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10 - 29 - 2024

BEセミコンダクター・インダストリーズ(BESI)の将来性:最新の2024年3Q決算分析を通じて今後の株価見通しに迫る!

ダグラス・ オローリンダグラス・ オローリン
  • 本稿では、注目のオランダの半導体銘柄であるBEセミコンダクター・インダストリーズ(BESI)の2024年10月24日に発表された最新の2024年第3四半期決算の分析を通じて、同社の今後の株価見通しと将来性を詳しく解説していきます。
  • 最新の決算では、売上高が予想を上回ったものの、ハイブリッドボンディングの導入には遅れが見込まれると報告しています。 
  • 第4四半期の売上高は第3四半期比で±10%の範囲で推移し、出荷の遅延はインテルに起因しているとされています。 
  • ハイブリッドボンディングの大規模な普及が遅れており、特にHBM(High Bandwidth Memory)では今後10年間での採用が進まない可能性もあると見ています。

BEセミコンダクター・インダストリーズ(BESI)の最新の2024年度第3四半期決算発表に関して

BEセミコンダクター・インダストリーズ(BESI)は2024年10月24日に最新の2024年度第3四半期決算を発表しており、ハイブリッドボンディング(半導体チップを接続する先進的な技術の一つ)の導入時期に関する騒ぎが大きかった印象を受けます。

ロジック分野(半導体産業における「ロジックデバイス」を扱う分野)での一部導入は見込まれるものの、インテル(INTC)は導入をやや先送りし、メモリ分野(データの保存や一時的な記憶を担う半導体デバイスを扱う分野)においてはまだ時間がかかりそうです。

2024年度第3四半期決算実績

・EPS:0.59ユーロ(FactSet予想:0.54ユーロ)

・売上高:1億5660万ユーロ(FactSet予想:1億5280万ユーロ)

・EBITDA:6240万ユーロ(FactSet予想:5850万ユーロ)

・受注額:1億5180万ユーロ(FactSet予想:1億9280万ユーロ)

2024年度第4四半期ガイダンス

・売上高は第3四半期比で±10%の範囲で推移:1億4090万ユーロ~1億7230万ユーロ(FactSet予想:1億9180万ユーロ)

出荷の遅延はインテルが原因です。

下記は最新の決算説明会における遣り取りの一部です。

(原文)For the fourth quarter this year, we forecast that revenue will be flat, plus or minus 10%, versus the third quarter, partially due to shipment delays by a customer for certain hybrid bonding systems scheduled for delivery, which were scheduled for delivery in the fourth quarter of this year. In addition, gross margins are anticipated to range between 63% and 65% based on our projected product mix. Aggregate operating expenses are forecasted to be flat to up 5% versus the third quarter this year.

(日本語訳)今年第4四半期の売上高は、第3四半期とほぼ同水準で、±10%の範囲内で推移すると予測しています。これは、一部のハイブリッドボンディングシステムの出荷が顧客側の遅延により、第4四半期にずれ込むためです。また、製品構成の予測に基づき、売上総利益率は63〜65%を見込んでいます。営業費用については、第3四半期と同水準から最大で5%増加する見通しです

また、HBM4(High Bandwidth Memory 4:次世代の高帯域幅メモリ規格で、主に高性能コンピューティングやAI、グラフィックス処理などの用途向けに設計)ではほぼ確実に採用されない見込みです。

そして、その表現については下記の通りとなっています。

(原文)So what the world explains in different ways, the 3 big memory manufacturers is that, in one way or the other, they expect a side-by-side development of using this technology for HBM 4 but certainly HBM 5, where hybrid bonding becomes to be expected more critical as dimensions decrease.

(日本語訳)各国で見解は異なるものの、大手3社のメモリメーカーは、HBM4でこの技術を並行して導入する可能性があるとし、特にHBM5では、寸法が小さくなるにつれてハイブリッドボンディングの重要性がさらに増すと見込んでいます。

(原文)We are involved in this wonderful challenge with both technologies. So on the one hand, the TCB, so the reflow process. And on the other hand, the hybrid bonding. And time will tell, and especially in '25, it should become more clear which direction will prevail and with how many systems in percentage or, let's say, capacity in percentage. Probably for HBM 4, it will only be a very high-end range using hybrid. That's how it looks today, but that can also change due to the simple reason that the performance in the end determines which technology to use.

(日本語訳)私たちはこの素晴らしい挑戦に、TCB(リフロープロセス)とハイブリッドボンディングという2つの技術で取り組んでいます。どちらが主流になるかは時間が経てばわかるでしょうが、特に2025年にはその方向性がより明確になると見込んでいます。どのシステムがどれくらいの割合で採用されるかもわかってくるでしょう。現時点では、HBM4ではハイブリッドボンディングが超高性能な分野でのみ使われると予想されていますが、最終的にはパフォーマンスが技術選択を左右するため、状況が変わる可能性もあります。

ハイブリッドボンディングの大規模な普及が遅れており、その点について最新の決算説明会でも懸念が示されました。

実際に、同社の株価は他の半導体製造装置メーカーに比べて大幅に割高で、これはハイブリッドボンディングの成長ストーリーに支えられています。

(出所:Koyfin)

チャートを見る限り、まだ実現を待っている状況です。

ロジックや単一ダイ(半導体チップの設計において、一つのシリコンウェハー上に作られた単一の集積回路)には適しているものの、HBMでの採用は今後10年の後半まで進まないかもしれません。

そのため、過去3四半期における期待と現実の展開にはギャップがあるようです。

今後の同社の展開には引き続き注目していきたいと思います。

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