一昨日の主要株価指数の終値だけを見ると、一見すると相場はようやく落ち着きを取り戻したように見えましたが、実際には記録に残るほどの激しい値動きがありました。S&P500指数は取引開始直後に5%近く下落したものの、30分以内にトランプ大統領が関税の実施を90日間延期して交渉の時間を設けるとの噂が流れると、一転して3.4%の上昇に転じました。ラッセル2000小型株指数の値動き幅は10%を超えました。これほど極端なボラティリティ(変動)は、私自身これまで見たことがありません。噂の出所や意図は不明ですが、これが示しているのは、もし関税から貿易協定への移行が実現すれば、市場は非常に大きな上昇余地を持っているということです。私は、私たちにはこれを実現するための猶予が30日しかないと考えています。さもなければ、関税がこの経済拡大の流れを終わらせてしまうリスクがあると見ています。
その理由は、今週提案されている関税が実際に実施され、そのまま維持された場合に起こるであろう景気後退を、株式市場がすでに急速に織り込んでしまっているからです。先週発表された雇用統計が示すように、経済の基礎的なデータは今も健全さを保っていますが、金融資産の価格が長期間低迷した場合に生じる「負の資産効果」は、経済にマイナスのフィードバックループを引き起こす可能性があります。今年の株価下落と、過去にリセッションを招いた下落との最大の違いは、今回の要因が「自ら招いたもの」である点です。貿易政策が変更されれば、たとえ緩やかな修正にとどまったとしても、リスク資産の価格は急速に回復する可能性があります。昨日見られた一時的な回復が、その可能性を示しています。

(出所:Bloomberg)
トランプ政権は、株式市場の急落に対する懸念を一蹴しており、それに伴って下落しているエネルギー価格や長期金利が、消費者にとってはプラスになると主張しています。それ自体は事実です。しかし問題は、それらの下落が、今年中に景気後退が訪れるのではないかという懸念と結びついている点です。もしそうなれば、株式を保有していない米国の下位50%の家庭にとっては、価格下落の恩恵が帳消しになってしまいます。株式市場の富の大半は上位10%の層が保有しており、この層が米国の個人消費の50%を占
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