やや強気アメリカン・ステーツ・ウォーターすべて表示アメリカン・ステイツ・ウォーター(AWR:配当王・予想配当利回り2.3%・配当性向59%)2024年1Q決算分析と今後の株価見通し・将来性
イアニス・ ゾルンパノス- アメリカン・ステイツ・ウォーター(AWR:配当王・予想配当利回り2.38%・配当性向59%)はカリフォルニア州に本社を置く水道・公益事業持株会社で、ゴールデン・ステート・ウォーター・カンパニーやベアー・バレー・エレクトリック・サービス社などを通じて事業を展開している。
- 最新の2024年度第1四半期決算では、非経常損益項目を除くベースでのEPSが0.62ドル、1株当たり売上高が3.645ドルと前四半期比で好調な業績を示している。
- また、過去5年間で9.40%、過去3年間で8.90%の配当成長率を維持し、69年間連続で増配しており、米国株配当王の一角を担っている。
アメリカン・ステイツ・ウォーター(AWR)の概要
セクター:公益事業
現在の株価:72ドル
時価総額:27億ドル
弊社算出の一株当たり本質的価値:95.66ドル
安全マージン:24.21%
過去5年間の配当成長率:9.40%
前回配当落ち日:2024年5月17日
前回配当支払い日:2024年6月3日
予想配当利回り:2.38%
過去5年間の売上高成長率:4.90%
過去10年間の売上高成長率:2.20%
アメリカン・ステイツ・ウォーター(AWR:配当王・予想配当利回り2.38%・配当性向59%)は、カリフォルニア州に本社を置く水道・公益事業持株会社であり、同社の主なセグメントは、水道、電気、契約サービスとなっている。
これらのセグメントの中で、ゴールデン・ステート・ウォーター・カンパニーとベアー・バレー・エレクトリック・サービス社を通じて水道事業と電気事業を行い、アメリカン・ステーツ・ユーティリティ・サービス社とその子会社を通じて受託事業を行っている。
ゴールデン・ステーツ・ウォーター社はカリフォルニア州内の様々な郡で事業を展開し、カリフォルニア公益事業委員会の規制を受けており、アメリカン・ステーツ・ユーティリティ・サービス社は、米国政府と契約し、様々な軍事施設に水道サービスを提供している。
同社の売上高の大半は、商業用および住宅用顧客からの水道サービスによるものである。
そして、同社は2024年5月7日に2024年度第1四半期決算を発表しており、加えて、69年間連続で増配しており、米国株配当王の一角を担っている。
アメリカン・ステイツ・ウォーター(AWR)の収益と成長に関して
アメリカン・ステイツ・ウォーター(AWR)は2024年度第1四半期決算において、非経常損益項目を除くベースでのEPS(EPS without NRI)は0.62ドル(前四半期:0.54ドル)、また、1株当たり売上高は3.645ドル(前四半期:3.373ドル)と、いずれも前四半期比で上昇し、好調な業績をは示している。
一方で、長期的なパフォーマンスを見ると、同社株の非経常損益項目を除くベースでのEPSの過去5年間の年平均成長率(CAGR)は9.60%で、過去10年間の年平均成長率は6.80%となっており、長期的な観点からは継続して成長していることが分かる一方で、特に足元の成長が著しく加速していることが分かる。
また、今後10年間の同社業界の成長予測は引き続き良好であり、同社はこの成長軌道を活用する好位置にあるように見える。
全体として、アメリカン・ステイツ・ウォーターの最新の決算は、レジリエンスのある業績と将来への有望な見通しを反映していると見ている。
※チャート上の値は年間ベースであり、直近4四半期の非経常損益項目を除くベースでのEPS(EPS without NRI)の合計値
アメリカン・ステイツ・ウォーター(AWR)の配当に関して
アメリカン・ステイツ・ウォーター(AWR)の過去5年間の配当成長率は9.40%で、過去3年間の配当成長率は8.90%と継続してプラスの成長を示しおり、さらに、69年間連続で増配しており、米国株配当王の一角を担っている。
一方で、EBITDA純有利子負債倍率は3.83倍と、理想的な水準である2倍を上回っており、利益に対する負債の水準が高いことを示している。
この比率は望ましい範囲よりも若干高い水準にあるが、同社の配当性向が59%と許容範囲内である点は注目に値する。
また、同セクターと比較すると、2.38%の同社の予想配当利回りは競争力があると言える。
さらに、同社は過去10年間、安定した配当性向を維持しており、現在の配当性向は過去の範囲内に収まっている。
全体として、EBITDA純有利子負債倍率は理想的な水準より高いが、同社の一貫した配当成長と管理可能な配当性向の水準は、同社の安定した過去の配当実績を示している。
ただし、配当支払いの持続可能性を見定めるために、市場の投資家は負債水準を注意深く監視するべきだろう。
予想配当利回り:2.38%
配当性向:59%
配当カバレッジ・レシオ:1.81
過去5年間の配当成長率: 9.40%
EBITDA純有利子負債倍率:3.83倍
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アメリカン・ステイツ・ウォーター(AWR)のバリュエーションに関して
アメリカン・ステイツ・ウォーター(AWR)の現在の株価は72.5ドルで、弊社算出の一株当たり本質的価値である95.66ドルを下回っており、割安の可能性を示している。
一方で、株価売上高倍率(4.74倍)とEV/EBITDA倍率(15.01倍)の観点からは、同社株価が業界平均と比較して妥当な水準で取引されていることを示唆している。
また、過去5年間、並びに、過去10年間の平均の株価売上高倍率とEV/EBITDA倍率は、それぞれ4~5倍と14~16倍のレンジとなっている。
そのため、現在の各倍率はこれらの平均と一致しており、同社の株価が歴史的な平均水準で取引されていることを示唆している。
ただし、予想PERは23.95倍と実績PERより若干高く、将来の成長に対する市場の期待を示している。
まとめると、アメリカン・ステイツ・ウォーターは本質的価値に基づくと割安に見える一方で、株価売上高倍率とEV/EBITDA倍率に基づくと業界平均と過去の平均に一致している。
以上より、投資家は、同社の現在の株価水準に潜在的な割安感を見出す可能性があるだろう。
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アメリカン・ステイツ・ウォーター(AWR)のリスクとリターンに関して
アメリカン・ステイツ・ウォーター(AWR)のリスク評価分析では、投資家が投資決定を下す前に考慮すべきいくつかのポイントを取り上げたい。
まずマイナス面では、同社は一貫して新規債務を発行しており、過去3年間で長期債務は3億4,246万1,000ドルに増加している。
さらに、同社の総資産は売上高よりも速いペースで増加しており、資産活用の非効率性を示している。
また、投下資本利益率(ROIC)は加重平均資本コスト(WACC)を下回っており、資本効率の悪さを示唆している。
一方でプラス面では、ベニッシュのMスコアは-2.27となっており、同社が利益操作をしている可能性が低いことを示唆している。
加えて、営業利益率は拡大しており、これはプラスの兆候である。
また、PBRと株価売上高倍率は5年ぶりの低水準に近く、割安感を示しているように見える。
さらに、予想配当利回りは5年ぶりの高水準に近づいており、配当の支払いを通じて投資家に魅力的なリターンを提供している。
全体として、アメリカン・ステイツ・ウォーターにはリスクもあるが、投資家の潜在的機会を示唆するポジティブな指標もある。
アメリカン・ステイツ・ウォーター(AWR)のインサイダー(内部関係者)による売買に関して
アメリカン・ステイツ・ウォーター(AWR)は過去12ヶ月間、インサイダーによる同社株式の取引においてポジティブなトレンドを示しており、具体的には6件のインサイダーによる同社株式の買い付けが確認されている一方で、1件の売却があったのみとなっている。
これは、同社のインサイダーが同社の将来性に自信を持っており、現在の株価が過小評価されていると考えている可能性がある。
ただし、インサイダーによる同社株式の保有比率はわずか1.76%である点にはご留意いただきたい。
一方、機関投資家による同社株式の保有比率は60.57%と高く、大口機関投資家が同社株で強い存在感を示している。
全体として、インサイダーによる買い付けと高い機関投資家による保有比率の組み合わせは、インサイダーと機関投資家の両方が同社の見通しに強気であることを示唆している可能性があるため、アメリカン・ステイツ・ウォーターにとってポジティブなシグナルと見なすことができるだろう。
アメリカン・ステイツ・ウォーター(AWR)の流動性に関して
アメリカン・ステイツ・ウォーター(AWR)の直近営業日の1日の平均出来高は154,410株で、過去2ヶ月間の1日平均出来高は231,570株となっており、継続して健全な取引活動があることを示している。
また、同社株式のダークプール指数(DPI)は46.84%で、取引の大部分がダークプールや取引所外の取引所で行われている可能性を示唆 している。
※ダーク・プール指数は、ダーク・プール(私設取引所)内において、同社株式がどの程度取引されているかを示すものであり、注目すべき 指標の1つである。
そして、この水準は、機関投資家や他の大規模な市場参加者がこの株式の取引に積極的に関与していることを示唆している可能性がある。
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