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11 - 16 - 2023

やや強気
テック・リソーシズ
やや強気
私はテック・リソーシズとその間近に迫った変革に期待を寄せている。
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テック・リソーシズ / TECK / 強気:エネルギー銘柄の最新の2023年第3四半期決算・強み分析と今後の株価見通し・将来性

マイケル・ウィギンズ・ デ・オリベイラマイケル・ウィギンズ・ デ・オリベイラ
  • テック・リソーシズ(TECK)は、2023年10月24日に2023年第3四半期決算を発表している。
  • 同社は石炭資産の売却により100億ドル(約1.1兆円)の利益を得ることになったため、少なくとも時価総額の10%を株主に還元できることになると見ている。
  • また、電気自動車需要の増加と送電網インフラ強化の必要性が銅への投資を促進しており、同社の銅採掘事業への戦略的転換はタイムリーで有望な戦略であると考えている。

テック・リソーシズ(TECK)への投資テーマ

テック・リソーシズ(TECK)は、その石炭事業関連資産から、100億ドルを受け取ろうとしている。

私の最も保守的な見積もりでは、結果として、同社は、今後12ヶ月間で、時価総額の少なくとも10%を株主に還元すると考えている。

同社に対する、私のブル(強気)・ケースは、実現までに非常に長い時間を要した。

しかし、ついにそのタイミングがやってきたのである。

このレポートでは、同社株式に対する取引、並びに、同社事業の継続的価値に関する私の予想、更に、投資家がこの銅関連事業を買い続けるべき理由について説明したい。

私のテック・リソーシズ(TECK)への過去の見解

前回の同社に対する強気な分析において、私は下記のように述べた。

私がテック・リソーシズに注目する理由は 、 下記の2つのカタリストがあるからである。

  • 同社は、まだ、グレンコア(GLCNF)に全部、または、一部を買収される可能性がある。
  • 銅の需要は時間と共に増加する一方で、今後2年間は、市場での銅の需要を支えるのに十分な供給が見込めない。

この仮説が、実際に実現されるまで長い時間がかかった。

しかし遂に、待ち望んでいた瞬間がやってきたのである。

テック・リソーシズ(TECK)へのグレンコアのオファーに関して

グレンコアが69億3000万ドルで株式の過半数を取得することで合意した、テック・リソーシズの石炭事業の価値に関して説明したい。

グレンコアが77%の株式を取得し、鉄鋼メーカーの新日鉄とポスコが残りの株式を保有することより、この取引は、同社の石炭事業の企業価値が90億ドルであることを意味する。

更に、石炭事業の売掛債権から、同社に対して、今後12ヶ月間で10億ドルが支払われる。

つまり、この取引の総額は、約100億ドルになるのである。

テック・リソーシズにとって、この買収により、収益性は高いが、環境的に厳しい原料炭事業を切り離し、銅のような金属の採掘に集中することができるようになる。

また、この買収により、同社は負債を返済し、新たな金属鉱山に投資し、株主に価値を還元する手段を得ることにある。

同社の時価総額が180億ドルであることを踏まえると、この取引により、同社の金属事業の価値は約90億ドルとなる。

テック・リソーシズ(TECK)は、金属事業から少なくとも10%のリターンが期待される

この取引は、同業他社との比較に基づき、石炭事業の適正倍率を示唆していると見ている。

結局のところ、原料炭市場は、2022年の不振の後、2023年には顕著に好調であることに留意されたい。

これにより、同社は、バランスシートをデレバレッジし、銅の開発プロジェクトをサポートするためのキャッシュを手に入れ、株主にキャッシュを還元することができる。

同社は、2023年第3四半期を、約60億カナダドルの純負債で終えた。

この取引には、約7億5,000万カナダドルの関連税金が含まれる。

更に、私は、同社は無借金経営をするつもりはないと見ているので、少なくとも、20億カナダドルから、30億カナダドルを株主に還元する余地があるのではないかと考えている。

正確な金額や時期については不確定要素が多いが、少なくとも資本金の10%は株主に還元されることになるのではないかと見ている。

同社には配当があるが、私は同社が単発の配当としてではなく、自社株の買戻しを通じて株主にキャッシュを還元する可能性が高いと考えている。

とはいえ、最終的には、配当と自社株買いの両方を組み合わせることになるかもしれない。

テック・リソーシズ(TECK)経由で、なぜ銅に投資するのか?

EVの急速な台頭は、特に送電網のインフラ強化という観点から、銅への投資を大幅に増やす原動力となっている。

自動車産業が電動化へとシフトし、「Electrification of Everything」(あらゆるものの電動化)の動きと相まって、 充電インフラ等、銅を多用する部品の需要が急増しているからである。

更に、持続可能なEVの充電に不可欠な再生可能エネルギーの統合に関しては、効率的な送配電を実現する上で、銅に大きく依存している。

エネルギー貯蔵システムを含む送電網の強化は、EV充電ネットワークの需要の拡大に対応するために不可欠である。

テック・リソーシズ(TECK)のバリュエーションに関して

おそらく、この次の図は、同社が金属・石炭事業ではなく、よりクリーンな「グリーン・ビジネス」として再格付けされる能力を持つことを示す例として使えるだろう。

テック・リソーシズ(TECK)に対する結論

結論として、私はテック・リソーシズとその間近に迫った変革に期待を寄せている。

というのも、石炭資産の売却により、100億ドル(約1.1兆円)の大金を手にすることができるからだ。

控えめに見積もっても、今後12カ月以内に、同社は、時価総額の少なくとも10%を株主に還元できるだろうと見ている。

グレンコアが69億3,000万ドルで同社の石炭事業の過半数の株式を取得し、同社の銅採掘への戦略的シフトへの道を開いたことで、待望のブル(強気)・シナリオが遂に実現したのである。

この取引により、同社は、収益性は高いが、状況が芳しくない原料炭事業から撤退できるだけでなく、負債を返済し、新しい銅鉱山に投資し、株主に大きな価値を還元するための資金手段を得ることができる。

同社がこのチャンスを生かすことができれば、電気自動車の需要増と送電網のインフラ強化の必要性によって、銅業界にも強気のシナリオが広がっていく。

こうした有望な動きの中で、同社のバリュエーションは再評価される可能性があり、進化する市場の嗜好に沿った、「よりクリーンでグリーンなビジネス」として位置づけられるだろう。