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05 - 19 - 2024

中立
キャタピラー
中立
同社の現在の株価は356.27ドルで、弊社算出の一株当たり本質的価値である295.37ドルよりも高い。
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キャタピラー / CAT / 予想配当利回り1.4% / 中立 / 配当貴族:2024年1Q決算速報・強み分析と今後の株価見通し・将来性

イアニス・ ゾルンパノスイアニス・ ゾルンパノス
  • キャタピラー(CAT:予想配当利回り1.47% / 配当性向23%)は重機、パワーソリューション、機関車のトップメーカーであり、世界最大の重機メーカーである。
  • そして、同社は2024年5月2日に2024年第1四半期決算を発表している。
  • また、同社は過去30年間以上、連続して増配を実施しており、米国株配当貴族の一角を担っている。

キャタピラー(CAT)の概要

セクター:農業および重建設機械

現在の株価:356ドル

時価総額:1742.3億ドル

弊社算出の一株当たり本質的価値:295.37ドル

安全マージン:-20.61%

過去5年間の配当成長率:8.20%

直近配当落ち日:2024年4月19日

直近配当支払い日:2024年5月20日

予想配当利回り:1.47%

過去5年間の売上高成長率:7.40%

過去10年間の売上高成長率:3.90%

キャタピラー(CAT)は重機、パワーソリューション、機関車のトップメーカーであり、世界最大の重機メーカーである

同社は「建設」、「資源」、「エネルギー・運輸」、「Cat Financial」の4つの報告セグメントに分かれている。

また、同社の製品は約160のディーラーによって維持されている約2,700の支店網で世界中をカバーするディーラーネットワークを通じて販売されている。

加えて、Cat Financialは、ディーラー向けのホールセール・ファイナンスに加え、機械やエンジンのリテール・ファイナンスを顧客に提供し、キャタピラー製品の販売を促進する役割を担っている。

そして、同社は2024年5月2日に2024年第1四半期決算を発表している。

また、同社は過去30年間以上、連続して増配を実施しており、米国株配当貴族の一角を担っている。

キャタピラー(CAT)の収益と成長に関して

キャタピラー(CAT2024年第1四半期の非経常損益項目を除くベースでのEPSは5.6ドルで、希薄化後EPSは5.75ドルとなっており、前四半期のそれぞれ5.23ドル、-5.28ドルと比較して増益となっている。

しかし、一株当たり売上高は31.795ドルと、全四半期の33.65ドルと比較してやや下落している

一方で、長期的なパフォーマンスを見ると、同社株の非経常損益項目を除くベースでのEPSの過去5年間の年平均成長率(CAGR)は13.00%で、過去10年間の年平均成長率は13.30%となっており、中長期的な観点では持続的な成長を実現していると言える。

また、今後10年間の業界の成長予測はプラスとなっており、同社の将来性は良好であるように見える。

加えて、同社の過去の財務レバレッジの度合いと堅実な業績の成長を考慮すれば、同社は今後数年間、拡大・増益を続ける可能性があるように見える。

以上より、過去成長の実績と業界の前向きな見通しにより、キャタピラーはさらなる成功に向けて十分な態勢を整えていると見ている。

キャタピラー(CAT)の配当に関して

キャタピラー(CAT)は、過去数年間一貫した配当成長を示しており、過去5年間の配当成長率は8.20%で、過去3年間の配当成長率は6.70%と、足元はやや成長が鈍化しているように見えるが、依然として成長率の水準は高水準にあると言える。

一方で、同社のEBITDA純有利子負債倍率は2.28倍とやや高い水準となっていることから、今後の同社の経営、並びに、継続した配当の支払いに影響を与える可能性がある点には注意が必要である。

また、同社の予想配当利回りは1.47%で、投資家への配当を通じた適度なリターンを反映していると言える。

そして、直近の四半期では、同社は1株当たり1.3ドルの配当を発表している。

さらに、過去の配当実績を見ると同社は過去30年間以上、連続して増配を実施しており、米国株配当貴族の一角を担っている。

加えて、同セクターと比較すると、同社の配当実績は比較的安定しており、業界標準に沿ったものであると言える。

以上より、上述の一貫した配当成長と強固な財務指標を踏まえると、長期的に安定した配当収入を求める投資家にとって、キャタピラーは魅力的な投資対象と映るかもしれない。

予想配当利回り:1.47%

配当性向:23%

配当カバレッジ・レシオ:4.34

過去5年間の配当成長率:8.20%

EBITDA純有利子負債倍率:2.28倍

キャタピラー(CAT)のバリュエーションに関して

キャタピラー(CAT)の現在の株価である356.27ドルは、弊社算出の一株当たり本質的価値である295.37ドルより高い水準となっていることから、現在の同社の株価が割高である可能性を示唆している。

また、株価売上高倍率は2.7倍となっており、これは5年平均と10年平均を上回っており、売上高をベースとした場合に、同社の株価が割高である可能性を示している。

加えて、PEGレシオは1.6倍となっており、成長率に比べて同社の株価がやや割高である可能性を示している。

一方で、実績PERは16.08倍となっており、過去の平均に沿った水準となっている。

さらに、EV/EBITDA倍率は12.47倍と業界平均を下回っており、EBITDAをベースとした場合には、同社の株価が割安である可能性を示唆している。

全体として、キャタピラーは弊社算出の一株当たり本質的価値、株価売上高倍率、PEGレシオの観点ではやや割高だが、EV/EBITDA倍率の観点ではやや割安というのが現状である。

以上より、投資家はキャタピラーへの投資判断を下す前に、他の要因とともにこれらの指標を考慮すべきである。

キャタピラー(CAT)のリスクとリターンに関して

キャタピラー(CATのリスク評価分析では、投資家が投資決定を下す前に考慮すべきいくつかのポイントを取り上げたい

まずマイナス面では、PBRは10年ぶりの高水準に近く、株価が過大評価されている可能性を示している。

また、株価も10年来の高値に近く、さらなる成長余地が限られていることを示唆している。

さらに、株価売上高倍率は2年ぶりの高水準に近く、割高の可能性がある。

加えて、予想配当利回りも10年ぶりの低水準に近づいていることから、配当収入を求める投資家にとって同社株式の魅力が低下している可能性がある。

一方でプラス面では、ピオトロスキーFスコアは8となっており、非常に健全な財務状況を示していると言える。

また、ベニッシュMスコアは-2.63となっており、同社が利益操作を行っている可能性が低いことを示している一方で、同社の営業利益率は拡大している。

加えて、アルトマンZスコアは4.02で、同社の財務の健全性をさらに裏付けていると言える。

キャタピラー(CAT)のインサイダー(内部関係者)による売買に関して

キャタピラー(CAT)の過去12ヵ月間のインサイダーによる同社株式の取引に関しては、インサイダーによる同社株式の買い付け(2件)に比べ、インサイダーによる同社株式の売却(13件)が多いことが確認されており、同社インサイダーの間で、同社株式の今後の見通しに一定の警戒感がある可能性を示唆している。

ただし、インサイダーによる同社株式の保有比率はわずか0.95%である点にはご留意いただきたい。

また、これとは対照的に、機関投資家の同社株式の保有比率は54.95%と著しく高く、機関投資家が同社株式の大部分を保有していることを示している。

以上より、インサイダーによる取引活動のトレンド分析では、インサイダーが株式を購入するよりも売却する傾向が高いことが確認されており、これは潜在的にインサイダーによる同社の将来性への自信の欠如や、インサイダーが同社株式を割高であると認識していることを示している可能性がある。

しかし、機関投資家の保有比率が高いことは、外部投資家が同社に価値を見出していることを示唆している。

そのため、投資家は、キャタピラーへの投資判断を下す際には、他の財務指標とともにこれらの要因を考慮すべきである。

キャタピラー(CAT)の流動性に関して

キャタピラー(CAT)の直近営業日の一日当たり出来高は1,992,682株で、過去2カ月間の1日平均出来高は2,439,523株となっていることからも、同社株式には一貫した流動性があることを示唆していると言える。

また、同社株式のダークプール指数(DPI)は71.83%で、取引活動のかなりの部分がダークプールで行われていることを示している。

※ダーク・プール指数は、ダーク・プール(私設取引所)内において、同社株式がどの程度取引されているかを示すものであり、注目すべき指標の1つである。

この高水準のDPIは、同社株式の価格発見への透明性と市場全体の効率性に影響を与える可能性がある。

そして、この水準は、機関投資家がこの銘柄を積極的に取引していることを示唆している可能性がある。

また、ダーク・プールにおける流動性は同社株価の安定に寄与し、株価のボラティリティを低下させるとも言える。

全体として、上述の市場での出来高に基づくと、キャタピラーは健全な流動性のレベルを保持しているように見えるが、加えて、投資家はダークプールにおける同社株式の取引が同社の株価ダイナミクスに与える影響を考慮する必要があるだろう。