昨日のラリーに欠けていたもの


■戦争終結期待で株式市場が急騰
イラン側の停戦準備報道を受けダウは1,000ポイント超上昇、S&P 500は3%反発したが、原油価格の下落が伴わずラリーの持続力に疑問が残る。
■原油・ガソリン高止まりが経済に重荷
WTI原油は102ドル台に高止まりし、ホルムズ海峡の再開計画が不透明なため、全米ガソリン平均4ドル超の状況が消費者支出を圧迫する見通し。
■消費者信頼感は改善も将来期待は低下
コンファレンスボード調査で現況感は改善したものの、燃料高によるインフレ期待の急上昇が将来の消費者期待を押し下げている。
■バリュエーション低下が投資機会を創出
平均銘柄は最高値から33%下落し魅力的な水準だが、停戦と緊張緩和の裏付けなしにはリスク資産の本格回復は見込めない。
月末最終日、株式市場は戦時下とは思えない大幅な上昇で引けた。ダウ工業株30種平均は1,000ポイント以上急騰し、S&P 500(SPY)は売られ過ぎのテクノロジーセクター主導で3%の力強い反発を見せた。リスク資産の価格を押し上げたのは、トランプ大統領の繰り返しの安心発言ではなく、むしろその後に流れたイランが一定の保証を条件に戦争終結の用意があるとの報道だった。トランプ大統領はホルムズ海峡の強制的な再開という目標を明らかに断念し、海峡を利用する各国がイランと交渉して解決することに委ねた。市場の引け後、軍事作戦は今後2〜3週間で終了する見通しだと確認した。

(出典: Finviz)
当初からの筆者の予測は、燃料コストの上昇圧力、支持率の低下、そして中間選挙を前にした弱気相場と長期的な景気低迷のリスクを受けて、大統領が開戦から1ヶ月以内に方針転換するというものだった。市場が政策を動かすと信じていたが、昨日それが明確に証明された。しかし、株価が急騰し国債利回りが低下した一方で、昨日の大幅ラリーに欠けていたのは原油価格の相応の下落だった。原油の意味ある下落がなければ、上昇余地は限定されるだろう。

(出典: Bloomberg)
WTI原油は午前中に付けた高値106.46ドルからは下落したものの、102ドル台では到底喜べる水準ではない。原油が本格的に下落しないのは、トランプ政権がホルムズ海峡の再開に向けた具体的な計画を持っていないためだ。大統領は、米国が撤退すれば水路は「自動的に」再開されると想定しているが、筆者はそうは思わない。イランへの譲歩がなければ実現は困難であり、それ自体が不透明だ。攻撃に参加しなかった欧州諸国からの国際的圧力は一定の影響力を持つだろうが、海峡が再開されるまで原油価格は高止まりするとみられる。

(出典: Google Finance)
トランプ大統領の方針転換は、株価とガソリン価格の急騰の両方に非常に敏感であることを示している。大統領は紛争終結時にガソリン価格が急激かつ劇的に下落すると述べているが、全米平均がすでに4ドルを超えている今、それを実現したいならば急速な撤退圧力が高まるだろう。筆者はこの主張を今晩9時の演説でも繰り返すと予想する。問題は、ガソリン価格は原
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