02/26/2025

やや強気
ベライゾン・コミュニケーションズ
やや強気
ベライゾンは18年連続で増配を続けており、現在の四半期配当もフリーキャッシュフローでしっかりと賄われています。
【高配当】ベライゾン(VZ)連続増配年数は18年!格付けも「A-」と健全な財務基盤を維持する注目の高配当銘柄の将来性に迫る!

green plant in clear glass cupヴェンカット・ ラガーヴァンヴェンカット・ ラガーヴァン
  • インフレは、人々の退職後の人生にとって永遠の敵である一方で、2025年は、世界中の株式市場で配当が記録的に増加する年になると予想されています。
  • 本稿では、注目の米国高配当株であるベライゾン・コミュニケーションズ(VZ:予想配当利回り6.3%・配当性向59%・1株当たり配当金0.6775ドル)の最新の2024年度第4四半期決算と配当推移の詳細な分析を通じて、今後の株価見通しと将来性を詳しく解説していきます。
  • 同社は、米国最大級の通信企業であり、安定した収益基盤と高配当を継続して提供するインカム投資家向けの魅力的な銘柄となっています。
  • 2025年度も増収・増配を見込んでおり、連続増配年数18年という実績やFitch RatingsからA-の格付けが示す通り健全な財務基盤を維持していることから、インフレ対策として有望な銘柄です。

インカム・高配当株投資が必要な理由とは?

支出は年々じわじわと増加し、気づかぬうちに大きく膨らんでいくものです。もし、インフレが政府の景気刺激策によるパンデミック後の現象に過ぎないと考えているなら、ニュースの見出しだけでなく、この経済概念をより深く学び、その長期的な影響について理解する必要があります。

たとえば、1980年には、家族でマクドナルドのハンバーガー、フライドポテト、シェイクを3ドル未満で楽しめました。しかし、現在では、あの「世界的に有名なフライドポテト」のMサイズを注文するだけでも税抜きで4ドルかかります。このシンプルな比較だけでも、6つの年代にわたるインフレの影響を示しています。それはちょうど、一人の人が働き始めてから引退するまでの期間と重なります。

(出所:Reddit

インフレは静かに貨幣の購買力を蝕み、今日の収入が明日の生活費を賄えなくなる状況を生み出します。価格の上昇は贅沢品にとどまらず、住宅、医療、教育といった生活の必需品にも及びます。特に、固定収入や停滞した収入に頼る人々にとって、インフレは避けられない「税金」のようなものであり、時間とともに経済的な柔軟性を奪っていきます。この問題に対応する唯一の方法は、インフレ率に追いつくだけでなく、それを上回るペースで収入を増やし、経済的な安定と将来の目標を確保することです。インフレが進む環境では、収入が停滞することは後退を意味し、逆に、受動的な収入を増やすことが前進への一歩となるのです。

そして、金融市場は、世界トップクラスの企業で働く優秀な人材の知恵と専門知識によって支えられた安定した配当金という形で、最も優れた成長する受動的収入の源となります。

歴史的に見ても、配当の成長を支える主な要因は企業の利益成長です。2024年は世界全体の配当総額が過去最高を記録し、ゴールドマン・サックスはS&P 500の1株当たり利益が2024年の予測値(8%増)を上回る11%の成長を遂げると予測しています。それに伴い、配当も7%増加すると見込まれています。配当性向は29%と安全性が非常に高く(過去の平均である50%を大きく下回る水準)、企業がさらなる増配を行う余地は十分にあります。

S&P ダウ・ジョーンズ・インデックスのアナリストは、2025年の配当総額が約6,850億ドルに達し、2024年の予測値(6,300億ドル)を上回る過去最高を更新すると予想しています。欧州でも同様の傾向が見られ、アリアンツ・グローバル・インベスターズは2025年の配当総額が4,590億ユーロに達すると見込んでいます。

配当は世界的に増加しており、インカム・高配当株投資家である私はそれらの配当金の支払いを大量に受け取っています。それでは、今回の注目銘柄について詳しく見ていきましょう!

ベライゾン・コミュニケーションズ(VZ)予想配当利回り6.3%

ベライゾン・コミュニケーションズVZ)は、契約者数と純収益の両面で、米国最大の通信企業です。ポストペイド、プリペイド、ホールセールおよびIoT接続を含め、同社は全米で約1億4,500万人の契約者を抱えています。最近、米国農務省(U.S. Department of Agriculture)との5年間の契約を獲得しました。

また、同社は米国国防総省(U.S. Department of Defense)とも広範に提携しており、10年間にわたる複数契約で総額26.7億ドルの米海軍(U.S. Navy)契約、3つのEIS(Enterprise Infrastructure Solutions)契約で総額約10億ドル、さらに1,500万ドルのEISタスクオーダーを受注しています。加えて、最近では「Global Network Solutions」契約の24カ月間の契約延長が発表され、これにより2016年からの累計受注額は9,800万ドルに達しました。

2025年1月24日に発表された最新の2024年度の通期決算では、同社は3つの事業セグメントを合わせた総収益が1,347億ドルとなり、前年比3.1%増加しました。これはガイダンスの上限にあたります。特に、第4四半期には業界トップの無線サービス収益を記録し、総額200億ドルに達しました。

また、同社の通期調整後EBITDAは488億ドルで、前年比2.1%増(ガイダンスの中央値)となりました。フリーキャッシュフローは198億ドルを確保しており、年間112億ドルの配当支出を56.5%の控えめな配当性向で十分に賄っています。調整後EPSは1株当たり4.59ドルとなり、同社の引き上げられた年間配当額に対する配当性向は59%に達しています。)

ベライゾン・コミュニケーションズのフリーキャッシュフローと配当支出(百万ドル)

(出所:筆者作成)

ベライゾン・コミュニケーションズは2025年度の業績見通しを発表しており、無線サービス全体の収益が前年比2~2.8%増、調整後EBITDAが2~3.5%増となると予測しています。また、2025年度の設備投資(CapEx)は175億~185億ドルと前年より増加する見込みで、フリーキャッシュフロー(FCF)は175億~185億ドルと前年を下回る見通しです。この見通しには、現在進行中のFrontier Communicationsの買収による影響は含まれていません。

さらに、同社は18年連続で増配を実施しており、最近引き上げられた四半期配当は1株あたり0.6775ドルとなっています。この配当は同社のフリーキャッシュフローによって十分にカバーされており、5Gや光ファイバーの展開に伴う設備投資が増加した年でも、配当を上回るFCFを維持してきました。今後も発表済みの買収や統合を経て、増配の流れが続くと予想されます。

また、同社は投資適格の健全な財務基盤を維持しており、Fitch RatingsからA-の格付けを受けています。2024年度末時点で、無担保純負債と調整後EBITDAの比率は2.3倍、加重平均資本コスト(WACC)は4.89%となっています。同社の株価は最近下落しており、予想配当利回りが6.3%に近づいていることから、魅力的な買い場となっているように見えます。

ベライゾン・コミュニケーションズの株価推移

(出所:YCharts)

ベライゾン・コミュニケーションズ(VZ)に対する結論

インフレが落ち着き、制御されつつあるというニュースが流れていても、それは避けられない存在であり、退職後の人生において常に付きまとう課題となります。この経済的な力は、時間とともに静かにお金の購買力を蝕んでいきます。支出の増加に圧倒されることもあるかもしれませんが、適切な投資戦略を取ることで、その影響を和らげることが可能です。

そこで、収益を生み出す資産に重点を置くことで、投資家は安定した成長するキャッシュフローを確保し、インフレによる影響を相殺することができます。

以上を踏まえると、本稿で紹介したベライゾン・コミュニケーションズVZ)はインフレ・ヘッジの役割を果たし得る魅力的なインカム・高配当銘柄であるように見えます。


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