中立ウェイスト・マネジメントすべて表示ウェイスト・マネジメント / WM / 予想配当利回り1.6% / 中立:連続増配の公益事業株の株価分析と今後の見通し(後編)
ヴェンカット・ ラガーヴァン- ゴミ収集とリサイクルは、臭いながらも収益性の高いビジネスであり、見たこともないような非弾力的なビジネスである。
- 人類が生き、呼吸する限り、廃棄物は発生し、回収・処理サービスが必要となる。
- ウェイスト・マネジメント(WM:予想配当利回り1.6%)は、株主に優しい企業戦略を持つ、経営が順調な企業である。
※「ザイレム / XYL / 予想配当利回り1.3% / 強気:連続増配の公益事業株の株価分析と今後の見通し(前編)」の続き
はじめに
前回の記事では、私たちの日常生活に欠かせない清潔な水と、水技術のリーディング・カンパニーであるザイレムを通じて、この水という資源から成長を続けるパッシブ・インカム(受動的収入)を得る方法について説明した。
そして、このレポートでは、ゴミから現金収入を得る方法を考えてみよう。
1977年から1990年にかけてフィデリティのマゼラン・ファンドを運用した伝説の投資家、ピーター・リンチ氏は、在任中に年平均29.2%という驚異的なリターンを記録し、常にS&P500種株価指数の2倍以上の運用成績を残した。
リンチ氏は、シンプルで採用しやすい基準を幾つか持っており、今日の議論の基礎となる3つの具体的な要素を強調していた。
ビジネスがわかりやすい
人々が買い続ける
何か退屈なこと、嫌なこと、有毒廃棄物に関係することをやっている
私たちは、廃棄物収集、堆肥化、リサイクル事業が上記の基準をすべて満たすと考えている。
米国では毎日、1人当たり平均4.9ポンドのゴミを排出しており、これはどの国よりも多い。
世界人口が拡大し続ける中、廃棄物の処理量は強い相関関係を保ち続けるだろう。
また、アメリカの廃棄物の75%はリサイクル可能であるが、現在リサイクルされているのはわずか30%にすぎない。
環境問題が深刻化し、規制の圧力が高まり、社会の期待が大きくなるにつれ、廃棄物の管理と軽減は、企業にとっても個人にとっても極めて重要な側面であり続けるだろう。
ここでは、総合的な廃棄物・環境サービスの世界的リーダーであり、北米で事業を展開するウェイスト・マネジメント(WM)を取り上げたい。
ウェイスト・マネジメント(年間予想配当利回り:1.6%)
ウェイスト・マネジメントは、収集、埋立、移動、リサイクル、その他の事業を通じて、米国、カナダ、プエルトリコの約2,100万人の住宅、産業、自治体、商業顧客に重要な環境サービスを提供している。
26,000台の収集・搬送車両を擁する同社は、廃棄物業界最大のトラック保有企業であり、主要競合企業であるリパブリック・サービシズ(RSG)と共に、米国のゴミ収集の半分以上を担っている。
同社は収集した廃棄物の約70%を自社の埋立処分場で処理しており、この内部化により連結マージンの向上と営業キャッシュフローの強化につながっている。
2023年第3四半期、同社の売上高は前年同期比2.4%増、調整後EBITDAは同6.6%増となった。
営業費用の最小化に成功し、EBITDAマージンは29.6%(前年同期28.5%)と顕著な改善を示した。
同社は引き続き成長路線を維持し、8つの新規市場に参入し、4つの既存市場で事業を拡大している。
そのため、同社は2023年度には年間営業EBITDA(調整後)で7億4,000万ドル、年間フリー・キャッシュフローで5億8,000万ドルの増加を目標としている。
同社は2000年以来、一貫して配当を増やし続けており、同社の年初来の純利益額合計は18億ドルであり、配当性向は47%と控えめで、目標である40~50%の範囲内にある。
このため、今後も継続的な増配の余地があると見ている。
同社の配当スチュワードシップは、配当金の増額にとどまらない。
同社はフリー・キャッシュ・フローを自社株買いにも充ててきた。
過去5年間で、同社は45億ドル相当の株式を買い戻し、発行済み株式数の約6%の減少に反映されている。
また、同社は、現在、15億ドルの自社株買い枠を保有している。
バリュエーションの観点からは、同社はフォワードPERの25倍のプレミアムで取引されている。
同社は非弾力的なサービスを提供しているため、不況下で売りが殺到することはないだろうと見ている。
そのため、目立った反落があれば、インカム投資家にとってもグロース投資家にとっても、長期的な絶好の買い場となるだろう。
ウェイスト・マネジメントは、その名の通り廃棄物処理を行う企業である。
世界各国であらゆる種類の廃棄物を管理している。
ゴミから現金を集める下水や有毒廃棄物を管理する会社は、人気のあるトピックではないことは理解している。
しかし、鼻をつまんででも、成長を続ける配当金を集めることを厭わない人々にとっては、確かな掘り出し物になると見ている。