11月と12月のFOMCで0.25%の利下げは織り込み済み?9月FRB利下げで株価は最高値更新でソフトランディング目前!
ローレンス・ フラー- 本稿では、9月のFRBによる0.5%の利下げを受けて米国株価は最高値を更新し、11月と12月のFOMCでは0.25%の利下げが既に織り込まれている中で、今後の米国株の見通しを詳しく解説していきます。
- S&P500は静かな取引の中で再び最高値を更新し、さらに、11月以降もFRBによる段階的な利下げが続くと見込まれ、経済成長への期待が高まっています。
- サービス業の強さが製造業の弱さを補い、全体のビジネス活動は改善傾向にあり、製造業も来年初頭には回復が予想されています。
- インフレが落ち着き、金融緩和サイクルが始まったことで、経済と株式市場に好影響をもたらすと期待されていますが、リスクへの警戒も重要です。
比較的静かな取引が続く中、主要な市場指数はじわじわと上昇し、S&P500は新たな過去最高値を更新しました。
ブル相場がさらに広がり、昨日のFRB高官の発言も市場の足かせにはなりませんでした。
これは嬉しい変化です。
彼らの発言から、年末までにさらに0.5%の利下げが見込まれており、11月と12月のFOMC会合でそれぞれ0.25%ずつの利下げが予想されています。
最初の利下げが0.5%と大きかったことを考えると、今後は各会合で0.25ポイントずつの利下げが段階的に行われ、来年にはおおよそ3%の中立金利に到達する見込みです。
この政策の緩やかな進行は、ソフトランディングを実現し、来夏には経済成長の回復への道筋を整えるはずです。
そのため、今後は経済成長に焦点を当てるべきでしょう。
(出所:Finviz)
私が思うに、経済活動をリアルタイムで把握するうえで最も重要な指標のひとつは、毎月中旬にS&Pグローバルが実施する製造業とサービス業の企業幹部への調査結果です。
この「速報調査」は、両業界の購買担当者景気指数(PMI)を示し、50を超えると拡大、50を下回ると縮小を示します。
9月も、夏と同じ傾向が続きました。
サービス業の強さが製造業の弱さを補い、第3四半期のビジネス活動全体は堅調で、総合指数は54.4を記録しています。
(出所:TradingEconomics)
この指数の傾向は、インフレ率が9.1%でピークに達した2022年秋以降、引き続き改善しています。
ただ、秋に大統領選挙を控えているため、活動がやや抑えられているのも事実です。
多くの企業は2025年の政策が見えてくるまで、投資や計画を慎重に進めています。
それでも、サービス業に比べて規模の小さい製造業部門の調査結果は、2025年初頭には再び成長を示し始めると予想しています。
住宅ローン金利の低下は住宅市場の回復を促し、借入コストの減少は耐久財への需要を刺激するでしょう。
サービス業が今後数カ月で落ち着いてくる中で、これは歓迎すべき動きです。
(出所:TradingEconomics)
ついに、インフレが収まり、金融緩和サイクルが始まったことで、経済にとっての良いニュースが株式市場にもプラスとなる時期に入りました。
これからは、変化の兆しが逆方向に進む可能性を示す弱さを見逃さないようにすることが重要です。
現時点ではそのような兆候は見られず、しばらくは起こらないかもしれませんが、物事が順調に進んでいる時こそ、何かがうまくいかなくなるリスクに対して警戒を強めるべきでしょう。
アナリスト紹介:ローレンス・フラー
ローレンス・フラー氏は、1993年にメリルリンチ証券でファイナンシャル・コンサルタントとしてキャリアをスタートしました。その後、ファースト・ユニオン・ブローカレッジ、モルガン・スタンレー証券、INGグループで同職を務め、30年以上にわたり個人投資家顧客の投資ポートフォリオを管理してきました。
その後、2005年には長期的な目標であったFuller Asset Management LLCを設立し、独立を果たしました。さらに、2013年より米国金融ニュースサイトSeeking Alphaにて、米国投資家に対してマクロ経済・投資リサーチの提供を開始しており、現在では14,000人以上のフォロワーを獲得しております。
フラー氏は、ノースカロライナ大学チャペルヒル校を卒業し、政治学の学士号を取得しております。
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