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05 - 10 - 2024

やや強気
アップラビン
やや強気
将来フリー・キャッシュフローの16倍という同社の現在のバリュエーションは、長期投資家にとって魅力的な水準であるように見える。
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アップラビン(APP)2024年第1四半期決算速報:最新の決算分析を通じて同社の強み(競争優位性)と将来性に迫る!

マイケル・ウィギンズ・ デ・オリベイラマイケル・ウィギンズ・ デ・オリベイラ
  • 本稿では、注目の米国テクノロジー銘柄であるアップラビン(APP)の2024年5月8日に発表された最新の2024年度第1四半期決算と財務パフォーマンスの分析を通じて、同社の強み(競争優位性)、並びに、今後の株価見通しと将来性を詳しく解説していきます。
  • 足元の決算からも分かる通り、広告事業からソフトウェア事業への転換により、同社は大幅な売上高成長を実現しています。
  • 同社の力強い業績と成長見通しは魅力的に映る一方で、足元の割高なバリュエーションには注意が必要であるようにも見えます。
  • 売上高成長率は年平均25%程度であり、市場のアナリストによる目標株価の上方修正も期待され、その際には更なる上昇の可能性も視野に入ると見ています。

アップラビン(APP)への投資に関して

アップラビンAPP)は2024年5月8日に2024年度第1四半期決算を発表し、素晴らしい業績を達成し、見通しも明るいように見える。

しかし、現在の株価水準で同社のポジションを持つことは賢明な判断とは言えず、仮にすでにロングを持っていたとしても、自身の平均購入価格を大幅に引き上げるのは避けたいところである。

私は、以前から同社に強気で見ており、先月、私は同社の目標株価は90ドルだと述べているが、実際に、同社の現在のバリュエーションは、私が以前この銘柄に注目していたときほど魅力的なものではない。

私の以前の同社への見通しに関しては、「アップラビン / APP / 強気:モバイル・アプリ関連銘柄の最新の2023年第2四半期決算&強み分析と今後の株価見通し・将来性」をご覧いただきたい。

そのため、次回の2024年度第2四半期の決算後に、あるいはその前に、私は同社株式を売却する予定である。

私が最初に同社に注目した数カ月は、誰も同社への関心を示さなかったが、今では巷で話題の銘柄となっている。

同社に加えて、パランティア・テクノロジーズPLTR)やペイパル(PYPL)等の現在では大幅に上昇している銘柄に関しても、私は昨年の株価が非常にボラタイルで大幅な下落局面にある時から強気で見てきた。

そして、今後も、私は同社のような大きな可能性のある銘柄を継続して発掘していきたいと思っている

アップラビン(APP)の短期的な見通し

アップラビン(APP)は、モバイルアプリ開発者と広告主にサービスを提供している。

簡単に言えば、ユーザーに広告を表示することで、アプリ開発者がアプリからお金を稼ぐ手助けをしている。

要するに、同社は、アプリを収益化したいアプリ開発者と、モバイルユーザーに自社製品を宣伝したい広告主の仲介役として機能している。

同社はモバイル広告業界において重要な役割を果たしており、企業がよりターゲットを絞った効率的な方法でユーザーとつながる手助けをしている。

つまり、同社はモバイルアプリケーションの最適化と収益化に特化したモバイルマーケティングプラットフォームである。

同社はアプリ開発者向けにソリューションを提供しており、これがソフトウェア(Software)部門と呼ばれる同社のビジネスの至宝であり、現在同社のビジネスの64%を占めている。

そして、現在では64%をしめるソフトウェア部門であるが、私は自身の過去の記事を振り返り、下記に同様のグラフを再度こちらで共有してみた。

少し前、ほんの3四半期前まで、同社は売上高の半分近くをアプリ(Apps)部門から得ていたことを理解していただきたい。

そして、同社の急速な売上高の原動力であるソフトウェア部門は、今や総売上高の64%を占め、しかも急速に成長している。

そのため、やがてこの事業の側面は、広告会社としてではなく、ソフトウェア・ビジネスとして見られるようになるだろう。

それを前提にすれば、同社はミーム株のような銘柄になる可能性も秘めていると言える。

このような背景を踏まえ、次にファンダメンタルズについて説明していきたい。

アップラビン(APP)の2024年の売上高成長率:25%の年平均成長率

アップラビン(APP)は、2024年の上半期は緩やかに成長しており、問題は2024年下半期にどのような成長率を期待できるかという点である。

そして、私は2024年下半期には少なくとも年平均成長率25%が期待できると考えている。

2024年第1四半期、同社はガイダンスの上限を9%上回る約11億ドルの売上高を達成しており、非常に好調な四半期であった。

しかし、全ての四半期がこのように好調であるとは期待できない。

それにもかかわらず、2024年第2四半期は同様に約11億ドルの売上高が見込まれている。

どの広告会社にとっても最も好調な四半期である2024年第4四半期が12.5億ドルに成長すると見積もれば、2024年第4四半期は前年同期比28%増となることを意味する。

また、仮に同社の見通しがそれほど強くないと仮定しても、同社は第4四半期に前年同期比約25%の増収を達成する経路をたどることになるだろう。

また、第4四半期から第3四半期に逆算すると、第3四半期はより比較しやすいため、2024年第3四半期は前年同期比25%の増収を容易に達成できると見ている。

このような状況を踏まえて、同社をカバーするアナリストの予想を見てみたい。

上記の矢印は、市場のアナリストの2024年度第3四半期と第4四半期決算の予想が、私の予想と大きく外れていることを示しており、実際に私は強気すぎるのかもしれない。

結局のところ、私は以前からこの銘柄に強気で見ていることから、バイアスがかかっている可能性はある。

とはいえ、アナリストが予想する前年同期比12.46%の売上高成長率と、私が予想する第4四半期の前年同期比25%の間には非常に大きな乖離があるのも事実である。

そして、この乖離に表れているように、今後、市場のアナリストが目標株価を上方修正する可能性があるかもしれない。

もし、実際に市場のアナリストが同社への見通しを引き上げ始めたら、勿論、同社の株価にはポジティブなインパクトを与えるだろう。

では、次に、バリュエーションについて説明していきたい。

アップラビン(APP)のバリュエーション:将来フリー・キャッシュフローの16倍

足元、アップラビン(APP)に関して私は下記の様に述べている。

「私は、アップラビンのEBITDAは、約70%の割合でフリー・キャッシュ・フローに転換されると考えている。その結果、2024年第1四半期には35,000万ドルのフリーキャッシュフローが達成可能と思われる。」

「これは前年同期比で24%増となり、言うまでもなく大幅な改善となる。しかし、より重要なことは、第1四半期の成長率が前年同期比で約37%増を指していることを考えると、このフリー・キャッシュフローの前年同期比24%増は、将来的に事業の営業レバレッジがもう少し効く可能性があることを示唆していると私は考えている。」

「いずれにせよ、2024年に15億ドルのフリー・キャッシュフローが計上されるという見通しを私は依然として支持している。

今のところ、2024年のアップラビン(APP)のフリー・キャッシュフロー予想を上方修正するつもりはない。

現時点では、私は保守的である方が良いと考えており、必要であれば、後に上方修正したいと思っている。

その結果、同社のフリー・キャッシュフローは第1四半期に前年同期比37%増加したにもかかわらず、私は当初の予想に固執している。

その理由としては、同社が稼ぐ収益の大半は第4四半期になる。

私は、2024年第1四半期からの非常に好調な業績を年間を通して想定したくはない。

とはいえ、2025年まで見通せば18億ドルのフリー・キャッシュフローが期待できると見ており、結果として、同社の現在の株価は将来フリー・キャッシュフローの16倍となる。

アップラビン(APP)に対する結論

私は、バリュエーション上の懸念から、アップラビン(APP)に対して新規にロング・ポジションを持つことには慎重なスタンスをとっているが、同社の目覚ましい業績と力強い成長見通しは魅力的である。

特にソフトウェア部門における著しい売上高の成長は、従来の広告ビジネスからソフトウェア・ビジネスへの移行を強調しており、今後数ヶ月のうちに、ミームのような銘柄になる可能性さえあると見ている。

売上高の年平均成長率は約25%と予想され、また、上述の通り、市場のアナリストが目標株価を上方修正する可能性もあり、その際には同社株価にはポジティブに働くことも期待できる。

さらに、将来フリー・キャッシュフローの16倍という現在の同社のバリュエーションは、長期投資家にとって妥当なエントリー・ポイントであるようにも見える。

ただし、冒頭に述べている通り、私は既に2024年第2四半期のある時点で同銘柄へのエクスポージャーを解消することを視野に入れている点にはご留意いただきたい。