トランプ政権下のFRB:ウォーシュ新議長でも変えられない「財政の数学」と市場の誤算

ジェームズ・ フォード- 人事への過剰反応と市場の誤解
市場はケビン・ウォーシュ氏のFRB議長指名を金融緩和の合図と捉えているが、これは誤りである。重要なのは「タカ派かハト派か」という従来の議論ではなく、現在の経済が直面している構造的な制約である。 - インフレの構造的要因と財政
ウォーシュ氏はインフレを「経済の過熱」ではなく「財政の問題」と捉える稀有な人物だ。彼は賃金上昇よりも、恒常的な財政赤字や政策への信認低下こそがインフレの主因であると考えている。 - FRBの権限低下と債券市場の支配
FRBの独立性が政治によって脅かされるという懸念は本質からズレている。長期金利を決定するのはFRBの会見ではなく債券市場であり、財政の持続可能性を評価する投資家こそが真の決定権を持つ。 - 新たな投資環境と選別の時代
今後は「成長=インフレの原因」とみなさない新体制下で、生産性の高い企業と、単に低金利に依存した企業との選別が進む。マクロ経済の現実を無視した指数買いではなく、個別の選球眼が問われる。