02/08/2024

AMDの将来性:最新の2023年第4四半期決算は堅調でインテルの優位性に挑戦!

purple and pink round lightウィリアム・ キーティングウィリアム・ キーティング
  • 本稿では、注目の米国半導体銘柄であるアドバンスト・マイクロ・デバイセズ(AMD)の1月30日に発表された最新の2023年第4四半期決算の分析を通じて、同社の今後の株価見通しと将来性を詳しく解説していきます。
  • AMDの2023年度第4四半期の売上高は前年同期比10%増の62億ドルで、データセンター部門の成長が主因となり、特にInstinct GPUとEPYC CPUの売上が好調でした。
  • データセンター部門の売上高は前年同期比38%増の23億ドルで、インテルとの差を広げており、AMDのシェアが増加していることが確認できます。
  • クライアント部門は前年比62%増の15億ドル、エンベデッド部門は在庫調整の影響で売上が24%減少し、セグメントごとに業績が分かれています。

アドバンスト・マイクロ・デバイセズ(AMD)の最新の2023年度第4四半期決算概要

アドバンスト・マイクロ・デバイセズ(AMDの発表した2023年度第4四半期の売上高は、前四半期比6%増、前年同期比10%増の62億ドルとなり、ガイダンスの中間値を1億ドル上回る着地となった。

「売上高は前四半期比6%増となったが、これは主に複数の主要顧客におけるAMD Instinct GPUの立ち上がりとEPYCサーバー・プロセッサーの増収によるもので、エンベデッドおよびゲーミング部門の減収により一部相殺されている。売上総利益率は前年同期比横ばいの51%で、データセンターおよびクライアント部門からの収益貢献の増加が、エンベデッド部門の収益減少により相殺された。」

エンベデッド部門とゲーミング部門の減収は、特にザイリンクス(Xilinx)買収を含むエンベデッド部門の減収は、先週の決算発表でインテル(INTC)がPSGで苦境に立たされていたことから、十分に予想されたことであった。

2023年度のAMDの売上高は227億ドルで前年度比4%減となっているが、インテルは前年同期比14%減となっている。

加えて、AMDのデータセンター部門における売上高は前年比7%増の65億ドルとなっている一方で、インテルのデータセンター部門における売上高は20%減となっている。

ただし、AMDのクライアント部門における売上高は25%減の46億ドルであったのに対し、インテルのクライアント部門は7.8%減の293億ドルと健闘している。

この時点で、インテルがクライアント部門でAMDの攻撃をかわしたことは明らかであり、インテルには競争力のある製品と魅力的なロードマップがあることが分かる。

しかし、私はAMDはクライアント部門の市場シェアを獲得するためにできる限りのことをしたと思っている。

そのため、私はAMDがデータセンター部門での取り組みを倍増させながら、このレベルの市場シェアをクライアント部門でも維持できると予想している。

一方で、先日、以下の図を紹介したが、もう一度こちらで紹介したい。

過去2年間、インテルのDCAI(Data Center and AI Group:データセンターとAI)グループに何が起こっているかを見て欲しい。

上述のグラフより、DCAI部門の売上高が右肩下がりになっていることが分かり、これはほとんどAMDのシェア拡大によるものである。

過去2年間の両社の四半期のデータセンター部門の売上高を見ると、明確なトレンドが現れていることが分かる。

インテルとAMDを合わせたデータセンター部門の売上高に占める、AMDのデータセンター部門の売上高の割合は、前四半期の29.6%から36.5%に達し、2022年度第1四半期のわずか17.5%から大幅に上昇していることが分かる。

そして、これは、AMDの2023年度第4四半期決算報告から得られた最も重要な収穫のひとつであると見ている。

残りのセグメントをまとめると、ゲーミング部門は前年同期比9%減の62億ドル、エンベデッド部門は17%増の53億ドルとなっている。

AMDの第4四半期部門別の業績に関して

4四半期のデータセンター部門の売上高は23億ドルで、前年同期比38%増、前四半期の16億ドルから43%増となり、特にインテルと比較した場合、目覚ましい業績となった。

「データセンター部門の売上高は、AMD Instinct GPUと第4世代AMD EPYC CPUの売上高が好調に伸びたことにより、前年同期比38%増、前四半期比43%増の23億ドルとなった。また、データセンター部門の営業利益は、前年同期の4億4,400万ドル(27%)に対し、6億6,600万ドル(29%)となっており、営業利益の増加は、主に増収による営業負債によるものである。」

クライアント部門の売上高は15億ドルで、前年同期比62%増であったが、前四半期比では横ばいであった。

「クライアント部門の売上高は、Ryzen 7000シリーズCPUの販売に牽引され、前年同期比62%増の15億ドルとなった。また、クライアント部門の営業利益は、売上高の増加により、前年同期の 1 億 5,200 万ドルの営業損失に対し、5,500 万ドル(売上高の 4%)となっている。」

ゲーミング(コンソール)部門の売上高は14億ドルで、前年同期比17%減、前四半期比では1億ドルの減収となった。

一方で、エンベデッド(ザイリンクス)部門の第 4 四半期の売上高は、顧客が在庫レベルを下げ続けていることから、前年同期比 24%減、前四半期比 15%減の 11 億ドルとなり、最悪の結果となっている。

「顧客は在庫削減を続けているため、エンベデッド部門の売上高は11億ドルで、前年同期比24%減、前四半期比15%減となった。また、 エンベデッド部門の営業利益は、前年同期の6億9900万ドル(50%)に対し、4億6100万ドル(44%)となっている。」

※続きは「AMDの将来性とは?2024年第1四半期のガイダンスは予想以下で株価急落!」をご覧ください。

さらに、その他のアドバンスト・マイクロ・デバイスAMD)に関するレポートに関心がございましたら、是非、こちらのリンクよりアドバンスト・マイクロ・デバイスのページにアクセスしていただければと思います。


アナリスト紹介:ウィリアム・キーティング

📍半導体&テクノロジー担当

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