【高配当】SFLコーポレーション(SFL:配当利回り13%)とは?配当推移は堅調?最新の業績分析を通じて将来性に迫る!
- 本稿では、注目の米国上場高配当株である「SFLコーポレーション(SFL)とは?」という基礎的な内容から、2025年2月12日に発表された最新の2024年度第4四半期決算と配当推移の分析を通じて、今後の株価見通しと将来性を詳しく解説していきます。
- SFLコーポレーションはバミューダ諸島に本社を構える船舶所有・チャーター企業で、長期契約による安定収益と高配当利回り(予想配当利回り13.11%・配当性向109%・1株当たり配当金0.27ドル)が特徴です。
- 配当の持続性や財務リスクには懸念があり、ROICがWACCを下回るなど資本効率に課題を抱えている点には注意が必要です。
SFLコーポレーション(SFL)の概要
セクター:輸送業
現在の株価:8ドル
時価総額:11億ドル
過去5年間の配当成長率:-3.10%
前回配当落ち日:2025年3月12日
次回配当支払い日:2025年3月28日
予想配当利回り:13.11%
過去5年間の売上高成長率:14.60%
過去10年間の売上高成長率:7.00%
関連用語
売上高成長率:企業の売上高が前年と比べてどれだけ増加したかを示す割合で、企業の成長スピードや市場での競争力を評価するための指標。一般的にプラス成長が望ましく、高いほど企業の成長力が強いと言える。
足元の株価推移
(出所:筆者作成)
SFLコーポレーション(SFL:予想配当利回り13.11%・配当性向109%・1株当たり配当金0.27ドル)は、2003年1月に設立された国際的な船舶所有およびチャーター会社で、本社をバミューダ諸島のハミルトンに構えています。
同社は、タンカー、バルカー、コンテナ船、自動車運搬船、エネルギー関連資産など、多岐にわたる約73隻の船隊を所有・管理しており、これらの資産を長期の固定チャーター契約に基づいて運用しています。
SFLコーポレーションは、長期固定チャーター契約に基づく安定した収益と、継続的な配当支払いを特徴とする企業です。高い配当利回りは投資家にとって魅力的ですが、財務レバレッジの高さや市場動向には注意が必要です。同社の多様な船隊と長期契約戦略は、将来的な成長と安定性を支える要素となっています。
そして、同社は2025年2月12日に2024年第4四半期決算を発表しており、本稿では同社の最新の決算と財務パフォーマンス、並びに配当推移を詳しく分析していきます。
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SFLコーポレーション(SFL)の最新の2024年度第4四半期決算発表に関して
SFLコーポレーション(SFL)は、2025年2月12日に発表された最新の2024年度第4四半期決算において、希薄化後1株当たり利益(EPS)が0.15ドルとなり、前四半期の0.34ドルから減少しましたが、前年同期の0.25ドルと比較するとわずかに増加しています。
非経常項目を除いたEPS(EPS without NRI)は、2024年第3四半期の0.341ドルから0.121ドルへと減少し、2023年第4四半期の0.279ドルをも下回る結果となりました。
1株当たり売上高も、2024年第3四半期の1.907ドルから1.672ドルへと減少しましたが、2023年第4四半期の1.643ドルと比べると増加しています。
過去5年間における非経常項目を除いたEPSの年平均成長率(CAGR)は1.50%ですが、過去10年間では5.80%の減少となっています。
また、粗利益率は34.67%で、これは過去5年間の中央値と一致していますが、過去10年間の中央値である39.15%や、過去10年間の最高値である50.87%と比較すると低い水準です。
今後の見通しとして、市場のアナリストは次の会計年度の予想EPSを-0.013ドルとしていますが、その翌年には0.373ドルと回復が見込まれています。
また、業界全体としては、今後10年間で緩やかな成長が予測されています。
次回の決算発表は2025年5月14日に予定されており、同社の業績や成長軌道に関するさらなる洞察が得られる見込みです。
非経常損益項目を除くベースでのEPS
(年間ベース:直近4四半期の合計値)
(出所:筆者作成)
関連用語
EPS(Earnings Per Share、1株当たり利益):企業が一定期間内に得た純利益を、その期間中に発行されている株式の総数で割った値のこと。EPSは、株主が1株あたりどれだけの利益を得たかを示す指標であり、企業の収益力を評価する際によく用いられ、EPSが高いほど、一般的にはその企業が効率的に利益を上げていると判断される。
非経常損益項目を除くベースでのEPS(EPS without NRI):非経常的な収益や費用(例: 一時的な訴訟費用や災害損失)を除いた後の1株当たりの利益(EPS)。これにより、通常の業績をより正確に反映することが可能。
希薄化後EPS:既存株主にとって、潜在的に新しい株式が発行された場合(例: ストックオプションや転換社債の行使)に、1株あたりの利益(EPS)がどの程度薄まるかを考慮したもの。
1株当たり売上高:企業の総売上高を発行済株式数で割った値で、1株あたりが生み出す売上を示しており、企業の売上規模と株式の価値を評価するのに役立つ。
粗利益率:売上高に対する粗利益の割合を示す指標。企業が商品やサービスを販売した際に、売上から直接かかったコスト(売上原価)を差し引いて得られる利益の割合を計算する。粗利益率が高いほど、企業が商品やサービスから得られる利益が大きいことを意味する。
自社株買い比率:企業が自社の発行済み株式を買い戻した割合を示す指標。この比率は、過去の一定期間において企業がどれだけ自社株を買い戻したかを示しており、通常は1年間の比率として表される。具体的には、買い戻された株式数をその期間の発行済株式総数で割ることで計算される。高い比率は、企業が積極的に自社株を買い戻し、EPS(1株当たり利益)を押し上げる可能性があることを示唆している。
各指標のより詳細な解説は、下記のコラムをご覧ください。
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SFLコーポレーション(SFL)の財務パフォーマンスに関して
SFLコーポレーション(SFL)の財務パフォーマンスを、投下資本利益率(ROIC)と加重平均資本コスト(WACC)の観点から分析していきます。
まず、同社の現在のROICは6.14%であり、WACCの6.90%をわずかに下回っています。これは、現時点において同社が投資によって資本コストを上回る収益を得られておらず、経済的付加価値を生み出していないことを示唆しています。
しかし、過去のデータを検証することで、より深い理解が得られます。過去5年間のROICの中央値は5.58%であり、同期間のWACCの中央値である6.05%と比較すると、資本コストを上回ることに一貫して苦戦してきたことがうかがえます。
それでも、過去10年間でROICが最高6.96%に達したことは、より良好な条件下では価値創出の可能性があることを示しています。
さらに、同社の自己資本利益率(ROE)は12.11%と堅調であり、株主資本を活用して利益を生み出す能力の高さが伺えます。
総じて、同社は資本投資の最適化とコスト管理を通じて、今後も企業価値の向上を図るための戦略的なポジションにあるように見えます。
投下資本利益率(ROIC)と加重平均資本コスト(WACC)の比較
(出所:筆者作成)
関連用語
総資産利益率(ROA: Return on Assets):企業が保有する全ての資産を使ってどれだけの利益を生み出したかを示す指標。計算は純利益を総資産で割ることで算出され、ROAが高いほど、企業が資産を効率的に運用していることを示す。
自己資本利益率(ROE: Return on Equity):企業が株主の出資(自己資本)を使ってどれだけの利益を生み出したかを示す指標。計算は純利益を自己資本で割ることで算出され、ROEが高いほど、株主にとって効率的な運用が行われていることを示す。
投下資本利益率(ROIC: Return on Invested Capital):企業が投下資本(株主資本+負債)を使ってどれだけの利益を生み出したかを示す指標。計算はNOPAT(税引後営業利益)を投下資本で割ることで算出され、ROICが高いほど、企業が効率的に資本を運用していることを示す。
ジョエル・グリーンブラット氏の資本利益率(ROC: Return on Capital):株主資本と長期負債の合計である資本に対して、どれだけの利益(NOPAT)を生み出しているかを示す指標。ROICと同様に、資本の効率的な運用を評価する。
加重平均資本コスト(WACC: Weighted Average Cost of Capital):企業が資金を調達する際に必要となる平均的なコストを示す指標で、株主資本と負債のコストを加重平均して求める。WACCが低いほど、企業の資本コストが低く、投資がより利益を生む可能性が高くなる。
各指標のより詳細な解説は、下記のコラムをご覧ください。
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SFLコーポレーション(SFL)の配当に関して
SFLコーポレーション(SFL)の直近の配当実績は、好材料と懸念材料が入り混じった内容となっています。過去3年間の配当成長率は19.3%と力強い伸びを示している一方で、過去5年間の配当成長率は3.1%の減少となっており、近年の厳しい状況を反映しています。
一方で、予想配当利回りは13.11%と非常に高く、魅力的に見えるものの、配当性向が109%と高水準であることから、持続可能性に課題がある可能性が示唆されます。
過去においても、同社の配当性向は一貫して100%を上回る水準にあり、利益に対して過剰な配当を行っている傾向が見られます。
同社の負債比率を示すEBITDA有利子負債倍率は5.07倍であり、一般的な健全性の指標とされる4.0倍を上回っています。
これは財務リスクが高まっていることを意味しており、とりわけ業界全体でより低い比率が好まれる傾向にある中で、同社が債務返済に課題を抱える可能性を示唆しています。
一般的には、EBITDA有利子負債倍率は2倍以下であれば財務リスクが低く、4倍以上であれば財務リスクが高いことを示すとされています。
次回の配当落ち日は2025年3月12日が予定されており、配当は四半期ごとに支払われる予定です。
以上より、現在の市場環境を踏まえると、投資家は高い配当利回りの魅力と、財務レバレッジや配当の持続性に対する懸念を慎重に比較検討する必要があるでしょう。特に、同業他社がより安定した財務指標を示している可能性がある中で、相対的なリスクとリターンのバランスを見極めることが重要です。
予想配当利回り:13.11%
配当性向:109%
配当カバレッジ・レシオ:0.94倍
過去5年間の配当成長率: -3.10%
EBITDA有利子負債倍率:5.07倍
DPS(Dividend Per Share):1株当たりの配当金
(出所:筆者作成)
Dividend Yield:予想配当利回り
(出所:筆者作成)
Dividend Payout:配当性向
(出所:筆者作成)
関連用語
1株当たりの配当金:企業が株主に支払う配当金を、発行されている株式の総数で割った値。これにより、株主が保有する1株あたりに受け取ることができる配当金の金額が示される。
配当成長率:企業が過去数年間にどれだけ配当金を増加させたかを示す割合。配当成長率が高いほど、企業が株主に対して利益を還元する意欲が強いことを示す。
予想配当利回り:企業が次年度に支払うと予想される配当金を現在の株価で割った割合。投資家にとって、どれだけのリターンを配当として受け取ることができるかの見込みを示す。
配当性向:企業の純利益に対して、どれだけの割合を配当金として支払っているかを示す指標。計算は、配当金を純利益で割って算出され、配当性向が高すぎると、企業の成長投資に使える資金が減少する可能性がある。
EBITDA有利子負債倍率:EBITDA(税引前利益、利払い、減価償却前の利益)に対する有利子負債の割合を示す。企業の有利子負債が利益によってどれだけカバーできるかを示す指標で、低いほど財務的な健全性が高いとされている。
配当カバレッジ・レシオ:企業の利益が、支払われる配当金をどれだけ上回っているかを示す指標。計算は、利益(通常は純利益かEBITDA)を配当金で割ることで算出され、配当カバレッジ・レシオが高いほど、配当が持続可能であると考えられている。
配当王:50年以上にわたり連続して配当を増やし続けている企業。これに該当する企業は、長期間にわたり安定した利益成長と配当支払いを維持していることを示している。
配当貴族:25年以上連続して配当を増やしている企業。これも安定した配当成長を実現している企業に与えられる称号。
各指標のより詳細な解説は、下記のコラムをご覧ください。
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SFLコーポレーション(SFL)のバリュエーションに関して
SFLコーポレーション(SFL)の現在の株価は8.20ドルで、弊社算出の一株当たり本質的価値である4.45ドルよりも高い水準にあり、安全余裕率(マージン)が-84.27%となっていることから、割高である可能性が示唆されています。
また、予想PERは78.1と非常に高く、直近過去12か月(TTM)の実績PERが8.12、過去10年の中央値が11.00であることを考慮すると、割高感が強いといえます。一方で、直近12か月の実績EV/EBITDA倍率は6.77で、過去10年の中央値である9.91を下回っており、企業価値対収益性の観点から見ると、歴史的水準に比べて割安である可能性もあります。
しかしながら、直近12か月の実績PBR(株価純資産倍率)は0.97で、過去10年の中央値である1.22をやや下回っており、簿価に対して割安であると解釈できます。
加えて、直近12か月の実績ベースの株価売上高倍率(PSR)は1.19で、過去のレンジの中でも低めの水準にあり、10年の最低値である1.17をわずかに上回っています。これは、売上に対して保守的な評価がされていることを意味します。
一方で、市場のアナリストによる目標株価の平均値は過去数か月にわたって12.07ドルで安定しています。ただし、バリュエーションを提供しているアナリストは4名のみであり、市場全体の見方を十分に反映していない可能性があります。
総じて、現在の市場価格と本質的価値との間に大きな乖離があることや、評価指標がまちまちであることを踏まえると、投資を検討する際には慎重な姿勢が求められるでしょう。現時点では、安全余裕が限定的であり、株式が過大評価されている可能性があるため、注意が必要です。
(出所:筆者作成)
上記グラフにおける関連用語
Price:現在の株価
Yiazou Value:弊社算出の一株当たり本質的価値
DCF (FCF Based):フリーキャッシュフローに基づくDCF法を用いて算出した理論株価
DCF (Earnings Based):収益に基づくDCF法を用いて算出した理論株価
Median P/S:株価売上高倍率の中央値ベースの理論株価
Perter Lynch:ピーター・リンチ氏のバリュエーション計算方法に基づく理論株価
赤線:上記の各バリュエーション手法により算出された理論株価の平均値
関連用語
安全マージン(Margin of Safety):株式の本質的価値(本来の価値)とその市場価格との間にある差のこと。投資家はこの差を利用して、予想が外れた場合や市場の変動によるリスクを軽減するための「安全な余裕(マージン)」を確保する。例えば、本質的価値が100円の株が市場で80円で取引されている場合、その20円の差が安全マージンとなる。この差が大きいほど、投資のリスクが低くなるとされている。
実績PER(Price Earnings Ratio):過去1年間の実績ベースの1株当たり利益(EPS)に対する現在の株価の倍率。企業が過去にどれだけの利益を上げたかに基づいて、株価が割安か割高かを評価する指標。
予想PER(Forward PER):予想される1株当たり利益(来年度のEPS予想)に対する現在の株価の倍率。将来の利益見込みに基づいて、株価が割安か割高かを評価する指標。
PEGレシオ(Price/Earnings to Growth Ratio):PERを企業の利益成長率で割った指標。成長率を考慮した株価の割安・割高を判断するために使われ、一般的に1以下が割安とされる。
株価売上高倍率(Price to Sales Ratio, PSR):企業の売上高に対する現在の株価の倍率。売上高に対して株価がどれだけの価値を持つかを示す指標で、低いほど割安とされる。
株価フリー・キャッシュフロー倍率(Price to Free Cash Flow Ratio, P/FCF):企業がフリー・キャッシュフロー(営業キャッシュフローから資本的支出を差し引いた金額)に対する現在の株価の倍率。企業のキャッシュフロー創出能力に対して株価が割安か割高かを判断する。
EV/EBITDA倍率(Enterprise Value to EBITDA Ratio):企業価値(EV:株式時価総額+負債−現金)をEBITDA(税引前利益、利払い、減価償却前の利益)で割った指標。企業全体の価値に対する収益力を評価するために用いられる。
PBR(Price to Book Ratio, 株価純資産倍率):企業の純資産(簿価)に対する現在の株価の倍率。株主資本に対して株価がどれだけの価値を持つかを示し、1倍以下だと市場での評価が純資産を下回っているとされる。
各指標のより詳細な解説は、下記のコラムをご覧ください。
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SFLコーポレーション(SFL)のリスクとリターンに関して
SFLコーポレーション(SFL)のリスク・リターン評価分析では、投資家が投資決定を下す前に考慮すべきいくつかのポイントを取り上げたいと思います。
まず、同社は、いくつかの財務上の課題に直面しています。過去3年間で発行された長期債務の総額は5億1,150万3,000ドルに達しており、財務の安定性に対する懸念が生じています。利子負担の支払い能力を示すインタレスト・カバレッジ・レシオ(利子保障倍率)は1.66であり、一般的に望ましいとされる5の基準を大きく下回っています。
さらに、営業利益率は年平均1.1%のペースで低下しており、配当性向も1.09と高水準にあることから、将来的な配当の持続可能性に疑問が生じます。加えて、アルトマンのZスコアは0.55であり、財務的な危機ゾーンに位置しています。
一方で、いくつかの好材料も見受けられます。同社のピオトロスキーのFスコアは7であり、財務状態が比較的健全であることを示しています。また、ベニッシュのMスコアは-2.46で、不正な利益操作の可能性が低いと判断されています。
バリュエーションの観点では、PBR(株価純資産倍率)やPER(株価収益率)が過去の最低水準に近づいており、同社が財務面を安定させることができれば、割安である可能性もあります。
しかしながら、投下資本利益率(ROIC)が加重平均資本コスト(WACC)を下回っている点は、資本の活用効率に課題があることを示しており、投資判断において慎重な姿勢が求められます。
総じて、割安に見える点もある一方で、財務の健全性やリスク要因に対する継続的な注視が必要であるといえます。
関連用語
財務レバレッジ:企業が負債をどれだけ活用して資産を増やしているかを示す指標。高い財務レバレッジはリスクを伴うが、うまく活用すればリターンが増加する可能性もある。 目安は業界によって異なるが、一般的には2~3倍が理想とされ、高すぎると財務リスクが高まるとされている。
アルトマンのZスコア:企業の財務健全性を評価するための指標で、特に倒産リスクを予測するのに用いられる。複数の財務指標を組み合わせて計算され、Zスコアが低いほど倒産リスクが高いとされる。目安としては、3.0以上は安全、1.8未満は倒産リスクが高いとされている。
ベネッシュのMスコア:企業が財務報告において不正行為や収益の過大計上を行っている可能性を評価する指標。スコアが高いと、財務操作のリスクが高いとされ、-2.22以下で不正の可能性が低いとされている。
ピオトロスキーのFスコア:企業の財務健全性や成長性を評価するための指標で、9つの財務指標に基づいてスコアが付けられる。スコアが高いほど、財務状況が健全であると評価される。目安としては、7〜9は財務状況が非常に健全、4〜6は平均的、0〜3は財務上の懸念がある可能性が高いとされている。
インタレスト・カバレッジ・レシオ(利息カバレッジ比率):企業が稼いだ利益(通常は営業利益)が、支払わなければならない利息に対してどれだけ余裕があるかを示す指標。計算式は、営業利益 ÷ 利息費用。目安としては、2倍以上が望ましいとされ、これは企業が利息の2倍以上の利益を稼いでいることを意味し、財務的な余裕があると評価される。逆に、1倍以下だと、利息の支払いが困難になる可能性があり、財務リスクが高まる。
ベンジャミン・グレアム:現代のバリュー投資の父と呼ばれる著名な投資家であり、経済学者。「証券分析」や「賢明なる投資家」などの著書を通じて、企業の本質的価値に基づいて株を割安に買うというバリュー投資の概念を広めた人物。彼の投資哲学は、リスクを抑えつつ堅実なリターンを得ることを目指し、多くの投資家に影響を与えている。
各指標のより詳細な解説は、下記のコラムをご覧ください。
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SFLコーポレーション(SFL)の流動性に関して
SFLコーポレーション(SFL)の流動性と取引活動に関する分析から、いくつかの重要な洞察が得られます。過去2か月間の平均日次取引量は1,374,217株であり、これは中程度の取引関心を示しています。一方で、直近営業日の取引では取引量が大幅に増加し、日次取引量は2,165,879株に達しています。この急増は、投資家の関心の高まりや株式のボラティリティ(価格変動性)の増加を示唆しています。
また、同社のダークプール・インデックス(DPI)は現在62.11%であり、取引活動のかなりの部分が公開市場ではなくダークプールで行われていることを示しています。DPIが50%を超える場合、大口のプロの機関投資家が積極的に取引している可能性があり、これは株価の透明性やボラティリティに影響を及ぼす可能性があります。
総じて、取引量の増加と高いDPIは、同社が強い機関投資家の関心を集めていることを示しており、これが流動性や価格の動向に影響を与える可能性があります。そのため、これらの傾向を注意深く監視することが重要でしょう。
関連用語
※ダーク・プール(私設取引所):株式などの金融商品が公開市場(例えば証券取引所)ではなく、非公開の場で取引されるプラットフォームのこと。ダーク・プールでは取引の内容(注文の価格や数量)が一般に公開されないため、大量の株式を売買する際に市場に与える影響を最小限に抑えることができる。主に機関投資家が利用し、取引の透明性が低い点が特徴。
※ダーク・プール指数(DPI):ダーク・プール(私設取引所)内において、同社株式がどの程度取引されているかを示すものであり、注目すべき指標の1つである。
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