ウォルマート / WMT / 中立 / 予想配当利回り1.4% / 配当王:2023年4Q決算と今後の株価見通し・将来性
- ウォルマート(WMT:予想配当利回り1.39%)は米国最大手の小売業者であり、世界中で毎週約2億4,000万人の顧客にサービスを提供している。
- 同社は2024年2月20日に24年度第4四半期決算を発表している。
- また、同社は過去50年間連続して増配を実施しており、米国株配当王の一角を担っている。
ウォルマートの概要
セクター:小売(ディフェンシブ銘柄)
現在の株価:59ドル
時価総額:4798.7億ドル
一株当たり本質的価値:54.42ドル
安全マージン:-9.49%
過去5年間の配当成長率:1.90%
配当落ち日:2024年3月14日
配当支払い日:2024年4月1日
予想配当利回り:1.39%
過去5年間の売上高成長率:6.60%
過去10年間の売上高成長率:5.20%
ウォルマート(WMT)は米国最大手の小売業者である。
同社は1988年に最初のスーパーセンターをオープンし、便利なワンストップショッピングを提供することで、低価格ビジネス戦略を強化している。
現在、米国で4,700店以上(サムズクラブを含めると5,300店)、世界で10,000店以上を運営している。
同社は世界中で毎週約2億4,000万人の顧客にサービスを提供している。
ウォルマートの収益と成長に関して
ウォルマート(WMT)の2024年第4四半期の1株当たり利益(EPS)は前四半期に比べ減少し、EPSは1.53から0.6に減少した。
しかし、希薄化後EPSは前四半期の0.057から0.677に上昇する着地となっている。
そして、一株当たり売上高も19.83から21.398に若干増加している。
加えて、長期的なパフォーマンスを見ると、同社株の非経常損益項目を除くベースでのEPSの過去5年間の年平均成長率は15.20%と着実な成長を示している。
また、過去のデータを見ると、ウォルマートは中程度の財務レバレッジで安定した財務体質を維持していることが分かる。
さらに、今後10年間の業界成長予測からは、小売セクターの明るい見通しを示唆しており、ウォルマートの将来の業績にプラスに働く可能性がある。
強力な市場プレゼンスと事業拡大の可能性を持つウォルマートは、業界の成長機会を活用し、長期的に成長軌道を継続するのに有利な立場にある。
ウォルマートの配当に関して
ウォルマート・インク(WMT)は、過去数年間一貫した配当成長を示しており、1株当たりの過去5年間の配当成長率は1.90%、過去3年間の配当成長率は1.80%である。
また、同社のEBITDA純有利子負債倍率は1.69と健全で、配当支払いを支える強固な財務体質を保持していることを示している。
さらに、同社の予想配当利回りは1.39%となっており、現在の株価に対する予想される年間の配当収入の比率を示している。
直近の四半期では、ウォルマートは1株当たり0.208ドルの配当を支払い、定期的な配当支払いの傾向を続けている。
実際に、同社は配当金を維持・増配してきた歴史があり、投資家に信頼できる配当の収入源を提供している。
加えて、同セクターと比較しても、ウォルマートの配当実績は非常に安定しており、投資家に一貫して成長する配当収入を提供している。
同社の配当支払い維持能力と株主還元へのコミットメントは、投資ポートフォリオの安定と成長を求める配当収入重視の投資家にとって、同社株式を魅力的な選択肢としている。
予想配当利回り:1.39%
配当性向:18%
配当カバレッジ・レシオ:2.52%
過去5年間の配当成長率:1.90%
EBITDA純有利子負債倍率:1.69
ウォルマートのバリュエーションに関して
ウォルマート(WMT)の現在の株価売上高倍率は0.75で、5年平均の0.80、10年平均の0.85をそれぞれ下回っており、この指標からは同社株式が割安である可能性を示している。
また、EV/EBITDAレシオも14.61と過去の平均を下回っており、過去と比較して有利なバリュエーションであることを示唆している。
加えて、業界平均と比較しても、同社の株価売上高倍率は低く、同業他社と比較して割安である可能性を示唆している。
一方で、実績PERは31.13となっており、市場が同社株式の利益に対してプレミアムを支払うことを望んでいることを示唆しており、これは同社の将来の見通しに対する肯定的な投資家心理を反映している可能性がある。
全体として、株価売上高倍率とEV/EBITDAレシオに基づけば、ウォルマートは過去や業界の平均と比べて魅力的なバリュエーションであるように見える。
ウォルマートのリスクとリターンに関して
ウォルマート(WMT)のリスク評価分析では、投資家が投資決定を下す前に考慮すべきいくつかのポイントを取り上げたい。
まず第一に、インサイダーによる同社株式の売却の多さは、インサイダーによる同社に対する信頼感の欠如を示唆している可能性がある。
さらに、過去5年間の営業利益率が年平均-1.4%と低下していることも気になるところである。
加えて、実績PBRは10年ぶりの高水準に近く、株価が割高である可能性を示している。
そして、同社の株価と株価売上高倍率も10年来の高水準にある。
足元の配当利回りの低さも、株価のネガティブな見通しに拍車をかけている。
一方で、プラス面では、ピオトロスキーのFスコアが8で非常に健全な状況を示しており、さらにベニッシュのMスコアは-2.74で、同社が利益操作をしている可能性が低いことを示唆している。
加えて、アルトマンZスコアは5.09と強く、倒産の可能性が低いことを示している。
これらのポジティブな指標にもかかわらず、ウォルマート株の全体的なリスク評価は、大幅なインサイダーによる同社株式の売却、営業利益率の低下、PERとPBRをベースでの割高感からも、ややネガティブな面が多いように見える。
ウォルマートのインサイダー(内部関係者)による売買に関して
ウォルマート(WMT)のインサイダーによる同社株式の取引活動に関しては、106件のインサイダーによる売却が確認されたのに対し、たった1件のインサイダーによる買い付け取引となっており、過去12ヶ月間のインサイダーによる著しい売却傾向を示している。
この高水準のインサイダーによる売却は、取締役や経営陣を含む会社のインサイダーが自社株を売却していることを示唆しており、投資家に懸念を抱かせる可能性がある。
ただし、同社のインサイダーによる同社株式の保有比率は僅かに1.60%である点にはご留意いただきたい。
一方、機関投資家の保有比率は19.55%と高く、機関投資家が同社の株式をより多く保有していることを示唆している。
全体として、インサイダー取引分析は、ウォルマートに対するインサイダーの弱気なセンチメントを明らかにし、潜在的に同社の将来の業績に対する慎重さや自信のなさを示している可能性がある。
ウォルマートの流動性に関して
ウォルマート(WMT)の過去2ヶ月間の1日平均出来高は22,074,257株で、直近営業日の出来高は17,938,480株となっており、同社株式の流動性の高さを示している。
また、同社株式のダークプール指数(DPI)は30.46%で、取引のかなりの部分が公開取引所ではなくダークプール経由で行われていることを示唆している。
※ダーク・プール指数は、ダーク・プール(私設取引所)内において、同社株式がどの程度取引されているかを示すものであり、注目すべき指標の1つである。
そして、この水準は、機関投資家や他の大規模な市場参加者がこの株式の取引に積極的に関与していることを示唆している可能性がある。
全体として、ウォルマートの流動性は比較的安定しており、ダークプールでの存在感も目立っていることが分かる。