TSMC(TSM)業績見通しは良好?2025年4月17日(木)発表予定の最新の2025年第1四半期決算を徹底分析!

- 本稿では、注目の台湾半導体銘柄である「TSMC(TSM)の業績見通しは良好なのか?」という疑問に答えるべく、2025年4月17日(木)発表予定の同社の2025年第1四半期決算、並びに、最新の2025年3月の月次売上高に関して詳しく解説していきます。
- TSMCの2025年第1四半期の売上高は前年同期比で大きく成長し、為替レートによっては会社予想を上回る結果となっています。
- 米国による電子機器の関税免除措置はTSMCにとっても追い風となり、主要顧客であるアップルへの悪影響を回避できる材料と見られます。
- 市場全体の不透明感が続く中、TSMCの決算発表は半導体業界の先行きを占う重要なイベントとして注目されています。
TSMC(TSM)の2025年第1四半期決算に関して
TSMC(TSM)は先週、2025年3月の売上高が2,859億6,000万ニュー台湾ドルとなり、前月比で10%増、前年同月比で46.5%増であったと発表しました。2025年1月から3月までの累計売上高は8,392億5,000万ニュー台湾ドルとなり、前年同期比で41.6%の増加となっています。
TSMCの月次売上高推移(単位:十億台湾ドル)
(出所:筆者作成)
想定為替レートを1米ドル=32.8ニュー台湾ドルとした場合、2025年第1四半期(Q1)の売上高は255.8億米ドルとなり、会社が示していたガイダンスの中央値(254億米ドル)をわずかに上回る結果となります。
TSMCのガイダンス
(出所:TSMCのウェブサイト)
TSMCの四半期毎の売上高推移(単位:十億米ドル)
(出所:筆者作成)
しかし、2025年4月13日時点での実際の為替レートは32.25となっており、これに基づくと2025年第1四半期の売上高は260億米ドルとなり、ガイダンスの上限をわずかに上回る水準となります。
明らかに、TSMCは2025年を非常に好調なスタートで迎えており、これまでのところ、米ドルベースで年間20%台半ばの売上成長率という通年予想を大きく上回るペースで推移しています。
「当社は、技術面でのリーダーシップと幅広い顧客基盤に支えられており、今後も業界の成長率を上回る成長を継続できると確信しています。2025年もTSMCにとって力強い成長の年になると見込んでおり、米ドルベースで通年の売上高は20%台半ば近くの増加になると予想しています。」
最近の出来事の規模を踏まえると、2025年4月17日(木)に予定されているTSMCの2025年第1四半期決算発表で、どのような内容が語られるのでしょうか。また、電子機器の広範囲にわたる米国の関税免除という直近のニュースについて、私たちはどのように捉えるべきでしょうか。それでは、詳しく見ていきましょう!
🚀お気に入りのアナリストをフォローして最新レポートをリアルタイムでGET🚀
ウィリアム・キーティング氏は半導体&テクノロジー銘柄に関するレポートを毎週複数執筆しており、プロフィール上にてフォローをしていただくと、最新のレポートがリリースされる度にリアルタイムでメール経由でお知らせを受け取ることができます。
さらに、その他のアナリストも詳細な分析レポートを日々執筆しており、インベストリンゴのプラットフォーム上では「毎月約100件、年間で1000件以上」のレポートを提供しております。
そのため、キーティング氏の半導体&テクノロジー銘柄に関する最新レポートに関心がございましたら、是非、フォローしていただければと思います!
今始まろうとしている決算シーズンにおいて何が期待できるのかを把握するために、JPモルガン・チェースの会長兼CEOであるジェイミー・ダイモン氏のコメントをいくつか確認してみました。
「地政学的および貿易関連の緊張によって市場の変動性が高まる中で、顧客はより慎重な姿勢を取るようになっています。」
「このような環境下において、当社は引き続き、余剰資本と十分な流動性を維持することが賢明であると考えています。」
「経済は大きな混乱に直面しており(地政学的要因を含む)、税制改革や規制緩和といったプラスの可能性がある一方で、関税や「貿易戦争」、根強いインフレ、高水準の財政赤字、そして依然として高水準にある資産価格とその変動性といったマイナスの要素も存在します。いつも通り、最善を願いつつも、当社は幅広いシナリオに備えています。」
「また、当社の「要塞のようなバランスシート」により、特に市場が不安定で厳しい状況にあるときでも、当社は揺るがぬ強さの柱として機能することが可能です。」
この10日間ほどの間に起きた出来事を踏まえれば、これらのことは何ら驚くべきことではありません。今後の決算シーズンでは、「変動が激しい」「困難な」「混乱した」といった言葉が頻繁に使われることになると予想しています。
TSMC(TSM)に対する関税免除の影響
4月12日(日)の夜遅く、米国が幅広い電子機器に対して関税の大幅な免除を行うというニュースが報じられました。詳細はこちらをご覧ください。
トランプ氏、スマートフォンやパソコンを新たな関税の対象から除外
(出所:BBC)
「アメリカのドナルド・トランプ大統領の政権は、スマートフォン、コンピューター、その他一部の電子機器について、「報復的な」関税の対象から除外すると発表しました。これには、中国からの輸入品に課されていた125%の関税も含まれています。」
「米国税関・国境警備局は通知の中で、これらの製品が、トランプ大統領がほとんどの国に対して導入した10%のグローバル関税および中国からの輸入品に課されたより高率の関税の対象から除外されることを明らかにしました。」
「これは、トランプ大統領による対中関税政策において初めての大きな猶予措置となり、ある貿易アナリストは「ゲームチェンジャーとなるような展開」と表現しています。」
今回の最新の関税措置は、特にアップル(AAPL)にとっては非常に朗報となりますが、TSMCにとっても好材料です。というのも、TSMCの最大顧客が「壊滅的な状況」に直面していた場合、その影響は確実にTSMCにも及んでいたはずだからです。
TSMC(TSM)を取り巻く先行した構築・購入動向
4月8日、IDCは2025年第1四半期のPC出荷台数が前年同期比で4.9%増加したと発表しました。詳細はこちらをご覧ください。
「マサチューセッツ州ニーダム、2025年4月8日 — インターナショナル・データ・コーポレーション(IDC)の速報値によると、2025年第1四半期のPC出荷台数は前年同期比で4.9%増加し、世界全体の出荷数は6,320万台に達しました。」
Canalysによると、状況はさらに好調で、前年同期比9%の成長が見られたと報告されています。詳細はこちらをご覧ください。
(出所:Canalys)
ただし、この良いニュースには注意点もあります。
「今年第1四半期の市場は、明らかに一定の前倒し需要が見られています。これは、ベンダーもエンドユーザーも米国の関税による影響に備えているためです。まだ関税の影響が比較的少ない第1四半期のうちに、業界全体のエコシステムは、米国による最初の関税措置およびその後1年を通じて予想される変動性を回避するために、納品ペースを加速させようとしました。」
今回のIDCの最新データは、アップルが3月下旬にインドから米国へiPhoneを貨物機で大量輸送していたとの報道があった状況下で発表されました。詳細はこちらをご覧ください。
「米国のテクノロジー大手Appleは、3月末にインドからアメリカへ合計600トンのiPhoneを輸送するため、6便の貨物機を極秘裏にチャーターしていたと、ロイターが匿名の関係者の話として報じています。
報道によると、それぞれの貨物機の積載容量は100トンであり、この対応はトランプ大統領が導入を予定している新たな関税措置を回避することを目的としていたと伝えられています。
同メディアの試算によれば、これらの貨物機には合計で150万台のiPhoneが積まれていたとのことです。」
現在の状況下では、何事も正確に予測することは非常に難しいものの、2025年第1四半期に見られたこの先行的な構築・購入活動は、インテル(INTC)やAMD(AMD)などの今四半期の業績見通しにマイナスの影響を与える可能性があります。その結果として、TSMC(TSM)にも波及的な影響が及ぶことが考えられます。
TSMC(TSM)の来る決算に対する結論
今回の決算シーズンは非常に興味深い展開になりそうですが、それが良い意味であるとは限りません。TSMC(TSM)の決算発表は、主要な半導体企業の中で最初に行われる予定であり、それだけに市場からの注目と期待が大きく集まっています。
彼らは、2025年における半導体市場の成長予測を下方修正することを示唆するのでしょうか。前回の決算説明会では、TSMCは今年の半導体市場全体の成長見通しを明言することを避けましたが、「Foundry 2.0」に関しては10%の成長見通しを示しており、それが半導体市場全体の動向を推測する手がかりになりうると認めていました。
総合的に見て、TSMCが「Foundry 2.0」の成長見通し、そして同社自身の2025年の成長予測の両方を引き下げたとしても、私は驚きません。もっとも、この数週間の出来事を経験した今となっては、何が起きても驚かなくなってきました。では、今週木曜日の決算発表を見守りましょう!
🚀お気に入りのアナリストをフォローして最新レポートをリアルタイムでGET🚀
ウィリアム・キーティング氏は半導体&テクノロジー銘柄に関するレポートを毎週複数執筆しており、プロフィール上にてフォローをしていただくと、最新のレポートがリリースされる度にリアルタイムでメール経由でお知らせを受け取ることができます。
さらに、その他のアナリストも詳細な分析レポートを日々執筆しており、インベストリンゴのプラットフォーム上では「毎月約100件、年間で1000件以上」のレポートを提供しております。
そのため、キーティング氏の半導体&テクノロジー銘柄に関する最新レポートに関心がございましたら、是非、フォローしていただければと思います!
さらに、その他のTSMC(TSM)に関するレポートに関心がございましたら、こちらのリンクより、TSMCのページにてご覧いただければと思います。

📢 知識は共有することでさらに価値を増します
✨ この情報が役立つと感じたら、ぜひ周囲の方とシェアをお願いいたします✨
アナリスト紹介:ウィリアム・キーティング
📍半導体&テクノロジー担当
キーティング氏のその他の半導体&テクノロジー銘柄のレポートに関心がございましたら、こちらのリンクより、キーティング氏のプロフィールページにてご覧いただければと思います。
インベストリンゴでは、弊社のアナリストが「高配当銘柄」から「AIや半導体関連のテクノロジー銘柄」まで、米国株個別企業に関する分析を日々日本語でアップデートしております。さらに、インベストリンゴのレポート上でカバーされている米国、及び、外国企業数は「250銘柄以上」(対象銘柄リストはこちら)となっております。米国株式市場に関心のある方は、是非、弊社プラットフォームより詳細な分析レポートをご覧いただければと思います。