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06/23/2025

なぜ米国市場の勢いは止まったのか?高関税と中東情勢が招く「不景気下の物価高」シナリオ

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ローレンス・ フラーローレンス・ フラー
記事要約
  • 経済減速とインフレの懸念
    経済指標の悪化と高関税が景気減速への懸念を強めています。インフレ圧力も根強く、スタグフレーション(景気後退下の物価高)のリスクが高まっています。 
  • FRBの慎重な金融政策
    FRBはインフレと通商政策を警戒して金利を据え置きました。経済成長見通しを下方修正しており、年内2回の利下げ観測も不透明感が漂う状況です。 
  • 中東情勢と市場の不確実性
    中東の地政学リスクが原油価格を押し上げ、市場の不透明感を増幅させています。夏場の株式市場は上値が重く、調整局面が続く可能性が高いとみられます。
この記事は約 6 分で読むことができます。(記事文字数:約 3,200 文字)

市場の回復は一服、経済指標に陰り

市場の回復基調は息切れしたようで、祝日による短縮週となった先週、主要株価指数は横ばいで引けました。この背景には、高頻度経済データ(週次や月次で発表される速報性の高い経済指標)が失望的な内容となり始めたことが大きく影響していると私は考えています。先週発表された工業生産、住宅着工件数、建設許可件数、そして小売売上高は、いずれも市場予想を下回りました。


忍び寄る関税の影響、インフレ圧力はこれからが本番

さらに、コンファレンス・ボード(全米産業審議会)の景気先行指数(LEI)は、5月までの6ヶ月間で2.7%低下しました。これはその前の6ヶ月間の下落率1.4%のほぼ2倍にあたり、経済成長が著しく減速していることを示しています。加えて、今年に入ってからの全輸入品に対する実効関税率が2.5%から約15%へと引き上げられた影響が、夏に向けて消費者物価の上昇と企業収益の圧迫という形で現れ始めるでしょう。

(出所:Edward Jones)

トランプ政権の通商政策を支持する人々は、課された関税はインフレに何の影響も与えていないと主張します。事実、ここ数ヶ月のインフレ率はパンデミック以降で最も低い水準を記録しています。しかしこれは、企業が関税発効前に仕入れた低コストの在庫をまだ抱えているためです。一方で、先月のISM(供給管理協会)のサービス業景況感調査では、企業が支払う価格が2022年11月以来の最大の上げ幅を記録し、在庫は減少しました。したがって、関税による価格上昇はこれから本格化するのです。これこそが、FRB(米連邦準備制度理事会)が利下げを見送っている理由です。

(出所:Bloomberg)

PCE価格指数: 「個人消費支出価格指数」のこと。人々が実際に消費しているモノやサービスの価格動向を幅広く調査したもので、CPI(消費者物価指数)よりも調査範囲が広いのが特徴です。FRBはこちらを金融政策の判断材料として最重要視しています。

コア (core):  価格変動が激しい「食品」と「エネルギー」を除いた数値です。天候や地政学リスクなどで価格が乱高下しやすいこの2項目を除くことで、物価の基調的なトレンド(=本当のインフレの強さ)をより正確に把握することができます。

個人消費: 米国のGDP(国内総生産)の約7割を占める経済の牽引役です。この数値が強いか弱いかで、景気の

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