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09 - 09 - 2024

やや強気
サムサラ
やや強気
2026年度にはNon-GAAPベースの営業利益率が8%に達する可能性があることから、2025年中頃までの目標株価として、1株60ドルに達すると見ています。
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サムサラ(IOT)の将来性:注目のAI銘柄の最新決算は業績とガイダンス共に好調で株価上昇!今後の株価見通しに迫る!

マイケル・ウィギンズ・ デ・オリベイラマイケル・ウィギンズ・ デ・オリベイラ
  • 本稿では、2024年9月5日に発表された、サムサラ(IOT:Samsara)の最新の2025年度第2四半期決算分析を通じて、同社の目標株価、並びに、今後の株価見通しと将来性に関する詳細な分析を解説していきます。
  • サムサラは負債がなく、急成長を続ける企業で、売上高は10億ドルを超え、30%以上の成長率を維持しています。
  • 来期のNon-GAAPベースの予想営業利益に対して170倍という高いバリュエーションがついているものの、市場は同社の急速な利益拡大を過小評価しているように見えます。
  • 実際には、大企業向けのサービス提供や国際展開、新製品の導入に注力しており、今後も力強い成長が見込まれます。
  • 2026年度にはNon-GAAPベースの営業利益率が8%に達する可能性があることから、2025年中頃までの目標株価として、1株60ドルに達すると見ています。

サムサラ(IOT:Samsara)の最新の2025年度第2四半期決算に関して

サムサラ(IOT:Samsara)は、私がインフレクション投資家として魅力を感じる企業の典型です。同社は、2024年9月5日に、最新の2025年度第2四半期決算を発表しており、市場予想を上回る着地となっています。

同社は負債がなく、急成長しているビジネスですが、私の投資テーマの鍵となるのは、同社が市場の評価以上に急速に利益を拡大している点です。来年のNon-GAAPベースの営業利益で170倍の評価がついていると推定され、株価は割高に見えるかもしれませんが、同社はすでに売上高が10億ドルを超え、依然として急成長を続けています。

現時点では、サムサラはあまり知られていない企業ですが、来年には多くの投資家に認知され、その時には、2025年夏までには、同社の目標株価として1株60ドルに達する可能性があると見ています。

インフレクション投資家:企業の成長や収益が急激に変化する「転換点」(インフレクションポイント)を狙って投資する投資家のこと。この転換点は、ビジネスの大きな成長や改善が見込まれる時期であり、リスクは高いものの大きなリターンを期待するスタイルの投資手法。

サムサラ(IOT:Samsara)に関する重要な背景

2024年6月、前回の決算後にリリースした下記のレポートにおいて、サムサラ(IOT:Samsara)に対して私は下記のように述べています。

「サムサラ(IOT)は、昨日、2024年6月6日に2025年第1四半期決算を発表し、市場の投資家の予想を上回る着地であったにもかかわらず、同社の株価はプレマーケットで大幅に下落している。これは、なぜだろうか?1つには、市場がバリュエーションを理由に多くのSaaS銘柄に背中を向けているということであり、これは理にかなっているようにも見える。実際に、表面的には、同社は今年の売上高の15倍のバリュエーションとなっており、決して割安とは言えない水準である。しかし、このバリュエーションは同社の将来性をほとんど無視している。この事業は年平均成長率30%で成長し、且つ、既に堅実なフリー・キャッシュフローを生み出しているという点を市場は考慮していないように見える。」

(出所:YCharts

実際、前回の決算後の急落で、多くの投資家は同社が損切りラインに達した時点で売却するという決断に至ったのではないでしょうか。しかし、私は自身の考えを信じていたため、売却せずに保持し続けることにしました。そして、結果として、大きなリターンを実現することが出来ています。

なぜサムサラ(IOT:Samsara)なのか?なぜ今なのか?

サムサラ(IOT:Samsara)は、データと技術を活用して企業が物理的な業務を管理・改善するためのプラットフォームを提供しています。同社のシステムは、車両や機器などの接続デバイスから膨大なデータを収集し、AIを使ってそのデータを分析します。この分析によって得られる洞察は、企業の安全性、効率性、持続可能性を向上させる日常業務の改善に役立っています。

同社は力強い成長を遂げており、年間経常収益(ARR)は前年比36%増加し、12億6000万ドルに達しました。同社は大企業向けのサービス提供に力を入れ、新製品であるAsset Tagなどを拡充し、さらなる成長を目指しています。また、特にヨーロッパで国際的な展開を進め、建設やフィールドサービスといった業界での需要が高まっています。

大企業を基盤に新製品の採用も進んでおり、成長は今後も堅調に続くと見られています。次の四半期では、売上成長率が30%から31%になると予測されています。

しかし、強い成長を遂げている一方で、同社は事業拡大に伴う課題にも直面しています。成長しながら高い顧客満足度を維持し、革新を続けるには細心の注意が必要です。また、成長を続ける中で、適切な人材を採用し、維持することや、短期的な成長と長期的な製品開発のバランスを取ることも重要な課題となっています。

さらに、新しい業界への展開は有望ですが、まだテレマティクスを導入していない企業にその価値を納得させるのは、時には難しいこともあります。

それでも、私の投資テーマの中で最も重要な部分がここにあると考えています。

(出所:サムサラの2025年度第2四半期決算資料)

左側のグラフにおいて、年間経常収益(ARR)で10万ドル以上($100K)を支出する顧客数が増加しているだけでなく、右側のグラフからもわかるように、時間とともにより多くの顧客が同社のプラットフォームに対してますます大きな金額を費やしていることが分かります。そのため、スケールアップが早い企業にとって、まさに理想的な成長を示すグラフと言えます。

サムサラ(IOT:Samsara)の売上高:依然として30%以上の成長を実現

サムサラの売上高成長率(%)

(出所:筆者作成)

サムサラ(IOT:Samsara)の第4四半期決算には少し解釈が必要です。2025年度の第4四半期は2024年度の第4四半期より1週間短いため、ここでは市場のアナリストが注目する「報告ベース」のGAAP成長率を使用しています。

注目すべき点は、どの角度から見ても同社がハイパーグロース企業であるように見えるということです。ハイパーグロース企業とは、スケールアップしながら一貫して30%以上の年平均成長率(CAGR)を達成できる企業を指します。そして同社はその条件に完全に当てはまっているように見えます。

ただし、冒頭でも述べた通り、今回の投資テーマの焦点はそこではありません。私のインフレクション投資戦略では、企業のフリーキャッシュフローが翌年に投資家の予想を上回るペースで成長することに注目しています。

それでは、その観点から詳しく見ていきましょう。

サムサラ(IOT:Samsara)のバリュエーション:来期のNon-GAAPベースの予想営業利益の170倍

前回のレポートでも述べている通り、下記が私のサムサラ(IOT:Samsara)に対する見解です。

「私は、サムサラが今後12ヶ月間で6%の営業利益率を達成すると見ている。私は、2025年第1四半期はおよそマイナス2%になると考えている(これはほぼ同社のガイダンスに沿っている)。しかし、2024年第1四半期(前年同期)のNon-GAAPベースの営業利益率はマイナス9%だったことを思い出してほしい。つまり、今期はすでに700ベーシス・ポイント(7%)の収益性改善が予定されていることになる。そして、この同じ700ベーシス・ポイントを2025年度全体に当てはめると、同社は2025年度のある時点でNon-GAAPベースの営業利益率で7%を達成する可能性が高い。」

そして、これに続けて述べたのが以下の内容です。

「誤差の余地を残しておきたいので、今期はやや保守的に、Non-GAAPベースの営業利益率として6%を目指すことにしている。参考値として、経営陣はNon-GAAPベースの営業利益率を2%とガイダンスで説明しているが、私は、今期が進むにつれ、この数字は、市場の投資家にポジティブなニュースを与えるために、経営陣が予想を意図的に低く見積もろうとしているのではないかと見ている。以前、経営陣はNon-GAAPベースの営業利益率として2%と予想していたのである。そして、現在、経営陣は営業利益率では3%を目安としており、第1四半期決算を発表したばかりである。来期でなかったとしても、おそらく再来期には、同社はこのガイダンスをさらに引き上げることになるだろうと見ている。その理由としては、同社は前回の営業利益率のガイダンスを500ベーシス・ポイント(5%)も上回ったためである。実際に、今年が終わるまでに、営業利益率をさらに300ベーシス・ポイント引き上げることは難しくないだろうと見ている。」

これを踏まえ、同社のガイダンスが示すポイントを考えてみてください。

(出所:サムサラの2025年度第2四半期決算資料)

2025年度の半分が過ぎた時点で、同社はすでにNon-GAAPベースの営業利益率が5%に達するというガイダンスを示しています。

これは、年度末を迎え2026年度が始まる(2025年2月)頃には、市場が同社の6%のNon-GAAPベースの営業利益率を完全に織り込み、投資家が2026年度に向けて8%のNon-GAAPベースの営業利益率を意識し始めることを意味します。

私は、同社が来年、前年比で約27%の成長を遂げると予測しています。この前提と2026年度に向けた8%のNon-GAAPベースの営業利益率を考慮すると、同社はNon-GAAPベースで1億3,000万ドルの営業利益を達成できる見込みです。

これは、まだ急成長している企業にとって非常に強力な収益性のプロファイルです。ただし、来年のNon-GAAPベースの予想営業利益の170倍という評価は驚くほど高く見え、私もそのことは理解しています。

しかし、今知っておいていただきたいのは、現在この企業が利益最大化を目指して運営されているわけではないということです。その時期はやがて来ますが、現段階ではまだ先の話です。今の目標は成長と市場シェアの拡大です。

サムサラ(IOT:Samsara)に対する結論

結論として、サムサラ(IOT:Samsara)は以下の主要な理由から魅力的な投資機会であるように見えます。

まず、負債がないうえに力強い成長を遂げており、すでに売上高が10億ドルを超え、30%以上の成長率を維持しています。

そして、株価は来年のNon-GAAPベースの予想営業利益の170倍と割高に見えるかもしれませんが、同社の急速な利益拡大を市場は十分に評価していないと見ています。

さらに、事業規模が拡大し、市場シェアを獲得していくにつれて収益性は向上し、Non-GAAPベースの営業利益率が8%に達する見通しです。

力強い売上成長と顧客基盤の拡大、そして利益の見込みを考えれば、同社は2025年中頃までに1株60ドルの目標株価に値する企業であると考えています。


アナリスト紹介:マイケル・ウィギンズ・ デ・オリベイラ

マイケル・ウィギンズ・デ・オリベイラ氏は、エネルギー・セクター、並びに、テクノロジー・セクターに関して、10年以上に渡る企業分析を通じて、卓越した専門的知識と経験を蓄積しております。

足元、グローバル・ベースで加速する、「脱炭素化」、「AIによるデジタル化」、「脱グローバル化」、さらに、「エネルギー・セクターの大きな転換期」を正確に捉えることで、より大きな投資リターンを実現することに主眼を置いています。

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