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05 - 19 - 2024

中立
エクソンモービル
中立
同社の現在の株価は119.64ドルで、弊社算出の一株当たり本質的価値である100.85ドルより高く、割高感を示している。
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エクソンモービル / XOM / 予想配当利回り3% / 中立:2024年1Q決算速報・財務分析と今後の株価予想・将来性

イアニス・ ゾルンパノスイアニス・ ゾルンパノス
  • エクソン・モービル(XOM:予想配当利回り3.19% / 配当性向43%)は世界中で石油の探鉱、生産、精製を行う大手総合石油・ガス会社である。
  • また、同社は過去25年間以上にわたり連続して増配を実施しており、米国株配当貴族の一角を担っている。
  • そして、同社は2024年4月26日に2024年第1四半期決算を発表している。 

エクソン・モービル(XOM)の概要

セクター:石油・ガス

現在の株価:119ドル

時価総額:5367億ドル

弊社算出の一株当たり本質的価値:100.85ドル

安全マージン:-18.62%

過去5年間の配当成長率:2.20%

直近配当落ち日:2024年5月14日

次回配当支払い日:2024年6月10日

予想配当利回り:3.19%

過去5年間の売上高成長率:8.90%

過去10年間の売上高成長率:-0.40%

エクソン・モービル(XOM)は、世界中で石油の探査、生産、精製を行う大手総合石油・ガス企業である。

2023年には日量240万バレルの石油と77億立方フィートの天然ガスを生産し、2023年末の埋蔵量は石油換算で169億バレルで、その66%が石油となっている。

また、同社は世界最大級の石油精製会社であり、世界全体の石油精製能力は日量450万バレルであり、且つ、世界最大級の汎用化学品および特殊化学品メーカーでもある。

同社は過去25年間以上にわたり連続して増配を実施しており、米国株配当貴族の一角を担っている。

そして、同社は2024年4月26日に2024年第1四半期決算を発表している。 

エクソン・モービル(XOM)の収益と成長に関して

エクソン・モービル(XOM)の2024年第1四半期の非経常損益項目を除くベースでのEPSは、2023年第4四半期の2.48ドルに対し2.06ドルと減少し、一株当たり売上高も20.341ドルから20.113ドルへとわずかに減少する着地となった。

また、今後10年間の業界成長見通しは、世界的なエネルギー消費の増加と、よりクリーンなエネルギー源への移行に牽引され、プラスの兆候を示している。

さらに、同社の過去の財務レバレッジは安定した財務状況を示しており、同社の潜在的なさらなる成長機会を可能にしていると言える。

しかし、足元の業界のトレンドを活用し、長期的な成長率に匹敵する、或いは、それを上回る業績を上げるためには、業績の改善に注力する必要があるだろう。

エクソン・モービル(XOM)の配当に関して

エクソン・モービル(XOMは過去数年間、一貫した配当成長を示しており、過去5年間の配当成長率は2.20%で、過去3年間の配当成長率も1.90%となっており、安定した配当成長を示している。

実際、同社は過去25年間以上連続して増配を実施しており、米国株配当貴族の一角を担っている。

また、同社の予想配当利回りは3.19%で、配当収入を求める投資家にとっては魅力的な水準と言える。

さらに、同社のEBITDA純有利子負債倍率は0.57倍で、将来的な配当の支払いを支える上で強固な財務基盤を保持していることを示唆している。

直近の1株当たり配当金(DPS)は0.95ドルで、提供されたスケジュールに従って四半期ごとに定期的に支払われている。

加えて、同社の配当実績を同業他社と比較すると、同社の配当成長率は業界平均と同水準であると言える。

以上より、一貫した配当金の支払いと適度な配当の成長率により、エクソン・モービルはエネルギー・セクターにおいて、配当利回りと安定性のバランスを求める配当収入重視の投資家にとって魅力的な投資対象となっているように見える。

予想配当利回り:3.19%

配当性向:43%

配当カバレッジ・レシオ:2.19

過去5年間の配当成長率:2.20%

EBITDA純有利子負債倍率:0.57倍

エクソン・モービル(XOM)のバリュエーションに関して

エクソン・モービル(XOM)の現在の株価は119.64ドルで、弊社算出の一株当たり本質的価値である100.85ドルより高く、割高感を示している。

一方で、実績PERは14.66倍となっており、株価が利益に対して妥当な倍率で取引されていることを示唆している。

さらに、株価売上高倍率は1.45倍と業界平均より低く、売上高から見て割安である可能性を示している。

また、EV/EBITDA倍率も7.72倍と業界平均を下回っており、EBITDAに基づいた場合、同社の株価が割安である可能性を示唆している。

加えて、PEGレシオは0.71倍となっており、同社の将来の成長見通しに比べて株価が割安である可能性を示している。

そして、5年平均や10年平均と比較すると、エクソン・モービルは現在低いバリュエーションで取引されているように見える。

エクソン・モービル(XOM)のリスクとリターンに関して

エクソン・モービル(XOMのリスク評価分析では、主に投資家が投資決定を下す前に考慮すべきいくつかのポイントを取り上げたい

まずマイナス面では、PBRは2.3倍となっており、これは10年ぶりの高水準に近く、PBRに基づくと株価が割高である可能性を示唆している。

さらに、1株当たりの売上高が減少していること、株価売上高倍率が1.45倍と5年ぶりの高水準(1.53倍)に近いことも、潜在的な割高感を示唆している可能性がある。

また、予想配当利回りが5年ぶりの低水準に近いことも、同社のリスクプロファイルに拍車をかけているように見える。

しかし、プラス面では、ベニッシュのMスコアが-2.73で基準値の-1.78を下回っていることからも、同社が利益操作を行っている可能性が低いと言える。

さらに、バランスシート・ランキングとアルトマンのZスコア(5.05)から示される強固な財務力は、同社の財務安定性に一定の安心感を与えていると言える。

エクソン・モービル(XOM)のインサイダー(内部関係者)による売買に関して

エクソン・モービル(XOM)のインサイダー取引分析によると、過去12ヶ月間に3件のインサイダーによる同社株式の買い付けと5件のインサイダーによる同社株式の売却が確認されている。

これは、インサイダーによる売却が買い付けと比べて多いことを示しているが、インサイダーによる同社株式の保有比率はわずか0.84%である点にはご留意いただきたい。

また、機関投資家の同社株式の保有比率は41.63%で、機関投資家が同社株の大部分を保有していることがわかる。

同社の取締役および経営陣のトレンド分析を見ると、インサイダーの売りが買いに比べて多いことから、市場の投資家の間では、同社の将来性に対するインサイダーの信頼度について懸念が持たれている可能性がある。

しかし、機関投資家の高い同社株式の保有比率は、機関投資家が同社に前向きな見通しを持っていることを示唆している。

以上より、投資家は、エクソン・モービルを取り巻くセンチメントを測るため、今後のインサイダー取引活動を注意深く監視するとよいだろう。

エクソン・モービル(XOM)の流動性に関して

エクソン・モービル(XOM)の流動性は高く、直近の営業日の一日当たり出来高は14,951,305株で、過去2ヵ月間の1日当たり平均出来高は18,027,363株となっており、この銘柄が活発に市場で取引され、売買されやすいことを示している。

また、同社株式のダークプール指数(DPI)は54.48%で、取引活動のかなりの部分がダークプールで行われていることを示している。

※ダーク・プール指数は、ダーク・プール(私設取引所)内において、同社株式がどの程度取引されているかを示すものであり、注目すべき指標の1つである。

この高水準のDPIは、同社株式の価格発見への透明性と市場全体の効率性に影響を与える可能性がある。

そして、この水準は、機関投資家がこの銘柄を積極的に取引していることを示唆している可能性がある。

また、ダーク・プールにおける流動性は同社株価の安定に寄与し、株価のボラティリティを低下させるとも言える。

全体として、上述の市場での出来高に基づくと、エクソン・モービルは投資家が容易にポジションをエントリー、或いは、エグジットする上で十分な流動性を持っているように見える。