02/13/2024

強気
アリスタ・ネットワークス
強気
2024年に少なくとも年平均成長率16%のトップライン成長が見込まれることから、財務予想が上方修正される可能性がさらに高まり、最近の下落局面が長期的なリターンを狙う投資家にとっては魅力的なエントリー・ポイントとなるのではないかと見ている。
アリスタ・ネットワークス / ANET / 強気:最新の2023年4Q決算&強み(競争優位性)分析と今後の株価見通し・将来性

white clouds photographyマイケル・ウィギンズ・ デ・オリベイラマイケル・ウィギンズ・ デ・オリベイラ
  • アリスタ・ネットワークス(ANET)は、2024年2月12日に23年第4四半期決算を発表している。
  • 同社の株価は第4四半期決算後に下落したが、投資家が好調な将来の見通しを重視していることから、気にする必要はないと考えている。
  • 同社は先進的なネットワーキング・ソリューションに特化しており、目覚ましい業績が牽引して、短期的には堅調な見通しを示している。
  • 課題と収益性の縮小にもかかわらず、同社は魅力的なバリュエーションと業績予想の上方修正の可能性を持つ割安な投資対象であると見ている。

アリスタ・ネットワークス(ANET)への投資テーマ

アリスタ・ネットワークス(ANET)の株価は、第4四半期の決算を受け売られる展開となった。

ただし、私はこの下落を左程気にする必要がないと考えている。

なぜなら、報告されたばかりの四半期など誰も気にしてはおらず、投資家が重視するのは将来の見通しであり、アリスタ・ネットワークスの見通しは強い。

とはいえ、同社の見通しに傷がないわけではない。

株価の重荷となる重要な要素は、第1四半期が今年で最も低調で、2024年の残りの期間では第1四半期から改善すると予想されているにもかかわらず、その収益性プロファイルが次の四半期の縮小を指し示していることである。

しかし、この収益性の縮小を含めても、私は同社は割安であると考えている。

まず、同社は時価総額の6%強を現金で保有し、バランスシートには50億ドルの現金があり、まったくの無借金経営となっている。

さらに、現在の同社の株価は、将来のNon-GAAPベースの営業利益の約27倍で取引されている。

以上を踏まえ、この倍率は、今年16%のトップライン成長を達成しそうな企業にとっては割安であるように映る。

アリスタ・ネットワークス(ANET)の当面の見通し

アリスタ・ネットワークスは、高度なネットワーキング・ソリューションの提供を専門としているテクノロジー企業である。

そして、データセンター、クラウド・コンピューティング、人工知能向けの製品を設計・販売している。

同社が提供する製品には、データ・トラフィックを効率的に管理・最適化する高速スイッチやソフトウェアがあり、大企業やクラウド・サービス・プロバイダー、AI関連のワークロードに携わる企業のニーズに対応している。

同社は、2023年の売上高が前年比33.8%増と、当初のガイダンスを上回る伸びを示すなど、目覚ましい業績により、短期的には堅調な見通しを示している。

同社はクラウド関連の幅広い規模の企業、並びに、プロバイダーに注力しており、その結果、売上高のソースが多様化している。

AIネットワーキングにおける継続的な技術革新、特にパケット・スプレーイング、柔軟な順序付け、ネットワーク輻輳緩和などの先駆的なソリューションによるAIワークロードの需要への対応により、同社は、進化する技術環境のニーズに適応するリーダーとしての地位を確立している。

同社は、コア製品、ネットワーク関連サービス、サブスクリプション・ベースのサービスにおける強固な基盤を背景に、2025年までにAIネットワーキングの売上高が7億5,000万ドルに達すると予想されるなど、重要なマイルストーンの達成を目指しており、持続的な成長と市場でのリーダーシップへのコミットメントを示している。

しかし、同社はまた、市場全体の状況に左右される課題を抱えている。特に、ここ数年加速度的に成長してきた世の中のクラウドへの支出が足元減速していることが主な課題となっている。

さらに、同社はAIネットワーキング・ソリューションで大きな進歩を遂げたが、試験運用の年からパイロット運用の年への移行は、普及への慎重なアプローチを示しており、本格的な量産は2025年になってからと予想される。

このような背景を踏まえ、同社の財務について説明したい。

アリスタ・ネットワークス(ANET)の売上高成長率

アリスタ・ネットワークスには、良いニュースと悪いニュースがある。

悪いニュースは、2023年第4四半期の売上高があまり好調に推移しなかったことである。

この点は、株価が売られる一因となった。

そして、次の表を見て欲しい。

こちらの表からも分かる通り、時間の経過とともに、方向的には、収益のビートの大きさは小さくなっている。

明らかに明るいニュースではないだろう。

一方で良いニュースは、市場は報告されたばかりの四半期ではなく、今後のガイダンスにより目を向ける可能性が高いということである。

そしてガイダンスは力強いものとなっている。

より具体的に言えば、2024年第1四半期は常に比較対象として最も厳しい四半期となる。

第1四半期が年平均成長率(CAGR)16%というトップエンドを示したということは、アリスタネットワークスが2024年に年平均成長率(CAGR)20%で収益を伸ばす可能性が最低でもあるということだと見ている。

なお、ご参考までに、私の予想は市場が予想(10~13%程度)しているよりもかなり高い水準にある。

恐らく、私は強気すぎるのだろう。

2024年の予想成長率は16%に過ぎず、この数字には私は断固として疑問を抱いている。

とはいえ、私は同社への投資ストーリーにおける文脈が重要であると考えている。

新しいCFOの同社ガイダンスにおける発言を下記のとおりである。

But I think to change anything [about the outlook] in Q1 at this time, we're just going to go a quarter at a time, especially with me coming in and we'll see how the year progresses.

「日本語訳:しかし、現時点で第1四半期に何か(見通しを)変えるには、1四半期ずつ、特に私が入ってから、今後1年がどのように進んでいくかを見ていくしかないと思います。」

とはいえ、仮にそうだとしても、同社が年平均成長率16%程度しか成長するのであれば、今後数日のうちにアナリストは株価の財務予想を上方修正することになるだろう。

そしてそれこそが、私が好んで所有する最高の投資タイプなのである。

セルサイドのアナリストが私の所有する銘柄の株価をサポートし、目標株価を引き上げるような投資である。

アリスタ・ネットワークス(ANET)のバリュエーション:Non-GAAP営業利益の27倍

株価が売られた主な理由は、2024年第1四半期までの見通しが、第4四半期から2024年第1四半期にかけてNon-GAAPベースの売上総利益率が300ベーシスポイント弱圧縮されると指摘したことを投資家が好まなかったことだと見ている。

具体的には、2023年第4四半期のNon-GAAPベースの粗利益率は64.9%であったが、2024年第1四半期の見通しは約62%となっている。

これはまだ信じられないほど高く、前年から約250ベーシス・ポイント拡大しているが、投資家は収益性が圧縮されることを良くは思わないだろう。

実際に、同社の経営陣は、事前に今回の決算に向けて収益性の圧縮を明らかにしていた。

それでも投資家たちは動揺したのである。

この利益率の圧縮は損益計算書のボトムラインにも浸透し、2023年第4四半期のNon-GAAPベースの粗利益率は48.3%であったのに対し、2024年第1四半期の見通しは42%となっており、第1四半期には600ベーシスポイント以上の大幅な圧縮となっている。

投資家にとって、ある四半期から次の四半期へのこの圧縮ペースは厄介である。

これは、同社が一定量の価格決定力を失っていることを示している。

高い価格決定力は高いバリュエーションに反映され、低い価格決定力は低いバリュエーションに反映される。

とはいえ、前々四半期(2023年第3四半期)当時、第4四半期のガイダンスではNon-GAAPベースの売上総利益率が42%であったのに対し、決算が発表された時点で同社のNon-GAAPベースの売上総利益率は48.3%に達していることにはご留意いただきたい。

従って、この経営陣がガイダンスにおいて常に超保守的であることは明らかであり、それゆえ私は過度に警戒することはないだろうと考えているのである。

私の計算によると、同社は年率換算で30億ドルのNon-GAAP営業利益を達成する見込みであり、現在の株価はNon-GAAPベースの営業利益に対して約27倍ということになる。

これらを踏まえると、アリスタ・ネットワークスのような顧客基盤を持ち、次年度の年平均成長率約16%でトップラインを成長させる企業にとっては、現在のバリュエーションは割安に見える。

アリスタ・ネットワークス(ANET)に対する結論

第4四半期決算後に株価が下落したアリスタ・ネットワークスだが、短期的な市場変動が同社の将来性を揺るがすものではないことを強調したい。

そして、個人的には、同社の見通しについては楽観的な見方を続けている。

次四半期の収益性が低下する可能性があるとの懸念が株価に重くのしかかっているが、大局的に見れば、割安なチャンスがある。

同社の無借金経営、時価総額の6%超の現金保有を踏まえると、Non-GAAPベースの営業利益の約27倍という株価は、魅力的なバリュエーションに見える。

2024年に少なくとも年平均成長率16%のトップライン成長が見込まれることから、財務予想が上方修正される可能性がさらに高まり、最近の下落局面が長期的なリターンを狙う投資家にとっては魅力的なエントリー・ポイントとなるのではないかと見ている。

以上より、同社株式に対する私の目標株価は、2025年夏までに「355ドル」と設定している。