中立ステート・ストリートステート・ストリート / STT / 予想配当利回り3.8% / 中立:最新の24年1Q決算と今後の株価見通し・将来性
- S&P500連動のSPY ETFを運用するステート・ストリート(STT:予想配当利回り3.8%)は、資産運用、リサーチおよびトレーディング業務を含む金融関連サービスの大手プロバイダーである。
- 2023年12月31日時点で約42兆ドルのカストディ資産と約4.1兆ドルの運用資産を有している。
- そして、同社は2024年4月12日に24年第1四半期決算を発表している。
ステート・ストリート(STT)の概要
セクター:資産運用
現在の価格:72ドル
時価総額:219.5億ドル
弊社算出の一株当たり本質的価値:43.665ドル
安全マージン:-66.74%
過去5年間の配当成長率:7.70%
配当落ち日:2024年3月28日
配当支払い日:2024年4月11日
予想配当利回り:3.80%
過去5年間の売上高成長率:2.30%
過去10年間の売上高成長率:5.00%
ステート・ストリート(STT)は、資産運用、リサーチおよびトレーディング業務を含む金融関連サービスの大手プロバイダーである。
2023年12月31日時点で、約42兆ドルのカストディ資産と約4.1兆ドルの運用資産を有し、100以上の地域でグローバルに事業を展開し、世界中で46,000人以上の従業員を擁している。
そして、同社は2024年4月12日に24年第1四半期決算を発表している。
ステート・ストリート(STT)の収益と成長に関して
2024年第1四半期、ステート・ストリート(STT)の非経常損益項目を除くベースでのEPSは1.69ドルと、前四半期(2.04ドル)比で減少しており、且つ、希薄化後のEPSも2.07ドルから1.37ドルに減少した。
一方で、1株当たりの売上高は、2023年第4四半期から2024年第1四半期にかけてわずかに増加している。
加えて、長期的なパフォーマンスを見ると、同社株の非経常損益項目を除くベースでのEPSの過去5年間の年平均成長率(CAGR)は4.40%で、過去10年間の年平均成長率は5.20%となっており、同社の着実な成長軌道を示していると言える。
さらに、同社は歴史的に適度な財務レバレッジを維持しており、これが着実な成長を可能にしてきた。
また、同社の業界は今後10年間成長すると予測されており、同社に事業拡大の潜在的機会を提供していると言える。
以上より、業界の成長予測と過去の実績から、ステート・ストリートは今後も成長を続ける可能性があるが、最近のEPSの減少からも、今後の四半期を注意深く見守る必要があるだろう。
ステート・ストリート(STT)の配当に関して
ステート・ストリート(STT)は、過去数年間一貫した配当成長を示しており、過去5年間の配当成長率は7.70%で、過去3年間の配当成長率は8.30%となっている。
また、同社の予想配当利回りは3.80%で、投資家にとって健全なリターンを示している。
直近の四半期では、同社は0.69ドルの一株当たり配当(DPS)を発表しており、安定した配当の支払いトレンドを続けている。
そして、同社は、数四半期連続でこの配当額を維持しており、株主に安定した収入で報いるという同社のコミットメントを示している。
加えて、セクター平均と比較すると、同社の配当成長実績は業界標準に沿ったものであり、投資家へのリターン提供における同社の安定性と信頼性を反映している。
以上より、安定した配当収入を求める投資家は、一貫した配当成長の歴史と現在の予想配当利回りに基づいて、ステート・ストリートの株式を魅力的に感じるかもしれない。
予想配当利回り:3.80%
配当性向:34%
配当カバレッジ・レシオ:1.98
5年間の配当成長率:7.70%
ステート・ストリート(STT)のバリュエーションに関して
ステート・ストリート(STT)は現在、弊社算出の一株当たり本質的価値である43.66ドルを上回る72.81ドルで取引されており、実績PERは13.63倍となっている。
また、株価売上高倍率は1.93となっており、株価が売上高に比べて割高であることを示唆している。
さらに、PEGレシオは1.9となっており、同社の利益成長が株価に比べてやや割高であることを示唆している。
加えて、5年平均、10年平均と比較すると、同社は現在高いバリュエーションで取引されていることが分かる。
全体として、現在のステート・ストリートのバリュエーションは割高に見えることからも、投資家は同社の現在のバリュエーション指標を慎重に評価し、且つ、同業他社と比較することで、十分な情報に基づいた投資判断を下すとよいだろう。
ステート・ストリート(STT)のリスクとリターンに関して
ステート・ストリート(STT)のリスク評価分析では、投資家が投資決定を下す前に考慮すべきいくつかのポイントを取り上げたい。
まずマイナス面では、同社の長期債務水準は許容範囲内ではあるが、最近の債務発行額は過去3年間で総額44億ドルとなっている。
加えて、株価は1年ぶりの高値水準に近く、割高の可能性がある。
一方でプラス面では、同社のインタレスト・カバレッジ・レシオは高く、すべての債務を賄うのに十分な現金があり、財務の安定性を示している。
さらに、ベニッシュMスコアは-2.14で、同社が利益操作をしている可能性が低いことを示唆している。
加えて、同社は予測可能な売上高と利益の伸びを示しており、且つ、予想配当利回りは3年ぶりの高水準に近いため、配当収入を求める投資家には魅力的に映るかもしれない。
全体として、現在の株価水準は若干割高に見えるも、同社の強固な財務体質と安定した成長見通しは投資家に安心感を与えているように見える。
ステート・ストリート(STT)の流動性に関して
ステート・ストリート(STT)の直近営業日の1日当たりの出来高は2,265,167株で、過去2ヶ月間の1日当たりの平均出来高は2,398,698株となっており、同銘柄の取引量が比較的安定していることを示している。
また、同社株式のダークプール指数(DPI)は64.83%であることからも、取引量の大部分が公開取引所ではなくダークプールで行われていることを示唆し ている。
※ダーク・プール指数は、ダーク・プール(私設取引所)内において、同社株式がどの程度取引されているかを示すものであり、注目すべき指標の1つである。
この高水準のDPIは、同社株式の価格発見への透明性と市場全体の効率性に影響を与える可能性がある。
全体として、ステート・ストリートの流動性は中程度と思われるが、投資家はダークプール取引の割合が高いことに留意する必要があるだろう。