05/08/2025

強気
ユニティー・ソフトウェア
強気
同社の成長は2025年にかけて安定し、改善すると予想されており、それに伴いフリーキャッシュフローの改善や、2026年夏までに株価が45ドルに達する可能性があります。
ユニティ・ソフトウェア(U)の将来性とは?最新の2025年第1四半期決算分析を通じて今後の株価見通しに迫る!

people sitting down near table with assorted laptop computersマイケル・ウィギンズ・ デ・オリベイラマイケル・ウィギンズ・ デ・オリベイラ
  • 本稿では、注目の米国テクノロジー関連銘柄であるユニティ・ソフトウェア(U)の2025年5月7日に発表された最新の2025年第1四半期決算分析を通じて、同社の目標株価、並びに、今後の株価見通しと将来性を詳しく解説していきます。
  • 同社の成長は2025年にかけて安定し、改善すると予想されており、それに伴いフリーキャッシュフローの改善や、2026年夏までに株価が45ドルに達する可能性があると見ています。
  • 私は、同社が現在の整理段階を乗り越え、2025年にはより力強いフリーキャッシュフローの成長に向けた体制を整えると見ています。
  • 予想フリーキャッシュフローの25倍という水準にもかかわらず、市場は依然として同社の将来性を十分に評価していないと感じています。
  • 仮に2025年後半に緩やかな成長を実現できれば、この株は再評価される可能性があると私は考えています。

ユニティ・ソフトウェア(U)の最新の2025年度第1四半期決算発表に関して

ユニティ・ソフトウェア(U)の最新の2025年度第1四半期決算報告は、やや評価が分かれる内容でした。私の投資の基本的な見立ては依然として変わりません。ユニティの成長は2025年にかけて安定し、さらには加速すると考えています。それに伴い、2024年よりも優れたフリーキャッシュフローが実現されるはずであると見ています。

とはいえ、今回発表されたガイダンスを見る限り、状況がすでに好転しているとは言い切れません。ただ、公平に言えば、市場はこの銘柄に過剰な期待をかけているわけでもありません。すでに期待値はかなり低くなっています。

そのため、私は依然としてユニティに強気の姿勢を維持しています。私の予想どおりフリーキャッシュフローが改善していけば、2026年夏までに1株あたり45ドルに到達する可能性は十分にあると考えています。

ユニティ・ソフトウェア(U)とは?

ユニティ・ソフトウェア(U)は、ゲーム開発者がゲームを制作・成長させるためのツール群を提供している企業です。これは、ゲームの設計、ビジュアル、パフォーマンス、さらには収益化まで、すべてを網羅するフルスタックのツールボックスのようなものです。モバイルでもVRでも、ユニティを使えば1つのプラットフォーム上ですべてを完結できます。

同社の新しいプラットフォーム「Unity Vector」は順調なスタートを切っており、最新のゲームエンジン「Unity 6」もすでに大きな注目を集めています。ただし注意点として、ユニティはいまなお再構築の最中にあり、劇的な変化がすぐに起こるわけではありません。

現時点でユニティは、業績面で弱かった事業部分の整理を進めています。同社はこれを「ポートフォリオ再編」と呼んでおり、要は成果の出ていなかった事業を削減しているということです。この取り組みにより、「Create Solutions(制作ソリューション)」部門、特に大手顧客向けのサービスが打撃を受けています。「Grow Solutions(成長支援ソリューション)」部門は引き続き稼働していますが、その中でも期待通りに機能していない製品もあります。

つまり、進捗はしているものの、すべてが順調というわけではありません。

ユニティ・ソフトウェア(U)の売上高:今後の売上高成長率は改善が見込まれる

ユニティ・ソフトウェアの売上高成長率(%)

(出所:筆者作成)

ご参考までに、今年の2月中旬にユニティ・ソフトウェア(U)をポートフォリオに追加した際に執筆した分析レポートにおける私のコメントを思い出してください。

「私は今の状況だけを見て判断している訳ではありません。時計を12カ月進めてみましょう。その頃には、同社は数四半期連続で成長率の加速を報告している企業になっているかもしれません。さらに、AIに関連する話題性のあるキーワードが加われば、この投資ストーリーは自然と形を成していくでしょう。」

現時点では、数字上に大きな勢いはまだ見られません。比較対象がやさしくなる今後を考慮しても、成長はまだ本格的に立ち上がっていないのです。正直なところ、これはやや残念ではありますが、それでも私はポジティブな準備が整っていると信じています。2025年の第4四半期には、明確な改善が見え始めるかもしれません。

同社が投資家に伝えたい最も重要な点は、事業の弱点を切り離し、業務を引き締めて、より強力なフリーキャッシュフローを生み出す体制を整えているということです。そこにこそ、今後の上昇余地があると考えています。

ユニティ・ソフトウェア(U)のバリュエーション:予想フリーキャッシュフローの25倍

インフレクション型の投資家として、私は健全なバランスシートを持つ企業を重視しています。ユニティ・ソフトウェア(U)のバランスシートは完璧とは言えません。純負債は約7億3,000万ドルで、壊滅的というわけではありませんが、理想的な状態でもありません。

とはいえ、ユニティは今後、フリーキャッシュフローの面で大きな進展を見せると考えています。ユニティの収益の大半は広告から得られているため、年初はキャッシュフローが少なく、年末、特に第4四半期に向けて増加する傾向があります。

昨年、同社は3億9,000万ドルのEBITDAに対して2億7,500万ドルのフリーキャッシュフローを生み出し、コンバージョン率は70%に達しました。今年前半も50%のコンバージョンが達成できれば、上半期で8,000万ドル以上となり、前年の6,500万ドルを上回ることになります。

もちろん、EBITDAがやや減少する可能性はありますが、利益率の低いサービスを削減し、ソフトウェア分野への注力を強めているため、コンバージョン率の改善が期待できます。

すべてを考慮した上で、私は2025年通期で約3億5,000万ドルのフリーキャッシュフローを見込んでいます。この数字であれば、ユニティ株は予想フリーキャッシュフローの25倍で取引されていることになり、もし2025年後半に私の見立て通りの展開となれば、魅力的な水準だと考えています。

ユニティ・ソフトウェア(U)を取り巻くリスク要因について

最大のリスクは、私のフリーキャッシュフロー予測が外れることです。昨年の2億7,500万ドルが、2025年にはそれ以上に結びつかない可能性もあります。もし今年3億ドルに届かない場合、投資ストーリーはかなり厳しくなり、バランスシートの負担感も増すことになります。

また、アップラビンはユニティ・ソフトウェア(U)と直接競合する事業の一部を売却したとはいえ、依然として強力な競合プレイヤーです。同社の広告プラットフォーム「AXON」は好調で、ユニティの「Operate Solutions」と真っ向から競り合っています。つまり、ユニティ・ソフトウェアの広告ビジネスには依然として激しい競争が存在しています。

さらに、世界経済の先行きも不透明です。関税やインフレが経済成長の重しとなれば、同社全体の事業展開に悪影響を及ぼす可能性があります。

ユニティ・ソフトウェア(U)に対する結論

現時点でのユニティ・ソフトウェア(U)において、私が最も注目しているのは財務状況の改善です。同社は今なお再編の途上にありますが、成果の出ていない事業の切り離しを進め、高利益率のソフトウェア製品に注力しています。

特にフリーキャッシュフローの軌道には期待を持っています。昨年の実績である2億7,500万ドルから、今年は現実的に見ても3億5,000万ドルに到達する可能性があります。

予想フリーキャッシュフローの25倍で取引されている現在、ユニティがこの移行期を乗り越えた後に実現し得る成長性を、市場はまだ十分に織り込んでいないように思います。2025年後半に同社が成果を出せれば、非常に注目されるストーリーへと進化する可能性があると見ています。


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