やや強気BCEベル・カナダ・エンタープライズ / BCE / 予想配当利回り7% / 強気:高配当テレコム株の今後の株価見通し(後編)

- インターネットは近代経済にとって不可欠な存在であり、テレコム業界は近代経済にライフラインを提供している。
- 一方で、市場は債務水準の上昇を恐れており、配当が大幅にディスカウントされているのが現状である。
- 以上より、本稿では予想配当利回り7.5%を誇るカナダ最大の電気通信事業者ベル・カナダ・エンタープライズ(BCE)を紹介したい。
※「ベライゾン(VZ / Verizon)予想配当利回り8% / 強気:高配当テレコム株の配当分析と今後の株価見通し・将来性(前編)」の続き
はじめに
前編では、高利回りの米通信会社を取り上げた。
足元、経済が金利上昇に直面する中、通信株は大きく割安になっている。
しかし、大部分の債務が固定金利債務であり、5Gや光ファイバーの設備投資の多くが既に完了しているという事実を踏まえると、これらのディスカウントにより、それらの通信株は魅力的な配当利回りを提供する掘り出し物となっている。
本日は、カナダのテレコム業界のリーダーを分析することで、テレコム業界についての議論を続けたい。
ベル・カナダ・エンタープライズ(BCE:年間予想利回り:7.5%)
ベル・カナダ・エンタープライズ(BCE)、通称ベルは、株主重視の資本政策に関して豊富な歴史を持つカナダ最大の電気通信プロバイダーである。
同社は電話の発明者であるアレクサンダー・グラハム・ベルによって設立された。
世界の他の大手通信会社と同様、BCEは5Gとファイバー・インフラの拡大に多額の投資を行っており、ピュア・ファイバー・ネットワークを新たに65万カ所に拡大し、5Gサービスの提供地域を国土の85%をカバーするまでに拡大する予定である。
注:BCEはニューヨーク証券取引所とトロント証券取引所で取引されるカナダの企業である。原則、配当はカナダドルで公表され支払われるが、米国上場のBCEを購入した場合、米ドルとカナダドルの換算レートに基づいて変動する、米ドルベースの配当を受け取ることになる。そして、この記事で説明する数字はすべてカナダドルである。
注目すべき点は、ベル・ワイヤレスとベル・ピュア・ファイバー・サービスがカナダ最速のモバイル、インターネット、WiFiサービスとしてランクされていることである。
第2四半期中、同社は新たに52,148の家庭用光ファイバー顧客を獲得し(前年同期比38%増)、約17%はベル・ワイヤレスのプレミアム価格帯であるギガビット・プラス(1Gbps)のスピード・ティアに加入した。
これらの高い成長率は、カナダにおける移民人口の力強い増加を反映しており、その結果、人口増加率は他のG7諸国を大きく上回り、2022年7月から2023年7月にかけて世界で最も急速に成長する上位20カ国に入っている。
また、BCEは優れた配当を継続している。
実際に、同社は1881年に最初の配当を支払い、140年以上もの間、配当金の支払いが一切滞ることがないという驚異的な記録を維持している。
また、BCEは、少なくとも5%の連続増配を15年間維持している。
この連続増配により、BCEは、私にっとってまるで信頼性の高い年次昇給が約束されている通常の有給の仕事の様にさえ映る。
同社の一株当たり0.9675ドルの配当は、7.5%の年率換算利回りに計算され、支払いに関しては、TTM(過去12か月)データに基づく保守的な45%の配当性向では、営業キャッシュフローによって十分にカバーされている。
BCEの無担保優先債務は、DBRSにより「BBB」の信用格付を取得している。
一方で、同社は平均約12年の債務満期に加え、カナダの同業他社の中で最も低い3.4倍というNet Debt to Maturity Ratio(償還期限に対する純債務比率)を保っていることからも、十分に構造化された債務満期スケジュールを維持していることが伺える。
2023年度には借り換えのコミットメントは残っておらず、公的債務の年加重平均税引き後コストは2.96%である。
2023年度について、同社はEBITDA成長率2~5%、フリーキャッシュフロー成長率2~10%を見込んでおり、将来の配当成長には十分な余地があるように見える。
カナダは、G7諸国の中で他に類を見ない移民の多さにより、目覚ましい人口増加を続けている。
結果、BCE、Rogers (RCI)、Telus (TU)のカナダのトップ3のテレコム企業は、今後数年間は堅調な収益成長を遂げることができると見ている。
5Gと光ファイバーへの投資が正常化し、Business-As-Usualへの移行が進むにつれて、これらの企業は収益性とフリーキャッシュフローの成長を達成し、それによって継続的な配当の増加が可能になると見ている。
そのため、この銘柄に投資することで、7.5%の利回りを享受しながら、デジタル化が進む世界経済の波に乗ることができると考えている。
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