0.74ドルとなり、前四半期の0.68ドルから改善を示している。
また、一株当たり売上高も2.589ドルとわずかに増加している。
加えて、長期的なパフォーマンスを見ると、同社株の非経常損益項目を除くベースでのEPSの過去5年間の年平均成長率(CAGR)は7.70%で、過去10年間の年平均成長率は17.60%となっており、同社の最近のパフォーマンスはやや減速しているようである。
ただし、今後10年間の同社の業界成長予測は明るい見通しを示していることからも、同社の成長軌道にプラスに働く可能性がある。
また、同社の過去の財務レバレッジの度合いを考慮すると、同社はレバレッジをうまく管理しており、持続可能な成長を可能にしている。
全体として、チャールズ・シュワブの最近の業績は改善を示しているが、同社は過去の成長率や業界予測に沿うよう、より強い成長モメンタムのための戦略を立てる必要があるかもしれない。
チャールズ・シュワブ(SCHW)の配当に関して
チャールズ・シュワブ(SCHW)は、過去数年間一貫した配当成長を示してきた。
過去5年間の配当成長率は13.80%で、過去3年間の配当成長率は11.60%となっており、長期に渡り株主に対する配当の支払いが増加するという健全な傾向を示している。
直近の四半期では、同社は1株当たり0.25ドルの配当を発表し、予想配当利回りは1.35%となっている。
同社は定期的な配当支払いスケジュールを維持しており、直近の配当落ち日は2024年2月8日となっている。
同社の配当実績をセクターと比較すると、同社の配当成長率は業界平均を上回っており、株主への価値還元への強いコミットメントを反映していると言える。
全体として、チャールズ・シュワブの配当成長の軌道と配当支払いの一貫性は、金融セクターで配当収入を求める投資家にとって同社を魅力的な選択肢としている。
予想配当利回り:1.35%
配当性向:34%
配当カバレッジ・レシオ:2.39
過去5年間の配当成長率:13.80%
チャールズ・シュワブ(SCHW)のバリュエーションに関して
チャールズ・シュワブ(SCHW)の現在の株価は72.93ドルで、弊社算出の一株当たり本質的価値である38.72ドルよりかなり高い水準となっている。
また、実績PERは30.51となっており、株価が過去のPERの平均と比べて割高で取引されていることを示唆している。
加えて、株価売上高倍率も7.22と高水準にあり、さらに、5年平均、10年平均と比べても高水準にあることから、株価が売上高に比べて割高であることを示唆している。
チャールズ・シュワブ(SCHW)のリスクとリターンに関して
チャールズ・シュワブ(SCHW)のリスク評価分析では、投資家が投資決定を下す前に考慮すべきいくつかのポイントを取り上げたい。
まずマイナス面では、同社は過去3年間に多額の長期債務を発行しており、財務の安定性に影響を与える可能性がある。
加えて、総資産は売上高を上回るペースで増加しており、資産活用における非効率の可能性を示している。
さらに、インサイダーによる同社株式の売却が活発で、過去3ヵ月間に15件、合計375,772株が売却されている。
また、1株当たり売上高は低下しており、株価水準と株価売上高倍率は1年ぶりの高水準に近く、潜在的な割高感がある。
そして、同社のバランスシートは高水準の負債により財務の健全性に欠け、予想配当利回りは1年ぶりの低水準に近づいている。
一方でプラス面では、ベニッシュMスコアは-2.66で、利益操作をしている可能性が低いことを示している。
以上より、チャールズ・シュワブの株式には様々なリスク要因があるため、投資家は全体的に慎重に行動する必要があるだろう。
チャールズ・シュワブ(SCHW)のインサイダー(内部関係者)による売買に関して
チャールズ・シュワブ(SCHW)のインサイダー取引分析に基づくと、過去12ヶ月間、インサイダーによる同社株式の売却が24件確認されているのに対し、インサイダーによる同社株式の買い付けは1件のみで、インサイダーによる売り取引がかなり優勢であることが分かる。
このようなインサイダーによる売りの多さは、同社の将来の業績に関する会社の取締役や経営陣の自信の欠如や潜在的な懸念を示している可能性がある。
ただし、インサイダーによる同社株式の保有比率が僅かに0.27%である点にはご留意いただきたい。
一方、機関投資家の同社株式の保有比率は64.32% であり、インサイダーに比べて機関投資家の保有比率が高いことがわかる。
全体として、インサイダー売りの傾向と相対的に低いインサイダーの保有水準は、投資家に赤信号を灯す可能性があり、インサイダーによる売却取引の背後にある潜在的な理由をさらに調査する必要があるかもしれない。
チャールズ・シュワブ(SCHW)の流動性に関して
チャールズ・シュワブ(SCHW)の流動性と取引分析によると、直近営業日の出来高は8,156,663株で、過去2ヶ月間の1日平均出来高は7,254,892株となっており、同銘柄に対する安定した取引需要を示唆している。
また、同社株式のダークプール指数(DPI)は44.92%で、取引活動のかなりの部分がダークプールで行われていることを示している。
※ダーク・プール指数は、ダーク・プール(私設取引所)内において、同社株式がどの程度取引されているかを示すものであり、注目すべき指標の1つである。
この高水準のDPIは、同社株式の価格発見への透明性と市場全体の効率性に影響を与える可能性がある。
そして、この水準は、機関投資家がこの銘柄を積極的に取引していることを示唆している可能性がある。
全体として、チャールズ・シュワブの流動性指標は良好で、取引量が多く、ダークプールでの存在感が際立っている。