STマイクロエレクトロニクス(STM)の将来性とは?最新決算は悪く、2025年第1四半期見通しも既に引き下げで株価下落!
ダグラス・ オローリン- 本稿では、注目の米国半導体銘柄であるSTマイクロエレクトロニクス(STM)の10月31日に発表された最新の2024年第3四半期決算の分析を通じて、同社の今後の株価見通しと将来性を解説していきます。
- 同社は2024年第3四半期の業績が低迷しており、2025年第1四半期の売上見通しも通常の季節変動を超える減少が予想されています。
- 中国市場でのシェア喪失は、2021年と2022年の半導体不足時に自動車や大手OEM向け供給を優先し、中国企業向けの供給を制限したことが原因とされています。
STマイクロエレクトロニクス(STM)の最新の2024年度第3四半期決算発表に関して
STマイクロエレクトロニクス(STM)は10月31日に最新の2024年第3四半期決算を発表しています。
しかしながら、結果はかなり悪く、すでに2025年の第1四半期の見通しも引き下げています。
下記は最新の決算説明会での遣り取りの一部です。
(原文)For Q1 2025. At this time of the year, we usually do not comment 2 quarters ahead. But based on our current customer backlog and order entry dynamics, we anticipate a revenue decline between Q4 2024 and Q1 2025 well above normal seasonality.
(日本語訳)2025年第1四半期について、通常この時期に2四半期先の見通しについてコメントすることはありませんが、現在の受注残や注文状況から判断すると、2024年第4四半期から2025年第1四半期にかけて、通常の季節変動を大きく超える売上減少が見込まれます。
さらに、市場シェアを失ったことや、供給不足時に流通を絞っていたことも、ほぼ認めた形となり、印象はあまり良くないというのが本音です。
前回MCUでシェアを大きく伸ばしたのも、そのためだったんですね。
(原文)So we also have said that 30%, 35% of the decrease of microcontroller is ultimately linked to the end demand weakening of our customers. It is true that we have lost some market share in China, linked to the fact that during the shortage of semiconductor, we squeeze some Chinese company to support, let's say, Automotive and other big OEM and Industrial. So we squeezed distribution in China in 2021 and 2022 and now we have lost this market share.
(日本語訳)マイクロコントローラの減少分のうち、最終的に30〜35%は顧客の需要減少に起因しています。また、中国での市場シェアを一部失った理由として、半導体不足時に自動車や大手OEM、産業分野を優先するために、2021年と2022年に中国の企業向け供給を制限したことが挙げられます。その結果、現在では中国でのシェアを失ってしまいました。
残念ながら、これ以上詳しくはお話しできないというのが現状ですが、今後の同社の展開に注目していきたいと思います。
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📍半導体&テクノロジー担当
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