利下げ期待は本物か?FRB議長レースと関税インフレが米国株の先行きを左右する


週末の米国によるイラン核施設への爆撃に対する月曜日の市場の反応は、「驚異的」としか言いようがありません。株価は急騰し、原油価格は急落しました。
確かに、核開発の脅威が取り除かれた可能性と、イスラエルや米国の攻撃に対するイランの反撃が限定的で効果が薄かったことを考えれば、「安堵ラリー」(補足:懸念材料が後退したことで株価などが上昇すること)が起こる理由はあったかもしれません。しかし、そもそも市場はこの紛争が始まった当初、ほとんど反応を示しませんでした。
トランプ大統領が両国間の紛争終結への第一歩となる「停戦」を発表した今、米国の代表的な株価指数であるS&P 500は、紛争前の水準をも超えようとしています。私にはこの状況は少し楽観的すぎるように感じられますが、投資家心理を上向かせている要因は他に2つあります。

(出所:Finviz)
第一の要因は、FRB(米連邦準備制度理事会)のミシェル・ボウマン総裁とクリストファー・ウォラー総裁からの「ハト派的」な(補足:金融緩和に前向きな姿勢を示すこと)発言です。両総裁は、早ければ7月にも利下げを支持するだろうと述べました。
これは、先週のSEP(Summary of Economic Projections:経済見通し概要)で、FRB高官10名が年内の利下げはないとの見通しを示したこととは、大きく異なる姿勢です。もしFRBが本当に利下げに踏み切れば、インフレは抑制されているという強力なメッセージとなり、より緩和的な金融政策への道が開かれるでしょう。
しかし、これほど早い利下げの可能性は非常に低いと考えられます。むしろ、来年任期が切れるパウエル議長の後任の座を狙い、任命権者である大統領に向けて自己アピールをしているだけ、という見方もできます。

(出所:Bloomberg)
投資家が強気になった第二の理由は、S&Pグローバルが発表した製造業およびサービス業の幹部を対象とした月央調査、通称「PMI(購買担当者景気指数)総合速報値」です。
総合指数は53.0から52.8へとわずかに低下しましたが、依然として6月の緩やかな成長を示しています。特に重要なサービス業は下のグラフのように53.1で横ばいを維持し、景気拡大・後退の分岐点である50を大きく上回りまし
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