Gitlab application screengrab
09 - 05 - 2024

やや強気
ギットラブ
やや強気
来年の予想ベースのNon-GAAP営業利益の54倍という強力な見通しと負債のない財務基盤を持つこの企業は、今後も成功し続ける準備ができているように見えます。
すべて表示
ギットラボ(GTLB)の今後の株価見通し:目標株価は75ドルで割安?最新の2025年2Q決算は業績好調で株価上昇!

マイケル・ウィギンズ・ デ・オリベイラマイケル・ウィギンズ・ デ・オリベイラ
  • 本稿では、2024年9月3日に発表された、ギットラボ(GTLB:GitLab)の最新の2025年度第2四半期決算分析を通じて、同社の目標株価、並びに、今後の株価見通しと将来性に関する詳細な分析を解説していきます。
  • 私は利益面での懸念から、2024年3月4日に発表された2024年度第4四半期決算の後、同社のレーティングを「中立」に引き下げましたが、来年には1億3000万〜1億5000万ドルのNon-GAAPベースの営業利益を達成する可能性が見えてきました。
  • AIを活用したソリューションやDevSecOps分野でのリーダーシップによる強力な成長が同社を後押しし、GitHubとの競争が激化する中でも、同社は優位に立っています。
  • 売上成長率は年平均成長率(CAGR)29%で安定しており、来年も前年比27%の成長が期待でき、投資対象として魅力的に映ります。
  • 来年の予想ベースのNon-GAAP営業利益の54倍というバリュエーションと負債のない財務基盤を考慮すると、同社は今後も成功に向けて盤石な体制を整えているように見えます。

ギットラボ(GTLB:GitLab)に関して

ギットラボ(GTLB:GitLab)に関して、私は同社の基礎的な収益性の進展に失望したため、2024年3月4日に発表された、2024年度第4四半期決算の後、レーティングを「強気」から「中立」に引き下げました。

しかし、私の見解は正しかったものの、タイミングが四半期ほど早すぎただけでした。覚えておいていただきたいことは、時間はお金であり、正しいとしても早すぎるのは間違いと同じということです。

具体的には、来年、同社が1億3000万~1億5000万ドルのNon-GAAPベースの営業利益を達成する道筋が見えてきました。

ただし、投資家が再び同社の成長期待を信じるには多大な努力が必要であり、加えて現在の同社の年平均成長率(CAGR)が30%未満であることを踏まえ、私は2025年夏までに目標株価を1株75ドルに引き下げました。

一方で、私は今回の決算を踏まえ、同社の株式のポートフォリオ内での比率を引き上げることとし、ポートフォリオの5%までポジションを追加する予定(現在は3%)であり、同社株式の今後の見通しに非常に期待しています。

ギットラボ(GTLB:GitLab)を2024年度第4四半期決算の後に「中立」に引き下げた理由

ギットラボ(GTLB:GitLab)を「中立」に引き下げた際に、その理由について下記のように解説しています。

「ギットラボの基礎的な収益性は、2025年度末に約2%になると予想されています。これは、私が以前期待していた約10%という数値とは大きく異なります。私は次の12か月以内に、ある四半期を1年間分に引き延ばした場合の予測(いわゆるフォワード・ランレート)として、この10%に達すると考えていました。つまり、次の12か月以内ではないにしても、その期間中のいずれかの時点で、1四半期を1年間分に推測すると、この数値になるということです。しかし、実際には同社は、以前の予想よりも低い収益性で運営せざるを得なくなっています。具体的には、同社は2024年度をNon-GAAPベースで140万ドルのマイナスの営業利益で終え、2025年度のガイダンスではNon-GAAPベースで1,000万ドルの営業利益を見込んでいます。これは、私が以前予想していた7,500万ドルと比較して大幅に低い数字です。」

私はギットラボが7,500万ドルのNon-GAAPベースの営業利益を上げられると信じていました。しかし、同社の最新の2025年度第2四半期決算発表におけるガイダンスはどうなっているのでしょうか?

(出所:ギットラボの2025年度第2四半期決算資料)

2025年度の半ばに差し掛かり、ガイダンスではすでに5,800万ドルに達しています。そのため、私は、残り数か月のうちに、同社が最終的に7,500万ドルのNon-GAAPベースの営業利益を達成できる可能性があると見ています。

なぜギットラボ(GTLB:GitLab)なのか?

ギットラボ(GTLB:GitLab)は、開発・セキュリティ・運用を統合した市場をリードするDevSecOpsプラットフォームを提供している企業です。このプラットフォームにより、組織はソフトウェア開発を加速し、コラボレーションを強化し、セキュリティを向上させ、全体的な生産性を高めることができます。そして、同社は、より迅速で安全なソフトウェア提供を企業に実現させています。

同社のプラットフォームは、必要なツールを一つに集約することで、チームが協力してソフトウェアをより早く、より安全に開発・リリースできるようサポートしています。

直近では、同社は力強い成長を遂げており、2025年度第2四半期には前年同期比31%の売上増を記録しています。この成長は、AIを活用したソリューションの大企業への導入や、既存顧客の拡大によって支えられています。

Gartner社によって認められているように、AIとDevOpsにおけるリーダーシップにより、同社はソフトウェア開発にAIを組み込む企業の増加に伴い、さらなる拡大が期待されています。

しかし、同社は、マイクロソフト(MSFT)傘下のGitHubとの激しい競争に直面しています。GitHubは成長率が高く、AIによるコード作成の先行優位性があるため、ギットラボはセキュリティや顧客重視、ベンダーに依存しないAI機能で強みを持っているものの、市場シェアを維持する上で大きな課題に直面しています。

こうした背景を踏まえた上で、次に同社の財務パフォーマンスについて解説していきます。

ギットラボ(GTLB:GitLab)の最新の2025年度第2四半期決算発表に関して

ギットラボ(GTLB:GitLab)売上成長率は年平均成長率(CAGR)29%で安定しています。

ギットラボの売上高成長率(%)

(出所:筆者作成)

この最新の決算発表前に、私は下記のように説明していました。

「ギットラボの新しいガイダンスでは、今年の売上成長率が前年比29%に達する可能性が示唆されています。これは、私が以前に予想していた27%を上回る数字です。株価が過去90日間で30%以上下落している中で、見通しが実際には改善しているのに株価が低いままであることは、リスクとリターンの観点で非常に魅力的です。」

「具体的に言えば、ギットラボが今年30%の年平均成長率(CAGR)を達成しても驚かないでしょう。これにより、同社は引き続きハイパーグロース(30%以上の成長)を維持しつつ、収益性のある成長を遂げることができます。」

そして、ギットラボの最新ガイダンスによれば、少なくとも今年は29%のCAGRが見込まれています。しかし、以前から述べているように、市場で重要なのは来年の成長率に対する投資家の信頼です。

ここからが本当に興味深いところです。もし来年、同社の売上成長率が今年の29%から約27%に減速したとしても、同社の売上は約9億5000万ドルに達する可能性があります。

時価総額が80億ドル以下の企業にしては、これはかなりの売上高の水準です。それに加えて、同社が今やどれだけ収益性が高い企業になっているかご存知でしょうか?

ギットラボ(GTLB:GitLab)のバリュエーション:来年の予想Non-GAAP営業利益の54倍

ギットラボ(GTLB:GitLab)の収益性については、非常にポジティブに捉えています。しかし、その前に、同社の財務状況について話しておくべきです。同社は負債のない企業であり、その時価総額の約12%がキャッシュで構成されています。そして、これはまだ序の口です。これからが本題です。

同社は、今四半期のNon-GAAP営業利益率が11%になると予想しています。もしかすると12%に達するかもしれません。このペースで進むと、2025年度第4四半期には14%に達する可能性もあります。しかし、同社は全ての良いニュースを一度に発表するつもりはないでしょうし、今から90日後まで第4四半期の見通しは控えめに発表されるでしょう。

では、ここで簡単な計算をしてみましょう。ガイダンスの予想レンジの上限の数字をそのまま使い、経営陣が控えめな見通しを出していないと仮定します。同社が2025年度第2四半期の6%というNon-GAAP営業利益率の見通しを出していたにもかかわらず、実際には10%の営業利益率を報告したことを踏まえると、これは非常に控えめな仮定です。

つまり、2025年度の最初の9か月間で約4500万ドル、つまり8%のNon-GAAP営業利益率が見込まれています。しかし、2025年度第3四半期だけでNon-GAAP営業利益率が12%に達すると予想され、これは前年の3%から900ベーシスポイント(9%)上昇することになります。

別の見方をすると、第3四半期のガイダンスである2000万ドルを年間ベースに換算すると、すでにNon-GAAP営業利益は8000万ドルに達しており、これは私が今年同社が達成できると考えていた7500万ドルを上回ります。もちろん、これは非常に大まかな予測ですが、同社の将来の可能性を示しています。

次に、もし同社が2026年度(2025年2月から開始)に、収益性をさらに向上させ、継続的に16%のNon-GAAP営業利益率を達成すると仮定すると、Non-GAAP営業利益は約1億5000万ドルに達する可能性があります。

これは、今年見込まれている4500万ドルの約200%以上の増加であり、同社の収益性が急速に魅力的になる要因です。

何と言っても、売上が10億ドルに達する前に、すでに約1億5000万ドルの利益を生み出しているというのは、他のトップソフトウェア企業でも達成するのが難しい偉業です。

これにより、同社は来年の予想ベースのNon-GAAP営業利益の54倍という非常に魅力的なバリュエーションとなっています。そして、これは同社にとって大きな変革をもたらすものだと見ています。

ギットラボ(GTLB:GitLab)に対する結論

ギットラボ(GTLB:GitLab)の成長と収益性を振り返ると、その将来性に期待しています。来年の予想ベースのNon-GAAP営業利益の54倍という強力な見通しと負債のない財務基盤を持つこの企業は、今後も成功し続ける準備ができているように見えます。

同社の成長軌道は、私の最初の疑念を覆し、その潜在力に対する自信をさらに強めてくれました。

そして、上述の理由により、2025年夏までの目標株価として、1株あたり75ドルとしています。

その他のテクノロジー銘柄関連銘柄レポート

1. ヒムズ&ハーズ・ヘルス(HIMS)最新の2024年2Q決算は利益率低下で株価下落も、今後の株価見通しは良好で30ドルも視野に!

2. ロビンフッド・マーケッツ(HOOD)業績好調のネット証券は買いか?目標株価は30ドル!最新決算とビジネスモデルに迫る!

3. ペイパル(PYPL)2024年2Q決算は好調も予想EPS13倍のバリュエーションは割安?今後の株価見通しと将来性に迫る!

また、私のその他のテクノロジー関連銘柄のレポートに関心がございましたら、是非、こちらのリンクより、私のプロフィールページにアクセスしていただければと思います。

さらに、その他のギットラボ(GTLB)に関するレポートに関心がございましたら、是非、こちらのリンクより、ギットラボのページにアクセスしていただければと思います。

インベストリンゴでは、弊社のアナリストが、高配当関連銘柄からAIや半導体関連のテクノロジー銘柄まで、米国株個別企業に関する動向を日々日本語でアップデートしております。そして、インベストリンゴのレポート上でカバーされている米国、及び、外国企業数は250銘柄以上となっております。米国株式市場に関心のある方は、是非、弊社プラットフォームよりレポートをご覧いただければと思います。

弊社がカバーしている企業・銘柄の一覧ページはこちら

※インベストリンゴ上のいかなるレポートは、投資や税務、法律のアドバイスを提供するものではなく、情報提供を目的としています。本資料の内容について、当社は一切の責任を負いませんので、あらかじめご了承ください。具体的な投資や税務、法律に関するご相談は、専門のアドバイザーにお問い合わせください。