SKハイニックス(000660.KS)の将来性:最新の2024年第3四半期決算は好調で今後の株価見通しは良好!

- 本稿では、注目の韓国の半導体銘柄であるSKハイニックス(000660.KS)の10月23日に発表された最新の2024年第3四半期決算の分析を通じて、同社の今後の株価見通しと将来性を詳しく解説していきます。
- SKハイニックスの最新の決算では、HBM(高帯域幅メモリ)が売上の30%を占め、DRAM成長を牽引しており、第4四半期には40%に達する見込みです。
- 直近のモルガン・スタンレーによるレーティングの引き下げにもかかわらず、メモリ市場の見通しは改善しており、今後HBMとDDR5の需要拡大に伴い、設備投資が増加する予想です。
- 2025年の供給過剰懸念はなく、サムスンや他社の予測は早すぎたとされ、メモリサイクルはまだ続いているように見えます。
SKハイニックス(000660.KS)の最新の2024年第3四半期決算発表に関して
SKハイニックス(000660.KS)は10月23日に最新の2024年第3四半期決算を発表し、業績は全体的に好調で、HBM(高帯域幅メモリ)も非常に好調な着地となっています。
メモリ市場に対する弱気な見方は外れており、最近のモルガン・スタンレー(MS)による同社のレーティングの引き下げは時期尚早だったと言わざるを得ません。
下記のチャートからも分かる通り、現在、弱気派は撤退を余儀なくされています。
モルガン・スタンレー(MS)が目標株価を引き上げたことでSKハイニックスの株価は上昇
※MS double downgrades SK Hynix:モルガン・スタンレーがSKハイニックスを二段階引き下げ
※MS raises price target:モルガン・スタンレーがSKハイニックスの目標株価を引き上げ
(出所:Bloomberg)
この件については、下記のレポートで詳しく解説しておりますので、是非、インベストリンゴのプラットフォーム上でご覧いただければと思います。
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いずれにせよ、今後はHBMとDDR5の需要拡大に伴い、設備投資(CapEx)も増加する見込みです。
DRAMの四半期ごとの成長はわずかですが、特にHBMの成長が顕著です。
(出所:SKハイニックスの2024年第3四半期決算説明資料)
下記は、SKハイニックスの最新の決算説明会における遣り取りの一部です。
(原文)Notably, HBM revenue increased by more than 70% sequentially and by more than 330% year-on-year, driving the company's revenue growth.
(日本語訳)注目すべきは、HBMの売上が前期比で70%以上、前年同期比で330%以上増加し、SKハイニックスの売上高成長に大きく寄与したことです。
現在、HBMはDRAM売上の30%を占めており、第4四半期には40%に達すると見られています。
このペースで進めば、HBMは近い将来、SKハイニックスのDRAM売上の大半を占めることになるでしょう。
(原文)The share of HBM sales which is driving our DRAM revenue growth, expanded to 30% of DRAM sales in the third quarter and is expected to reach around 40% in the fourth quarter.
(日本語訳)DRAM売上高の成長を牽引しているHBMの売上比率は、第3四半期に30%に拡大し、第4四半期には約40%に達する見込みです。
さらに、来年上半期には12Hi HBM3Eの販売量が8Hi HBM3Eを上回ると予想されています。
(原文)In the first half of next year, sales volume of 12Hi HBM3E products is expected to surpass that of 8Hi HBM3E. We plan to respond swiftly to the rapidly increasing demand for HBM3E based on our proven high performance and stable 1b nanometer process and advanced MR-MUF packaging technology.
(日本語訳)来年の前半には、12Hi HBM3E製品の販売量が8Hi HBM3Eを上回る見通しです。私たちは、実証済みの高性能で安定した1bナノメートルプロセス(非常に微細な半導体製造プロセス)と、最先端のMR-MUFパッケージ技術(半導体チップのパッケージング技術の一種で、主にチップの熱と機械的強度を向上させるための技術)を活用し、急増するHBM3Eの需要に素早く対応していく予定です。
HBM3Eは、高帯域幅メモリ(High Bandwidth Memory)の最新世代の一つで、特に高速なデータ転送速度を持つメモリです。
彼らは2025年に供給過剰が発生するとは考えておらず、すでに2025年の生産能力は全て売り切れています。
供給過剰の兆しは全く見えていません。
供給過剰の懸念は、主にPCやスマートフォン向けのDRAMに基づいていましたが、これらの市場も回復しつつあります。
しかし、サムスン電子(005930.KS)は市場の反転を予測するのが早すぎました。
モルガン・スタンレーやBNPパリバもそれに追随しましたが、結果として彼らの予測は誤りでした。
メモリサイクルはまだ続いています!
とはいえ、来年には利益確定のタイミングが来るかもしれませんが、その話はまた次回の同社に関するレポートで詳しく解説したいと思います。
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