05/10/2024

中立
ベライゾン・コミュニケーションズ
中立
同社の現在の株価は、弊社算出の一株当たり本質的価値である40.26ドルとほぼ同水準にある。
ベライゾン(VZ)の将来性:予想配当利回りは6%で配当性向57%と魅力的?最新の2024年1Q決算も好調!

the verizon logo is displayed on an iphoneイアニス・ ゾルンパノスイアニス・ ゾルンパノス
  • 本稿では、ベライゾン・コミュニケーションズ(VZ:予想配当利回り6.70%・配当性向57%・1株当たり配当金0.665ドル)の2024年4月22日に発表された最新の2024年度第1四半期決算と配当推移に関するトレンド、さらに、同社の財務パフォーマンスを詳細に分析していきます。
  • そして、それらの分析を通じて、同社の目標株価、並びに、今後の株価見通しと将来性を詳細に解説していきます。
  • ベライゾン・コミュニケーションズは米国最大のワイヤレスキャリアであり、9300万人の後払い顧客と2100万人のプリペイド顧客にサービスを提供しています。
  • 同社は過去17年間にわたり連続して増配し、安定した配当成長を維持しており、さらに予想配当利回りは6.70%となっています。
  • 現在の株価は39.79ドルで、弊社算出の一株当たり本質的価値の40.26ドルをわずかに下回っているが、主要なバリュエーション指標は業界平均に沿った水準となっています。

ベライゾン・コミュニケーションズ(VZ)の概要

セクター:情報通信サービス

現在の価格:39ドル

時価総額:1,674億9,000万ドル

弊社算出の一株当たり本質的価値:40.26ドル

安全マージン:1.17%

過去5年間の配当成長率:2.00%

直近配当落ち日:2024年4月9日

直近配当支払い日:2024年5月1日

予想配当利回り:6.70%

過去5年間の売上高成長率:0.40%

過去10年間の売上高成長率:-1.10%

ベライゾン・コミュニケーションズ(VZ)は、全米ネットワークを通じて約9,300万人の後払い顧客と2,100万人のプリペイド顧客(Tracfone買収後)にサービスを提供する、米国最大のワイヤレス・キャリアである。

ワイヤレス・サービスは、同社のサービス総売上高の約70%、営業利益のほぼ全てを占めている。

固定通信事業には、北東部のローカル・ネットワークが含まれ、約2,900万世帯と企業にサービスを提供し、約800万人のブロードバンド顧客にサービスを提供している。

また、企業顧客向けに全米で電気通信サービスを提供しており、多くの場合、自社と他キャリアのネットワークを混合して使用している。

同社は2024年4月22日に2024年度第1四半期決算を発表しており、また、2000年以降、連続して増配を維持している。

ベライゾン・コミュニケーションズ(VZ)の業績と成長に関して

ベライゾン・コミュニケーションズ(VZ)は2024年度第1四半期に好業績を示し、非経常損益項目を除くベースでのEPSは前四半期の1.08ドルから1.15ドルに増加しており、また、一株当たり売上高も前四半期の7.737ドルから7.817ドルに改善している。

一方で、長期的なパフォーマンスを見ると、同社株の非経常損益項目を除くベースでのEPSの過去5年間の年平均成長率(CAGR)は0.30%で、過去10年間の年平均成長率は6.30%となっており、足元、同社の収益面での成長はやや減速しているようにも見える。

ただし、今後10年間の同社業界の成長見通しは良好であることからも、同社の今後の成長軌道を支える可能性がある。

また、同社の過去の財務レバレッジの程度は中程度であり、同社が負債水準を効果的に管理しながら成長する余地があることを示している。

全体として、前四半期のベライゾン・コミュニケーションズの業績は好調であり、業界の見通しも良好で、レバレッジも管理可能な水準にあることから、同社は将来的な成長の可能性を十分に秘めていると見ている。

ベライゾン・コミュニケーションズ(VZ)の配当に関して

ベライゾン・コミュニケーションズ(VZ)は過去数年間、安定した配当成長のトレンドを示しており、過去5年間の配当成長率と過去3年間の配当成長率はともに2.00%となっている。

また、直近の予想配当利回りは6.70%で、配当収入を求める投資家にとっては魅力的なリターンに見えるかもしれない。

加えて、EBITDA純有利子負債倍率は4.36倍となっており、当社が、EBITDAに対して管理可能なレベルの負債を抱えていることを示唆しており、これは、同社の財務の安定性と配当支払いを維持する能力を示していると言える。

さらに、同社の配当実績を同セクター内で比較すると、同社の配当額の一貫した伸びは、株主への価値還元へのコミットメントを反映していると言える。

直近の1株当たり配当金は0.665ドルで、定期的な現金配当の支払いは、投資家にとって信頼できる収入源であることを示している。

また、実際に、同社は2000年以降、連続して増配を維持している点も配当収入を求める投資家には魅力的なポイントであろう。

全体として、ベライゾン・コミュニケーションズは堅実な配当成長のトレンドを示し、投資家に競争力のある予想配当利回りと増配実績を提供していることからも、同セクター内の配当収入重視の投資家にとって魅力的な選択肢となっている。

予想配当利回り:6.70%

配当性向:57%

配当カバレッジ・レシオ:1.01

過去5年間の配当成長率: 2.00%

EBITDA純有利子負債倍率:4.36

ベライゾン・コミュニケーションズ(VZ)のバリュエーションに関して

ベライゾン・コミュニケーションズ(VZ)の現在の株価は39.79ドルで、弊社算出の一株当たり本質的価値である40.26ドルをわずかではあるが下回っている。

また、実績PERは14.85倍となっており、株価がPERの過去の平均と比較して合理的なバリュエーションであることを示している。

加えて、株価売上高倍率は1.24倍となっており、売上高を基準とした場合に、同社株価が業界標準に沿った水準で取引されていることを示唆している。

さらに、EV/EBITDA倍率は8.43倍となっており、これも業界平均と同水準であると言える。

そして、現在のバリュエーション指標を5年平均、10年平均と比較すると、同社は同様のバリュエーション・レンジで取引されているように見え、長期的にバリュエーションが安定していることを示している。

ただし、PEGレシオは85.4となっており、成長見通しを踏まえると、同社の株価が過大評価されている可能性を示している。

全体として、ベライゾン・コミュニケーションズは現在の株価と主要なバリュエーション指標に基づくと、過去の平均や業界の平均から大きく乖離することなく、公正に評価されているように見える。

ベライゾン・コミュニケーションズ(VZ)のリスクとリターンに関して

ベライゾン・コミュニケーションズ(VZのリスク評価分析では、投資家が投資決定を下す前に考慮すべきいくつかのポイントを取り上げたい

まずマイナス面では、売上高の伸びは過去12カ月で鈍化し、株価は1年ぶりの高値水準に近づいている。

さらに、株価売上高倍率は1.24倍となっており、1年ぶりの高水準である1.33倍に近づいている。

また、予想配当利回りは1年ぶりの低水準にある。

一方でプラス面では、ベニッシュのMスコアは-2.65と-1.78を下回り、同社が利益操作を行っている可能性が低いことを示している。

加えて、同社は営業利益率は拡大しており、これは一般的にポジティブな兆候である。

以上より、ベライゾン・コミュニケーションズは幾つかのポジティブな材料がある一方で、複数のマイナス面も存在することから、投資家は同社への投資を検討する際には、より慎重になる必要があるだろう。

ベライゾン・コミュニケーションズ(VZ)のインサイダー(内部関係者)による売買に関して

過去12ヶ月間、ベライゾン・コミュニケーションズ(VZ)では、インサイダーによる同社株式の買い付けは見られなかったが、インサイダーによる同社株式の売却は6件確認されている。

これは、インサイダーが同社株式の売却を通じて利益を得ているか、会社の将来の業績に対する自信のなさを潜在的に示している可能性がある。

ただし、インサイダーによる同社株式の保有比率がわずか0.06%である点にはご留意いただきたい。

一方、機関投資家の同社株式の保有比率は37.59%と比較的高く、機関投資家が同社に大きな関心を持っていることを示している。

これは、プロの投資家が同社株式に価値を見いだし、その将来性に楽観的であることを示唆している可能性がある。

全体として、インサイダー取引と機関投資家の保有比率に基づくトレンド分析は、ベライゾン・コミュニケーションズに対するインサイダーと機関投資家のセンチメントが混在していることを示唆している。

ベライゾン・コミュニケーションズ(VZ)の流動性に関して

ベライゾン・コミュニケーションズ(VZ)の過去2ヶ月間の1日平均出来高は18,674,155株で、また、直近営業日の1日当たりの出来高は12,038,656株となっていることからも、同社株式の流動性の高さを示している。

また、同社株式のダークプール指数(DPI)は31.48%で、取引活動のかなりの部分がダークプールで行われていることを示している。

※ダーク・プール指数は、ダーク・プール(私設取引所)内において、同社株式がどの程度取引されているかを示すものであり、注目すべき指標の1つである。

この高水準のDPIは、同社株式の価格発見への透明性と市場全体の効率性に影響を与える可能性がある。

そして、この水準は、機関投資家がこの銘柄を積極的に取引していることを示唆している可能性がある。

また、ダーク・プールにおける流動性は同社株価の安定に寄与し、株価のボラティリティを低下させるとも言える。

全体として、ベライゾン・コミュニケーションズの流動性は健全で、取引量は多く、ダーク・プールでの取引も一定量あることからも、同社株式は流動性の高い有望な投資対象であるように見える。

直近の配当関連銘柄レポート

1. コカ・コーラ / KO / 予想配当利回り3% / 配当性向67% / 中立:2024年1Q決算速報・業績分析と今後の株価予想・将来性

2. エクソンモービル / XOM / 予想配当利回り3% / 中立:2024年1Q決算速報・財務分析と今後の株価予想・将来性

また、私のその他の配当関連のレポートに関心がございましたら、是非、こちらのリンクより、私のプロフィールページにアクセスし、レポートの一覧をご覧いただければと思います。

さらに、その他のベライゾン・コミュニケーションズ(VZに関するレポートに関心がございましたら、是非、こちらのリンクより、ベライゾン・コミュニケーションズのページにアクセスしていただければと思います。