現金はゴミになる?トランプ流「財政・金融ミックス」が招くドル安時代の投資戦略


米国の経済政策が大きく変わろうとしています。トランプ氏が推し進める「偉大なる法案(Big Beautiful Bill)」は、米国への支出を加速させ、連邦準備制度理事会(FRB)の金融緩和への転換(ピボット)をますます現実的なものにしています。
市場の流動性は改善し、台湾の輸出も急増しており、これらはどちらも市場にとって明るい材料です。
しかし、その裏では米国の経済データに亀裂が見え始め、ローン延滞率は上昇し、高い水準にある信用取引の証拠金残高(借金をして株を買っている投資家の多さを示唆)は、経済サイクルが終盤に差し掛かっている脆弱な状況を示しています。
この記事では、私たちが更新した「マクロ・マトリックス」を基に、経済の裏で本当に何が起きているのかを解説します。市場は短期的な流動性の供給を歓迎するかもしれませんが、インフレが再燃したり、期待された利下げが失望に終わったりした場合、投資家は大きな価格変動(ボラティリティ)に備えるべきです。
ドル安が進むにつれて、現金の価値は失われるリスクがあります。その一方で、株式、コモディティ(商品)、そして米国外の資産がアウトパフォームする可能性があります。
今後の鍵を握るのは、労働市場と信用ストレスに関する指標です。これらが、現在の株価上昇(ラリー)が持続力を持つのか、それとも混乱のうちに終わるのかを決定づけるでしょう。

(出所:statista)
上院は、米国の財政状況を根底から覆す、3.8兆ドル(!)規模の「偉大なる法案」を可決しました。この法案は、トランプ政権が2017年に導入した減税を恒久化し、メディケイド(低所得者向け医療保険)やSNAP(食料費補助プログラム)の予算を削減する一方で、国境警備に3,500億ドルを投入し、防衛費も拡大します。
議会予算局(CBO)の試算によれば、これにより今後10年間で連邦政府の赤字は3.3兆ドル増加する見込みです。関税によって多少の歳入が見込めるかもしれませんが、現実は明らかです。米国は、さらなる債務拡大への特急列車に乗ってしまったのです。
投資家にとっての教訓は、「財政規律は死んだ」ということです。支出を削減するというトランプ氏の選挙公約は消え去り、唯一「カット」されそうなの
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