04/26/2025

テスラ(TSLA)今後の株価見通しは良好?最新の2025年度第1四半期決算分析を通じて将来性に迫る!

a red logo with a black backgroundイアニス・ ゾルンパノスイアニス・ ゾルンパノス
  • 本稿では、注目の米国テクノロジー銘柄であるテスラ(TSLA:予想配当利回り0%・配当性向0%・1株当たり配当金0ドル)の2025年4月22日に発表された最新の2025年度第1四半期決算分析を通じて、今後の株価見通しと将来性を詳しく解説していきます。
  • テスラ(TSLA)は電気自動車(EV)分野で垂直統合型ビジネスを展開する成長企業ですが、現在は配当を行っておらず、キャピタルゲインを主なリターン源としています。
  • 最新の2025年第1四半期決算では、売上やEPSが前年同期比で減少しており、資本効率の低下やバリュエーションの割高感が指摘されています。
  • テスラは高い流動性と財務安定性を維持しているものの、インサイダーによる株式売却やROICの低下など課題も抱えており、今後の成長戦略と財務パフォーマンスに注目が集まっています。

テスラ(TSLA)の概要


セクター:自動車

現在の株価:284ドル

時価総額:9,178億1,000万ドル

過去5年間の配当成長率:0%

前回配当落ち日:N/A

次回配当支払い日:N/A

予想配当利回り:0%


関連用語

売上高成長率:企業の売上高が前年と比べてどれだけ増加したかを示す割合で、企業の成長スピードや市場での競争力を評価するための指標。一般的にプラス成長が望ましく、高いほど企業の成長力が強いと言える。


足元の株価推移

(出所:筆者作成)

テスラ(TSLA予想配当利回り0・配当性向0%・1株当たり配当金0ドル)は、アメリカ・テキサス州オースティンに本社を構える、世界有数の電気自動車(EV)メーカーです。

垂直統合型のビジネスモデルを採用し、自社開発によるバッテリー技術、充電インフラ、エネルギー貯蔵システム、ソフトウェアに至るまで幅広い分野に展開している点が特徴です。

テスラは高級セダンから中型SUV、トラック、セミトラックに至るまで多彩な車両ラインアップを展開し、今後は手頃な価格帯のモデルやロボタクシーサービスの提供も計画しています。

現在、テスラは高い成長を続けているものの、配当金の支払いは行っておらず、キャピタルゲインを主な投資リターン源としています。

また、安定した財務基盤を持つ一方で、売上高の成長鈍化や投下資本利益率(ROIC)の低下といった課題も抱えており、今後の成長戦略の進展に注目が集まります。

そして、同社は2025422日に2025年第1四半期決算を発表しており、本稿では同社の最新の決算と財務パフォーマンス、並びに配当推移を詳しく分析していきます。


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テスラ(TSLA)の最新の2025年度第1四半期決算発表に関して

テスラ(TSLA)は、20254月22日に発表された最新の2025年度第1四半期決算において、一時的要因(NRI)を除いた1株当たり利益(EPS)を0.27ドルと報告しました。

これは前四半期の0.73ドル、および前年同期の0.45ドルから減少しており、四半期ベース(QoQ)でも前年同期比(YoY)でも大幅な低下を示しています。

1株当たり売上高も前四半期の7.293ドルから5.491ドルに減少しており、販売実績の悪化が反映されています。

過去5年および10年間におけるテスラの年間EPS(NRI除く)の成長は停滞しており、持続的な利益成長に課題があることがうかがえます。

業界予測では、今後10年間で電気自動車セクター全体の成長率は年率約6%と見込まれており、テスラが市場での地位をうまく活用できれば、成長機会を得られる可能性があります。

さらに、今四半期のテスラの売上総利益率は17.66%であり、過去5年の中央値である21.02%を下回り、さらに過去10年の最高値である25.60%と比べても大きく低下しています。

このマージン圧縮は、競争激化や生産コストの上昇によるものと考えられます。

今後の見通しとして、市場のアナリストはテスラの来期のEPSを1.949ドル、翌年には2.893ドルに達すると予想しています。

また、今後3年間の売上高予測では、2025年に1,020億ドル、2027年には1,440億ドルに達すると見込まれており、テスラが業界の成長トレンドをうまく取り込めるとの楽観的な見方が示されています。

次回の決算発表は2025年7月23日に予定されており、テスラの財務状況や経営戦略に関するさらなる洞察が得られる見通しです。

非経常損益項目を除くベースでのEPS

(年間ベース:直近4四半期の合計値

(出所:筆者作成)


関連用語

EPS(Earnings Per Share、1株当たり利益):企業が一定期間内に得た純利益を、その期間中に発行されている株式の総数で割った値のこと。EPSは、株主が1株あたりどれだけの利益を得たかを示す指標であり、企業の収益力を評価する際によく用いられ、EPSが高いほど、一般的にはその企業が効率的に利益を上げていると判断される。

非経常損益項目を除くベースでのEPS(EPS without NRI):非経常的な収益や費用(例: 一時的な訴訟費用や災害損失)を除いた後の1株当たりの利益(EPS)。これにより、通常の業績をより正確に反映することが可能。

希薄化後EPS:既存株主にとって、潜在的に新しい株式が発行された場合(例: ストックオプションや転換社債の行使)に、1株あたりの利益(EPS)がどの程度薄まるかを考慮したもの。

1株当たり売上高:企業の総売上高を発行済株式数で割った値で、1株あたりが生み出す売上を示しており、企業の売上規模と株式の価値を評価するのに役立つ。

粗利益率:売上高に対する粗利益の割合を示す指標。企業が商品やサービスを販売した際に、売上から直接かかったコスト(売上原価)を差し引いて得られる利益の割合を計算する。粗利益率が高いほど、企業が商品やサービスから得られる利益が大きいことを意味する。

自社株買い比率:企業が自社の発行済み株式を買い戻した割合を示す指標。この比率は、過去の一定期間において企業がどれだけ自社株を買い戻したかを示しており、通常は1年間の比率として表される。具体的には、買い戻された株式数をその期間の発行済株式総数で割ることで計算される。高い比率は、企業が積極的に自社株を買い戻し、EPS(1株当たり利益)を押し上げる可能性があることを示唆している。

各指標のより詳細な解説は、下記のコラムをご覧ください。

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テスラ(TSLA)の財務パフォーマンスに関して

テスラ(TSLAの財務パフォーマンスを、投下資本利益率(ROIC)と加重平均資本コスト(WACC)の観点から分析していきます。

同社の過去5年間におけるROICの中央値は16.09%であり、同期間のWACCの中央値である15.32%を上回っています。これは、過去においてテスラが投下資本に対して資本コストを上回るリターンを生み出し、経済的価値を創出してきたことを示しています。

しかし、直近のデータでは状況が変化しており、現在のROICは7.80%と、現在のWACCである14.81%を下回っています。これは、テスラが経済的価値を創出する能力が低下している可能性を示しており、資本コストが投下資本から得られるリターンを上回っていることを意味します。この変化は、資本配分の効率性に課題が生じているか、コストが増加している可能性を示唆しており、今後の財務パフォーマンスに影響を与えるリスクがあります。

総じて、テスラはこれまで力強いパフォーマンスを示してきましたが、最近のデータは、価値創出を改善し、財務効率を維持するために戦略的な調整が必要であることを示しています。

投下資本利益率(ROIC)加重平均資本コスト(WACC)の比較

(出所:筆者作成)


関連用語

総資産利益率(ROA: Return on Assets):企業が保有する全ての資産を使ってどれだけの利益を生み出したかを示す指標。計算は純利益を総資産で割ることで算出され、ROAが高いほど、企業が資産を効率的に運用していることを示す。

自己資本利益率(ROE: Return on Equity):企業が株主の出資(自己資本)を使ってどれだけの利益を生み出したかを示す指標。計算は純利益を自己資本で割ることで算出され、ROEが高いほど、株主にとって効率的な運用が行われていることを示す。

投下資本利益率(ROIC: Return on Invested Capital):企業が投下資本(株主資本+負債)を使ってどれだけの利益を生み出したかを示す指標。計算はNOPAT(税引後営業利益)を投下資本で割ることで算出され、ROICが高いほど、企業が効率的に資本を運用していることを示す。

ジョエル・グリーンブラット氏の資本利益率(ROC: Return on Capital):株主資本と長期負債の合計である資本に対して、どれだけの利益(NOPAT)を生み出しているかを示す指標。ROICと同様に、資本の効率的な運用を評価する。

加重平均資本コスト(WACC: Weighted Average Cost of Capital):企業が資金を調達する際に必要となる平均的なコストを示す指標で、株主資本と負債のコストを加重平均して求める。WACCが低いほど、企業の資本コストが低く、投資がより利益を生む可能性が高くなる。

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テスラ(TSLA)のバリュエーションに関して

テスラ(TSLAの現在の株価は284.95ドルで、弊社算出の一株当たり本質的価値である243.31ドルよりも高い水準にあり、安全余裕率(マージン)が-17.11%となっていることから、割高である可能性が示唆されています。

また、同社の予想PERは132.97倍であり、過去10年間の中央値である103.75倍を上回っているものの、過去最高値である1396.86倍とは大きな差があります。さらに、株価売上高倍率(PSR)は10.4倍で、過去10年間の中央値である7.21倍を上回っており、歴史的な基準と比較すると割高感が示唆されています。

一方で、直近12か月(TTM)のEV/EBITDA倍率は58.22倍であり、過去10年間の中央値である52.53倍をわずかに上回るものの、過去10年の最高値である400.04倍とは大きな差があり、評価に関しては歴史的極端値と比べてやや混在したシグナルを発しています。また、TTMの株価純資産倍率(PBR)は12.29倍であり、過去10年の最低値である6.63倍に近く、過去最高値である49.65倍と比べると控えめなバリュエーションであることが示されています。

しかし、TTMの株価フリーキャッシュフロー倍率(P/FCF)は146.81倍と比較的高く、過去10年間の中央値である208.70倍を下回っているものの、時価総額に対してキャッシュフロー創出力に課題があることがうかがえます。

市場のアナリストは過去数か月にわたり同社の目標株価を引き下げており、現在の目標株価の平均値は284.44ドルと、現在の株価とほぼ一致しています。この目標株価と現在の株価の一致、加えて高いバリュエーション倍率を踏まえると、慎重な姿勢が求められる状況です。

以上より、安全余裕率の欠如は、同社が内在価値や過去のバリュエーション指標に対して割高である可能性を示しており、将来的な大幅な成長や戦略的転換がなければ、新規投資家にとって上値余地が限定的である可能性があります。そして、市場のアナリストのセンチメントもこのバリュエーションの課題を反映しており、慎重な見方が広がっているように見えます。

(出所:筆者作成)


上記グラフにおける関連用語

Price:現在の株価

Yiazou Value:弊社算出の一株当たり本質的価値

DCF (FCF Based):フリーキャッシュフローに基づくDCF法を用いて算出した理論株価

DCF (Earnings Based):収益に基づくDCF法を用いて算出した理論株価

Median P/S:株価売上高倍率の中央値ベースの理論株価

Perter Lynch:ピーター・リンチ氏のバリュエーション計算方法に基づく理論株価

赤線:上記の各バリュエーション手法により算出された理論株価の平均値


関連用語

安全マージン(Margin of Safety):株式の本質的価値(本来の価値)とその市場価格との間にある差のこと。投資家はこの差を利用して、予想が外れた場合や市場の変動によるリスクを軽減するための「安全な余裕(マージン)」を確保する。例えば、本質的価値が100円の株が市場で80円で取引されている場合、その20円の差が安全マージンとなる。この差が大きいほど、投資のリスクが低くなるとされている。

実績PER(Price Earnings Ratio):過去1年間の実績ベースの1株当たり利益(EPS)に対する現在の株価の倍率。企業が過去にどれだけの利益を上げたかに基づいて、株価が割安か割高かを評価する指標。

予想PER(Forward PER):予想される1株当たり利益(来年度のEPS予想)に対する現在の株価の倍率。将来の利益見込みに基づいて、株価が割安か割高かを評価する指標。

PEGレシオ(Price/Earnings to Growth Ratio):PERを企業の利益成長率で割った指標。成長率を考慮した株価の割安・割高を判断するために使われ、一般的に1以下が割安とされる。

株価売上高倍率(Price to Sales Ratio, PSR):企業の売上高に対する現在の株価の倍率。売上高に対して株価がどれだけの価値を持つかを示す指標で、低いほど割安とされる。

株価フリー・キャッシュフロー倍率(Price to Free Cash Flow Ratio, P/FCF):企業がフリー・キャッシュフロー(営業キャッシュフローから資本的支出を差し引いた金額)に対する現在の株価の倍率。企業のキャッシュフロー創出能力に対して株価が割安か割高かを判断する。

EV/EBITDA倍率(Enterprise Value to EBITDA Ratio):企業価値(EV:株式時価総額+負債−現金)をEBITDA(税引前利益、利払い、減価償却前の利益)で割った指標。企業全体の価値に対する収益力を評価するために用いられる。

PBR(Price to Book Ratio, 株価純資産倍率):企業の純資産(簿価)に対する現在の株価の倍率。株主資本に対して株価がどれだけの価値を持つかを示し、1倍以下だと市場での評価が純資産を下回っているとされる。

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テスラ(TSLA)のリスクとリターンに関して

テスラ(TSLAのリスク・リターン評価分析では、投資家が投資決定を下す前に考慮すべきいくつかのポイントを取り上げたいと思います。

同社は、好材料と潜在的な懸念材料の両方が見られる、混合した財務見通しを示しています。

まず、同社は過去3年間で総額25億ドルの債券発行を行いましたが、その水準は許容範囲内に収まっており、レバレッジは管理可能であることを示しています。しかしながら、直近の内部者取引では374,228株の売却が行われ、購入取引は記録されておらず、会社に密接に関わる人物たちの間に懸念がある可能性を示唆しています。さらに、テスラの売上成長率は減速しており、投下資本利益率(ROIC)が加重平均資本コスト(WACC)を下回っていることから、資本の効率的な活用に課題があることがうかがえます。

一方で、ポジティブな要素としては、テスラの財務安定性が高いことが挙げられます。具体的には、アルトマンのZスコアが12.64と非常に高く、破綻リスクが低いことを示しており、また営業利益率も拡大傾向にあり、収益性の向上が確認されています。加えて、同社のベニッシュのMスコアは-2.89であり、財務諸表の操作リスクが低いことを示しており、投資家に対して財務の健全性を安心させる要素となっています。

これらの強みがある一方で、ROICとWACCの乖離が持続的な成長を妨げる可能性があり、今後のテスラの設備投資や成長戦略の運営状況を慎重に見守る必要があるでしょう。


関連用語

財務レバレッジ:企業が負債をどれだけ活用して資産を増やしているかを示す指標。高い財務レバレッジはリスクを伴うが、うまく活用すればリターンが増加する可能性もある。 目安は業界によって異なるが、一般的には2~3倍が理想とされ、高すぎると財務リスクが高まるとされている。

アルトマンのZスコア:企業の財務健全性を評価するための指標で、特に倒産リスクを予測するのに用いられる。複数の財務指標を組み合わせて計算され、Zスコアが低いほど倒産リスクが高いとされる。目安としては、3.0以上は安全、1.8未満は倒産リスクが高いとされている。

ベネッシュのMスコア:企業が財務報告において不正行為や収益の過大計上を行っている可能性を評価する指標。スコアが高いと、財務操作のリスクが高いとされ、-2.22以下で不正の可能性が低いとされている。

ピオトロスキーのFスコア:企業の財務健全性や成長性を評価するための指標で、9つの財務指標に基づいてスコアが付けられる。スコアが高いほど、財務状況が健全であると評価される。目安としては、7〜9は財務状況が非常に健全、4〜6は平均的、0〜3は財務上の懸念がある可能性が高いとされている。

インタレスト・カバレッジ・レシオ(利息カバレッジ比率):企業が稼いだ利益(通常は営業利益)が、支払わなければならない利息に対してどれだけ余裕があるかを示す指標。計算式は、営業利益 ÷ 利息費用。目安としては、3倍以上が望ましいとされ、これは企業が利息の3倍以上の利益を稼いでいることを意味し、財務的な余裕があると評価される。逆に、1倍以下だと、利息の支払いが困難になる可能性があり、財務リスクが高まる。

ベンジャミン・グレアム:現代のバリュー投資の父と呼ばれる著名な投資家であり、経済学者。「証券分析」や「賢明なる投資家」などの著書を通じて、企業の本質的価値に基づいて株を割安に買うというバリュー投資の概念を広めた人物。彼の投資哲学は、リスクを抑えつつ堅実なリターンを得ることを目指し、多くの投資家に影響を与えている。

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テスラ(TSLA)のインサイダー(内部関係者)による売買に関して

テスラ(TSLA)における過去1年間のインサイダー取引活動は、同社の取締役および経営陣による売却が目立つ傾向を示しています。

直近12か月間で、インサイダーによる買いの取引は一切行われておらず、売却は25件発生しています。この傾向はより短い期間でも一貫して続いており、過去6か月間で19件、直近3か月間で8件の売却が確認されています。インサイダーによる買いが見られないことは、短期的な株価パフォーマンスに対する自信の欠如、あるいはインサイダー自身の資産運用上の理由を示唆している可能性があります。

しかしながら、インサイダーの保有比率はわずか0.11%にとどまっており、同社の役員や取締役が保有する株式の割合が非常に少ないことを示しています。この低い保有比率は、個人資産の分散を図るために売却が頻繁に行われていることを説明できるかもしれません。

一方で、プロの機関投資家による保有比率は47.38%とかなり高く、大手金融機関が同社株式に対して大きな影響力を持っていることを示しています。

以上より、インサイダーによる大量の売却と低い保有比率を踏まえると、同社の将来の業績に対するインサイダーのセンチメントを評価するうえで、投資家にとって懸念材料となる可能性があります。

インサイダー(内部関係者)による売買

(出所:筆者作成)


関連用語

インサイダーによる自社株式の保有比率:企業の経営陣や役員、主要株主(一般的に10%以上の株式を保有する人)が、その企業の株式をどれだけ保有しているかを示す割合。インサイダーが多くの株式を保有している場合、彼らが企業の将来に自信を持っていると見なされることが多い。

機関投資家による株式の保有比率:投資ファンドや保険会社、年金基金などのプロの機関投資家が、その企業の株式をどれだけ保有しているかを示す割合。機関投資家の保有比率が高いと、その企業が市場で信頼されていると判断されることがある。


テスラ(TSLA)の流動性に関して

テスラ(TSLA)は、過去2か月間における1日平均取引量が約1億3,267万株に達していることから、非常に高い流動性を示しています。この取引量は、投資家からの強い関心を反映しており、大口取引であっても株価に大きな影響を与えることなく実行できる体制が整っていることを意味します。

直近営業日では、1日の取引量が1億6,614万株に達し、2か月間の平均を上回る水準となりました。これは、最近のニュースや決算発表、または市場全体の動向によって投資家行動が活発化した結果である可能性を示唆しています。

また、同社のダークプールインデックス(DPI)は47.17%となっており、かなりの割合の取引が非公開市場、すなわち主に機関投資家が大口取引に利用する市場で行われていることを示しています。DPIが50%近い水準にあることは、公開市場とダークプール取引との間でバランスの取れた取引環境が維持されていることを示し、市場への影響を抑えつつ価格の安定性を保つうえで有利に働いています。

総じて、同社の高い流動性と潤沢な取引量は、個人投資家と機関投資家の双方にとって、ポジションの効率的なエントリーおよびエグジットを可能にする好条件を提供しています。ただし、ダークプール取引への依存度が高いことで、取引の一部が公開注文簿上にすぐには現れない可能性があり、市場動向を慎重に観察しながら意思決定を行う必要がある点には留意すべきでしょう。


関連用語

ダーク・プール(私設取引所):株式などの金融商品が公開市場(例えば証券取引所)ではなく、非公開の場で取引されるプラットフォームのこと。ダーク・プールでは取引の内容(注文の価格や数量)が一般に公開されないため、大量の株式を売買する際に市場に与える影響を最小限に抑えることができる。主に機関投資家が利用し、取引の透明性が低い点が特徴。

ダーク・プール指数(DPI):ダーク・プール(私設取引所)内において、同社株式がどの程度取引されているかを示すものであり、注目すべき指標の1つである。


その他のテスラ(TSLAに関するレポートに関心がございましたら、こちらのリンクより、テスラのページにてご覧いただければと思います


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