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10 - 25 - 2023

やや強気
SPDR S&P 500 ETF
やや強気
第3四半期の決算報告では、S&P 500が利益成長に回帰する兆しが示されており、経済拡大も年末に向けて続く見込みです。
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【米国株式市場:最新の今後の見通し】:悲観論はどこへ?

ローレンス・ フラーローレンス・ フラー
  • 今後発表される経済データの回復力を確認することで、今回の市場調整は、今年2月と3月に見られたものと非常に似ていることに気付くだろう。

昨日は金利がじり安となり、原油価格はイスラエル侵攻後の急騰から戻りつつある。

このため投資家は、全体として予想を上回っている第3四半期の決算報告に集中することができた。

その結果、S&P500種株価指数は4,200ドルという重要な水準を試し、4日続落に終止符を打った。

しかし、昨日は企業業績だけが喜ばしいニュースではなかった。

一般的に、私達は市場の短期的な動きと経済指標を混同しがちだ。

というのも、通常、市場は、現実の経済動向を先取りし、それに合わせて価格が動くというディスカウント・メカニズムとして機能しているからである。

したがって、株価が下落し始めたら、それを説明するために経済データの悪化を探すのは当然である。

株価が上昇する時も同じであり、投資家は株価上昇を裏付ける経済の強さを求める。

そして、問題は、足元のトレンドに逆行するような株式市場の短期的な急激な動きを、将来の経済活動を示すものとして解釈を試みる場合に生じる。

私は、ベアキャンプ(弱気な投資家)が、景気後退の危機にあると主張した3月の市場が下落した際に、上述のようなことが起きていると警告した。

S&P500種株価指数は2023年の高値から約9%下落し、ラッセル2000種株価指数は16%近く下落した。

センチメントは極端にネガティブに傾き、景気は拡大し続けるというよりも、縮小するという方が信じやすくなった。

この株価の反落は、その後、今夏の間に見られた経済の力強さとは明らかに逆行するものだった。

2022年10月に始まった上昇トレンドをリフレッシュするための小休止だったということである。

私は、8月上旬、S&P500の買われ過ぎを解消する必要があることを指摘し、下のチャートを用いて、上述と同じことが起こりそうであると警告した。

つまり、調整局面が訪れれば、冬眠から覚めたベアたちは、景気後退と1年前に始まった強気相場の終焉を叫ぶだろうということである。

今日、S&P500指数は、2023年の新高値から約9%調整し、ラッセル2000種指数は16%強の下落を記録している。

足元、市場のセンチメントは非常に悪化しており、多くのベア(弱気な投資家)が市場を徘徊しているというのが現状である。

繰り返しになるが、問題は悲観的な見方が数字に表れていないことである。

もちろん、経済の一部セクターでは景気低迷の兆候が顕著になっているが、今年第1四半期以降の金利上昇を考えれば、それは予想されたことである。

それでも、今回の主要市場の平均株価の反落を、景気拡大が終わりを告げつつある兆候だと推測することは、また別の間違いを犯す結果となると考えている。

昨日S&Pグローバルが発表した10月の経済活動に関する速報値も、私の考えを裏付けるものだった。

調査結果によると、サービス業景気指数は50.9と3ヵ月ぶりの高水準に上昇し、製造業景気指数は50と6ヵ月ぶりの高水準に上昇した。

私はこの秋、サービス業が減速し、製造業が再び成長すると予想してきたが、今回の調査結果はそれが今起こりつつあることを示唆している。

ヘッドラインの米総合PMIは50.2から51に上昇し、これも3ヵ月ぶりの高水準となった。

足元の金融引き締めを踏まえると、これは第4四半期の非常に印象的なスタートであるが、このレポートで最も重要なニュースは、経済の回復力がインフレを煽っていないという点である。

それどころか、調査回答者のインフレ圧力は、過去3年間で最も遅いペースで上昇し、販売価格もそれに追随した格好となった。

S&Pグローバルのチーフ・ビジネス・エコノミストであるクリス・ウィリアムソンは、「同調査の販売価格指標は、現在、パンデミック前の長期平均に近づいており、ヘッドライン・インフレ率が今後数ヵ月でFRBの目標値である2%近くまで低下することと一致している。これは、生産高が縮小に陥ることなく達成できそうに映る。」と述べている。

Are you listening Chairman Powell?パウエル議長、聞いていますか?)

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