【最新】米国株の今後の見通し:継続して増加する米国債に警戒が高まる

- 米国の公的債務は33兆ドルに達し、過去18ヶ月で3兆ドルが追加されている。
- 個人的には、債務に関する国民の議論や政治的関心の欠如が懸念される。
- 実質金利の上昇は借り入れを圧迫し、日本やドイツのようなシナリオを招くかもしれない。
米国債が1990年代初頭に初めて3兆ドルを突破して以来、危険な水準にあるとの警告を耳にしてきたことは、おそらく皆さんにとって目新しいことではないだろう。
そして、2008年に10兆ドルを突破したときには、マンハッタンのミッドタウンにある借金時計の桁を増やさなければならなかった。
さらに、この警告は大きくなるどころか、静かになっているように感じる。
ただし、アメリカの公的債務は33兆ドルに達し、そのうちの3兆ドルは過去18ヶ月の間に追加されているのである。
その理由のひとつは、少なくとも2012年以降、公的債務に関する議論を耳にしなくなったことが考えられる。
そして、二大政党のどちらからも、債務を抑制するというリップサービスさえ、まともな声は聞かれなくなった。
主な投票基盤が、個人側では社会保障、メディケア、メディケイドなど、企業側ではTCJAやオポチュニティ・ゾーンなど、負債に含まれる権利の大半を受け取る人々であると考えれば、ある程度納得がいくだろう。
実際に、2020年から2021年にかけて、前代未聞の債務急増がFRBによって可能になった。
そして、過去2年間金利が上昇してきたのは、FRBが債券の買い手ではなく、売り手だったからである。
FRBの使命がインフレ抑制に集中している限り、FRBはそうせざるを得ない。
そして、次に来るのは財政面だろう。
実質金利がすでに+1.8~2.1%まで上昇しているのは、このためだと私は考えている。
このレベルの実質金利は、ハイテク大手ではなく、不動産、工業、運輸セクター等の借り入れを必要とする経済のあらゆる部分に大きな圧力をかけている。
結果として、米国を日本やドイツのようなシナリオに押しやる最も可能性の高い原動力となっているように見える。
そして、FRBがその権限を放棄しない限り、実質利回り1.8%以上の債券は魅力的な買いであると私が考える主な理由はそこにある。
公共予算に関して言えば、受給権を十分に考慮していないにもかかわらず、GDPの120%にまで達していることに私は驚いている。
そして今のところ、米国がまだ緊縮財政に頼る必要がない主な理由として、いくつかの部門で雇用が好調であることが挙げられる。
もちろん、2033年までに、米国が日本やドイツのようになるとは限らないシナリオもいくつか想定される。
しかし、今のところ、アメリカ2033年~ドイツ2013年~日本2003年というのがベースケースになりそうであると見ている。