フォーム13Fよりバフェット氏のアップル株大量売却が明らかに!機関投資家は、米国小型株に加え中国株と仮想通貨に注目!
ジェームズ・ フォード- 本稿では、フォーム13Fよりウォーレン・バフェット氏によるアップル株の大量売却が明らかになった今、プロの機関投資家が注目している、米国小型株に加え、中国株と仮想通貨市場に関する詳細な分析を解説していきます。
- テクノロジー株の調整が進む中、小型株(IWM)はブレイクアウトを示し、さらなる上昇余地があると見ています。
- テクノロジー株の中では、アルファベット(GOOG/GOOGL)は押し目買いの好機と見ていますが、規制リスクには注意が必要でしょう。
- 中国株ではチーフー・テクノロジー(QFIN)に注目しており、成長性や株主還元施策を評価しています。
- 仮想通貨市場では、マラ・ホールディングス(MARA)とリップル(XRPUSD)が大きな上昇余地を秘めていると見ています。
- 強い米ドルが中国の景気刺激策を制約していますが、2025年以降には変化の可能性があると見ています。
※「【2024年第3四半期】フォーム13Fとは?最新の13Fの分析を通じて、ウォーレン・バフェット氏を含む米国著名投資家の米国株投資戦略を徹底分析!」の続き
本稿での内容への理解をより深めるために、是非、インベストリンゴのプラットフォーム上にて、前章も併せてご覧いただければと思います。
最新の13Fレポートは、プロの大手機関投資家たちが複雑な市場環境をどのように乗り越えているかを示しています。
そして、本稿では以下の内容を取り上げていきます:
・テクノロジー株はピークを迎えたのか?今注目すべきテック株とは
・中国市場への投資は可能か?答えを示す「秘密の指標」
・私が注目する中国株
・私が注目する仮想通貨とマイニング関連株
テクノロジー株の調整は進行中
ウォーレン・バフェット氏のアップル(AAPL)株の25%の大幅な売却は正しい判断だったと思います。
テクノロジー株はこれまで大きな上昇を続けてきましたが、そろそろその勢いが落ち着くタイミングであると見ています。
iシェアーズ ラッセル 2000 ETF(IWM)とナスダック100(NDX)指数の比較
(出所:TradingView)
一方で、ここ数週間、iシェアーズ ラッセル 2000 ETF(IWM)の推移に見られるように、米国小型株の明確なアウトパフォーマンスが見られており、この傾向は今後も続く可能性が高いと見ています。
iシェアーズ ラッセル 2000 ETF(IWM)の株価推移
(出所:TrendSpider)
iシェアーズ ラッセル 2000 ETFはブレイクアウトを示しており、現在の水準からさらに30%の上昇が期待できると考えています。
特に、弱気相場から抜け出し、フィボナッチ1.618水準に向かう中で、大きなラリーが起こる可能性があります。
つまり、小型株が引き続き優れたパフォーマンスを示すと予想しています。
また、インベストリンゴのマクロ経済担当アナリストであるローレンス・ フラー氏は、ラッセル2000指数に強気な見通しを持っており、下記のレポートをリリースしております。
関心がございましたら、是非、こちらも併せてご覧いただければと思います。
米国大統領選挙後に執筆されたレポート
米国大統領選挙前に執筆されたレポート
ただし、テクノロジー株を押し目で狙いたい場合、私が注目している銘柄はアルファベット(GOOG/GOOGL)です。
アルファベット(GOOG / GOOGL)への過剰な市場反応
アルファベット(GOOG/GOOGL)は押し目買いの定番銘柄です。
同社は規制当局からの厳しい監視を受けており、一部事業のスピンオフ(分離)を強制される可能性が指摘されています。
このリスクについては後ほど詳しく解説しますが、それでもこの銘柄に対する私の信念が揺らぐことはありません。
アルファベット(GOOG / GOOGL)の株価推移
(出所:TrendSpider)
確かに、チャートを見ると弱気な兆候があり、ABCパターンの形成が示唆されています。
それでも、200日EMA(指数平滑移動平均線)を上回る水準での買い増しは、悪い選択ではないでしょう。
もし200日EMAを下回った場合には、50%および61.8%のフィボナッチリトレースメントレベルを重要なサポートとして注視します。
また、点線の青いラインで示される200週EMAに到達すれば、それは絶好の買い場となると見ています。
米ドルが中国の未来を左右する
中国は景気を刺激したい意向を持っていると思いますが、これまでのところ強いドルに制約されているように見えます。
バーリ氏をはじめとする大口投資家たちは中国株を長期保有していますが、彼らは間違っているのか、それとも単にタイミングが早すぎたのでしょうか?
私の考えでは、それは単に時期尚早だっただけです。
中国の景気刺激策が強いドルによって制約されている現状は、2025年には変わる可能性があります。
というのも、トランプ氏を含め多くの人がドル安を望んでいるからです。
最近、ドナルド・トランプ氏は強いドルを批判し、それが米国製造業の競争力を低下させていると指摘しました。
トランプ氏は、強いドルの原因として中国の弱い人民元を挙げていますが、実際の主因は金利差です。
FRBの高金利政策が資本の流入を引き起こしているのです。
トランプ氏の政策がドルにプラスに働くのかマイナスに働くのかは不透明ですが、彼が低金利を望んでいることは確かです。
そして、関税がドルに対して強気に作用するのか、弱気に作用するのかが鍵となるでしょう。
米ドル指数(DXY)の推移
(出所:TradingView)
テクニカル的には、米ドル指数(DXY)はレンジの上限まで戻りましたが、ここで期待できる反転が確認されています。
私は以前から、米ドル指数がABCパターンを形成し、90付近まで下落するのを待ち望んでいました。
この水準は「吹き上げ天井」と一致する形になると考えています。
直近執筆した、下記のレポートにおいて、トランプ新政権による想定される政策等に関して詳しく解説しております。
もし、関心がございましたら、是非、インベストリンゴのプラットフォーム上より、併せてご覧いただければと思います。
チーフー・テクノロジー(QFIN)は私が最も注目する中国株
中国市場で投資するなら、アリババ(BABA)は安全な選択肢の一つですが、私が特に注目しているのはチーフー・テクノロジー(QFIN)です。
チーフー・テクノロジーのレーティング
(出所:Seeking Alpha)
チーフー・テクノロジーは、中国のデジタル融資企業で、都市部の若いプロフェッショナル層を対象にサービスを提供しています。
同社は、売上の大幅な成長や、過去1年間で108%という株価上昇、さらに45.27%のEBITマージン(営業利益率)という堅実な業績を誇っています。
また、AIやデータ分析を活用した革新的なアプローチにより、運営効率を大幅に向上させています。
現在の株価は割安で、魅力的な指標に加え、安定した配当や自社株買いといった株主還元施策も評価されています。
最近発表された自社株買いにより、さらに割安感が際立ち、あらゆる指標で優れた銘柄と言えます。
チーフー・テクノロジー(QFIN)の株価推移
(出所:TrendSpider)
テクニカル的には、きれいな上昇の波を形成しており、新たな過去最高値(ATH)である50ドル以上に達する可能性が高いと見ています。
マラ・ホールディングス(MARA)とリップル(XRPUSD)に注目!
冷静に見ても、仮想通貨市場にはまだ大きな上昇余地があると思います。
マイニング関連株は本格的なラリーには至っておらず、一部のアルトコインはここから3倍以上になる可能性も十分にあると見ています。
そして、中でも私が注目しているのは、マラ・ホールディングス(MARA)とリップル(XRPUSD)です。
マラ・ホールディングスは長年この業界で活躍しており、最近ではマイクロストラテジー(MSTR)のようにビットコインを購入し始めました。
これは非常に強気な材料です。
マラ・ホールディングス(MARA)の株価推移
(出所:TrendSpider)
チャートでは逆三尊パターンが形成されており、ブレイクアウトが近いと見ています。100ドルまでの上昇も十分可能だと思います。
リップルについては、今週下記のレポートにてお話ししましたが、押し目で買い増しを行い、すでにその成果を享受しています。
詳細に関心がございましたら、是非、併せてご覧いただければと思います。
下記のチャートは最新のエリオット波動のチャートです。
(出所:@PWebborn)
私の意見では、4ドルが現実的な目標値として見えてきていると考えています。
まとめ
本稿はここまでです。
私は、現在の強気相場を楽しみながらも、2025年に向けた流動性の見通しやリスク要因には引き続き注意が必要だと考えています。
次回は私が米国経済を分析する上で使用しているモデルである「マクロマトリックス」に関する最新のアップデートを提供し、さらに、長期的な目標に近づく中で利益確定を進めていく予定です。
ただし、市場全体が同時にピークを迎えるわけではなく、私の見解としては下記の通りです。
・NDX(ナスダック100)はすでに天井をつけた可能性があります
・SPX(S&P500)はピークに近づいていると考えられます
・IWM(小型株)はまだ上昇余地が残っています
・BTCや仮想通貨は、最も長く上昇を続ける可能性があります
タイムラインの予測は常に不確実ですが、データに基づいて判断することが重要であると考えています。
そして、次の1~2四半期がこの強気サイクルの終わりになる可能性があると考えています。
ただし、重要なのはタイムラインではなく、自身の設定した目標値の達成だと思っています。
直近執筆した下記のレポートでは、2025年の見通しに加え、注意すべきポイントも詳細に解説しておりますので、併せてご覧いただければと思います。
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私のテクノロジー関連銘柄やマクロ経済に関するレポートに関心がございましたら、是非、フォローしていただければと思います。
アナリスト紹介:ジェームズ・ フォード
📍米国マクロ経済&テクノロジー担当
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