インフレ再燃の兆候、FRBは利下げを見送る可能性 ― 市場コンセンサスへの逆張り分析

ローレンス・ フラー- 市場の誤算
CPI(消費者物価指数)発表後、市場は9月の利下げを9割以上も織り込みました。しかし筆者は、このデータはむしろFRBのインフレ懸念を強めただけであり、市場の楽観は失望に終わると指摘します。 - インフレ鈍化の終焉
食品とエネルギーを除くコアCPIは半年ぶりの高い伸びを記録。特に医療や運輸などのサービス価格が急上昇し、これまで続いてきたディスインフレ(物価上昇率の鈍化)の傾向は終わりを告げました。 - 見過ごされたリスク
FRBがより重視するPCE(個人消費支出)物価指数は、CPI以上に上昇する可能性があります。さらに、これまで企業が吸収してきた関税コストも、今後本格的に消費者に転嫁され始めます。 - FRBの次の一手
これらの要因から年末にはコアPCEが3.5%近くまで達する可能性があり、FRBは高インフレ下での利下げには極めて慎重です。過去40年で前例は一度しかなく、9月の利下げはないと結論付けます。