08/13/2025
事業資産の先へ:テクノロジー投資家のためのROIC再定義


※後日、ROICについては日本の会計実務や考え方の違いを別でレポート作成予定です。
ROIC(投下資本利益率)は、成長性と経済的な収益性の両方を一つの数値で捉えることができる、単一で強力な指標です。

【用語解説】 ROIC (Return on Invested Capital)
ROIC(投下資本利益率)とは、企業が事業活動のために投じた元手(投下資本)を使って、どれだけ効率的に本業の利益を生み出せたかを示す指標です。「事業の本当の稼ぐ力」を測るものさしとされます。
【🇯🇵 日本との違い】
日本でも「伊藤レポート」以降、資本コストを意識した経営が求められる中で非常に重視されています。ただし、日本では主に経営管理指標として財務諸表ベースで使われるのに対し、米国のアナリストは本記事のように、経済的実態に合わせるために計算式に多くの「調整」を加える議論を活発に行います。
ここで、NOPAT(Net Operating Profit After Tax)は税引後営業利益、Invested Capitalは事業に投下された資本を意味します。この式は、企業が事業に投じた資本に対してどれだけ効率的に利益を生み出したかを示します。
【用語解説】 NOPATと投下資本
- NOPAT(税引後営業利益): 本業の儲けを示す営業利益から、それに対応する法人税を差し引いた利益のことです。この概念は日米で同じです。
- 投下資本 (Invested Capital): 事業活動のために投下された資金の合計額で、「事業の元手」です。株主資本と有利子負債を足して計算するのが基本ですが、本記事の核心は「この投下資本の定義こそが時代遅れだ」という点にあります。
成長性だけを見ても意味がありません。なぜなら、投資家が最終的に求めるのは収益性だからです。同様に、成長のない収益性も十分ではありません。なぜなら、停滞している企業は時間とともに市場シェアを失うリスクがあり、価格の引き下げや販売・マーケティング(S&M)および研究開発(R&D)費の増加を余儀なくされ、収益性が低下する可能性が高いからです。
「40%ルール」(売上成長率と利益率の合計が40%以上であることを良しとするSaaS企業の評価指標)のような複合的な指標でさえ、資本がどれだけ効率的に配分され、活用されたかを反映していないという点で不十
Pro Plan専用コンテンツ

この記事の続きを読むには「Pro Plan」にアップグレードする必要があります。