中立クラウドストライクすべて表示クラウドストライク(CRWD)の将来性:最新の2024年4Q決算と競争優位性分析を通じて、今後の株価見通しに迫る!
ドノヴァン・ ジョーンズ- 本稿では、クラウドストライク(CRWD)の最新の2024年度第4四半期決算発表と競争優位性分析を通じて、同社の今後の株価見通しと将来性を詳しく解説していきます。
- クラウドストライクは世界中の企業にサイバーセキュリティ・ソフトウェアとサービスを提供しているテクノロジー企業です。
- 同社は2024年3月5日に2024年度第4四半期決算を発表し、売上高の成長と営業利益の実現を報告しています。
- しかし、同社のバリュエーション水準は非常に高いことから、私の同社に対する短期的な見通しは「中立」としています。
クラウドストライク(CRWD)について
クラウドストライク(CRWD)は2024年3月5日、2024年第4四半期決算を発表し、売上高とコンセンサス利益の予想を上回っている。
同社はサイバーセキュリティ市場の主要プレーヤーであり、提供サービスと顧客基盤を拡大し続けている。
同社は力強い成長を遂げ、現在は営業利益を上げているが、現在の高いバリュエーションを正当化するのは難しい。
従って、私の同社株式への短期的な見通しは「中立」としている。
クラウドストライク(CRWD)の概要
クラウドストライク(CRWD)は、テキサス州オースティンに本社を置く米国のサイバーセキュリティ・テクノロジー企業であるが、創業者の経歴からシリコンバレーのイメージが強い。
同社は、エンドポイント、クラウドワークロード、アイデンティティ、データなど様々な領域にわたってクラウド経由でのプロテクションを提供し、SaaS(Software-as-a-Service)サブスクリプションモデルを通じてサービスを提供している。
同社を率いるのは、CEO兼共同創業者のジョージ・カーツ氏であり、彼は業界で28年以上の経験を持つセキュリティ専門家として知られている。
また、彼はサイバーセキュリティのトピックに関する著者や講演者としても知られており、同社の前には、Foundstoneを設立し、また、McAfeeで最高技術責任者(CTO)を務めていた。
クラウドストライク(CRWD)の市場と競争環境
世界のエンドポイント・セキュリティ市場は、2022年に124億6000万ドルと評価されている。 Fortune Business Insightsのレポートによると、2023年の136億ドルから2030年には257億1000万ドルに成長すると予測されている。
この成長が達成されれば、予測期間中の年平均成長率(CAGR)は9.5%となる。
クラウドストライク(CRWD)の競合企業とプロダクト
エンドポイント・セキュリティ市場では、複数の主要企業がさまざまな製品やサービスを提供している:
ブロードコム(AVGO:Symantec)、VMware(VMW)、マイクロソフト(MSFT)、シスコ・システムズ(CSCO)、McAfeeがこの分野の主要企業である。
その他の注目すべき企業には、HCL Technologies Limited、IBM(IBM)、トレンドマイクロ、パロアルトネットワークス(PANW)、Sophos Limited、AO Kaspersky Labなどがある。
製品やサービスは、従来のアンチウイルス・ソフトウェアから、より高度な脅威インテリジェンスやレスポンス・ソリューションまで多岐にわたる。
クラウドストライク(CRWD)を取り巻くトレンドと成長要因
人間中心のセキュリティ設計:コントロール管理における従業員の経験を重視し、サイバーセキュリティに起因する摩擦を減らす。
人材管理の強化:サイバーセキュリティの人材を引き付け、維持するために、人間中心の人材管理に重点を置く。
サイバーセキュリティ運用モデルの変革:テクノロジー業務の各事業部門への分散化に適応し、ビジネスの成果を重視する。
脅威露出管理:継続的脅威露出管理(CTEM)プログラムを通じて、複雑な攻撃対象領域を管理するための脅威評価手法を進化させる。
アイデンティティ・ファブリック・イミュニティ:アイデンティティ・インフラの脆弱性に対処し、新たな攻撃を防止する。
サイバーセキュリティの検証:サイバーセキュリティ検証のための自動化ツールを使用して、潜在的な脅威と脆弱性を評価する。
クラウドストライク(CRWD)の最近の財務動向
四半期別の総売上高(赤い列:Total Revenues)は目覚ましい増加を続けており、四半期別の営業利益(青い線:Operating Income)は直近の2四半期でプラスに転じている。
また、四半期別売上総利益(赤色の列:Gross Profit)は売上高とともに増加しており、四半期別販売費および一般管理費(青色の線:Selling General & Admin Expenses, Total)は最近の四半期で横ばいとなり、営業レバレッジが高まっていることを示している。
さらに、希薄化後1株当たり利益(EPS)は2023年第2四半期以降、顕著に増加している。
(上記グラフのデータはすべて百万USD単位・GAAPベース)
加えて、過去12ヶ月で、クラウドストライク(CRWD)の株価は131.7%上昇したのに対し、iシェアーズ・エクスパンデッド・テクノロジー - ソフトウェアETF(IGV)の上昇率は35.5%となっている。
クラウドストライク(CRWD)のバリュエーションとその他の指標
以下は、同社に関連するバリュエーションの表である。
指標 | 値 |
企業価値 / 売上高(予想) | 16.9 |
企業価値 / EBITDA(予想) | 65.6 |
株価売上高倍率(直近過去12か月) | 22.6 |
売上高成長率(予想) | 36.3% |
純利益率 | 2.9% |
EBITDAマージン | 3.5% |
時価総額 | $69,940,000,000 |
企業価値 | $67,290,000,000 |
営業キャッシュフロー | $1,170,000,000 |
実績EPS(直近過去12か月) | $0.37 |
予想EPS | $3.92 |
一株当たりフリー・キャッシュフロー(直近過去12か月) | $3.89 |
また、40%ルールとは、ソフトウェア業界の経験則であり、売上高成長率と営業利益率の合計が40%以上であれば、その企業は、ソフトウェア企業として、許容できる成長と営業利益率の軌道に乗っていることを示すものである。
下表のように、同社の直近の調整前40%ルールの計算値は、2024年第4四半期決算時点で39.8%であったため、同社はこの点で良好な業績を上げていると言える。
40%ルール・パフォーマンス(調整前) | 2024年第4四半期 |
売上高成長率 | 36.3% |
営業利益率 | 3.5% |
合計 | 39.8% |
クラウドストライク(CRWD)の見通し
クラウドストライク(CRWD)の直近の市場のアナリスト向けの決算電話会議では、経営陣の準備発言として以下の点が強調されている。
売上高成長
・24年度第4四半期の業績は、新規ARR(年間経常収益)が2億8,200万ドルと過去最高を記録し、前年同期比27%の伸びを示した。
・同社は、事業の大幅な加速傾向を強調し、市場でのリーダーシップを実証している。
・クラウドアイデンティティと次世代SIEMの最終ARRは8億5,000万ドルを超え、前年同期比で2倍以上となった。
コストと経費の変化
・営業利益率が前年比10ポイント増の25%と過去最高を記録し、効率的な事業運営とコスト管理を強調した。
キャッシュフロー
・フリー・キャッシュフローは過去最高を記録し、売上高の33%に達し、強力なキャッシュ創出能力を示した。
貸借対照表項目
・現金および現金同等物、短期投資は過去最高の34億7000万ドルに増加し、強固な財務状況を反映している。
海外市場
・海外市場からの売上高は、ヨーロッパ、中東、アフリカが約16%、アジア太平洋地域が10%、その他の市場が6%で、多様なグローバルプレゼンスを示している。
経営陣は、同社の24年度第4四半期の優れた業績を強調し、特に、ARR成長の加速、営業利益率の拡大、強力なキャッシュフローを強調した。
同社が戦略的に注力しているプラットフォームの統合と技術的リーダーシップは、過去最多の大型案件を含む印象的な取引指標に反映されている。
経営陣は、同社のプラットフォームの競争優位性と革新性を挙げ、厳しいマクロ環境にもかかわらず、2025会計年度も成長の勢いを維持することに自信を示した。
売上高ガイダンスとトレンド
・2025年度第1四半期について、同社は総売上高を9億220万ドルから9億580万ドルの範囲と予想しており、継続的な成長を示している。
・2025年度通期の総売上高予想を39億ドルから39億9,000万ドルの範囲とし、前年度比28%から31%の成長率を見込んでいる。
そして、私の割引キャッシュフローモデルによる計算と市場の現在のバリュエーション倍率に基づけば、同社の株式のアップサイドは既に十分に評価されているように見える。
同社は力強い成長を遂げ、現在営業利益を上げているが、企業価値 / 売上高(予想)が16.9倍と、企業向けソフトウェア企業の中央値を大きく上回る現在の高いバリュエーションであることを踏まえると、同社株式を現在の価格で購入することを正当化するのは難しいと考える。
以上より、当面のクラウドストライク(CRWD)に対する私の見通しは「中立」としている。
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