トランプ大統領の「関税爆弾」はハッタリか?市場の楽観に潜む2つの深刻なリスク


先週金曜日の株価下落から一転、市場は昨日反発しました。週末に大統領が、アメリカの主要な貿易相手国であるメキシコとEUからの全輸入品に対する関税を、現行の10%から3倍の30%に引き上げると発表したにもかかわらずです。この新たな関税は8月1日から適用される予定で、さらに他の国々に対しても一律15〜20%の関税を課すとしています。
筆者は、これらの発表に対する市場のコンプライセンシー(現状に満足し、リスクを軽視する油断や慢心)に唖然としています。どうやら投資家たちは、大統領がこれまで何度もしてきたように、今回もブラッフィング(ハッタリ、脅し)をかけているだけで、実行には移さないと確信しているようです。だからこそ、これほどの関税引き上げを無視しているのでしょう。
しかし、その考えは2つの理由から賢明とは言えません。
第一に、大統領自身が「関税は経済に悪影響を及ぼさない」と本気で信じ始めている可能性があることです。彼は先週、「関税は非常に好意的に受け入れられていると思う。株式市場は今日、史上最高値を更新したではないか」と発言しています。

(出典:Finviz)
第二に、大統領は「脅しを実行する直前でいつも怖気づく」という評判を快く思っていないことです。もし市場が月末まで楽観ムードを続けるなら、彼がかつて「reciprocal(レシプロカル:相互的、報復的)な税率」と見なした水準の今回の新関税は、本当に実行されてしまうかもしれません。
ある調査では、投資家たちは最終的な実効関税率(様々な品目や国からの輸入品全体で、実際に課される平均の関税率)は17%程度に落ち着くと予想しているようです。そして、その場合、今年のコアインフレ率(天候など一時的な要因で変動しやすい食料とエネルギーを除いた物価上昇率)を0.28%押し上げると考えています。しかし、8月1日に発効が予定されている関税は、実効関税率を17%をはるかに超える水準まで引き上げるでしょう。そもそも、年初に2.5%だったことを考えれば、17%ですら巨大な引き上げなのです。

(出典:22V Reserch)
実効関税率が約15%に達した今、私たちはその影響が実体経済に現れる初期段階を目の当たりに
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