トランプ政権がAI半導体の中国向け輸出に新たな制限を課したことを受け、主要株価指数は取引開始時から苦戦しました。この制限には、エヌビディアの低性能チップも含まれており、同社はこれにより55億ドルの評価損が発生すると警告しています。昨日お話しした「シーソーのような動き」という例え通り、関税や貿易障壁の上昇は株価の下落を招く展開となりました。
午後1時30分、パウエルFRB議長が「関税はコストを押し上げる」と投資家に対して改めて警告し、現在の関税水準はFRBが想定していたよりもはるかに高く、それに伴う経済への影響も大きくなるだろうと述べたのです。
さらに、パウエル議長は、関税が経済成長率を押し下げ、労働市場にも影響を及ぼす可能性があるとも示唆しました。これはFRBの二重の使命――すなわち物価の安定と最大限の雇用――の両面に同時に打撃を与える事態です。関税がインフレの加速と経済成長の鈍化、そして失業率の上昇を同時にもたらすリスクがある場合、FRBはその影響を見極めるまで政策判断を控えざるを得ません。
ただし、現在のところ最終的な貿易政策がどうなるのか誰も分かっていないのが現状です。この内容自体は新しい情報ではありませんでしたが、市場はまるで初めて聞いたかのように反応し、株価は急落しました。唯一新しかったのは、パウエル議長が、今後しばらくは貿易政策を巡る不安によって下落している株式市場を救済するような措置は取らないと明言した点です。

(出所:Bloomberg)
これは、市場の投資家が聞きたかった内容ではありませんでした。特に現在はボラティリティが高く、市場の回復基調も非常に脆弱な状況にあるためです。しかし、パウエル議長がFRBの使命に忠実であるという姿勢は、投資家にとって歓迎すべき確実性であると私は考えています。彼の発言は、大統領や政権関係者にとっては歓迎されないものでしょうが、彼は2026年3月までFRBのトップにいるため、それは大きな問題ではありません。私は、彼が自身の意図を明確に示したことを嬉しく思っています。なぜなら、それによって市場がより積極的に動き、2025年の景気後退を回避するために必要な政策変更を促す原動力になると考えているからです。その政策変更は、今こそ早急に実行さ
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