中立デル・テクノロジーズ クラスCデル・テクノロジーズ(DELL)予想配当利回り1.2%:最新の2025年1Q決算速報&財務分析と今後の株価見通し・将来性
- デル・テクノロジーズ(DELL:予想配当利回り1.2% / 配当性向22%)は、幅広い情報技術ベンダーであり、プレミアム・パソコンと企業向けオンプレミス・データセンター・ハードウェアに注力している。
- 2025年度第1四半期の決算では、EPSが前四半期より減少したが、長期的にはテクノロジー製品とサービスの需要増加が成長を牽引すると予想されている。
- 過去5年間のROICはWACCを下回っており、資本コスト以下のリターンが続いているため、資本配分と株主への価値創造に注意が必要である。
デル・テクノロジーズ(DELL)の概要
セクター:ハードウェア
現在の株価:149ドル
時価総額:1,057.9億ドル
弊社算出の一株当たり本質的価値:26.81ドル
安全マージン:-456.31%
過去5年間の配当成長率:0.00%
次回配当落ち日:2024年7月23日
次回配当支払い日:2024年8月2日
予想配当利回り:1.2%
過去5年間の売上高成長率:1.30%
過去10年間の売上高成長率:0.00%
デル・テクノロジーズ(DELL:予想配当利回り1.2% / 配当性向22%)は幅広い情報技術ベンダーで、主にプレミアム・パソコンと企業向けオンプレミス・データセンター・ハードウェアに注力している。
加えて、主力市場であるパソコン、周辺機器ディスプレイ、メインストリームサーバー、外付ストレージでトップ3のシェアを持つ。
同社は垂直統合型企業であるが、部品・組立パートナーとの強固なエコシステムを有しており、また、チャネルパートナーに大きく依存している。
そして、同社は2024年5月30日に2025年度第1四半期決算を発表している。
デル・テクノロジーズ(DELL)の収益と成長に関して
デル・テクノロジーズ(DELL)の2025年度第1四半期決算において、非経常損益項目を除くベースでのEPS(EPS without NRI)は1.27ドル、希薄化後EPSは1.32ドルとなっており、前四半期のそれぞれ2.2ドルと1.642ドルと比較して減少しているが、1株当たり売上高は30.597ドルとほぼ横ばい(前四半期:30.57ドル)となっている。
一方で、今後10年間の業界の成長予測はポジティブで、テクノロジー製品とサービスに対する需要の増加が同社の成長を牽引すると予想されている。
以上より、デル・テクノロジーズの直近四半期の業績は、いくつかの課題を反映しているものの、長期的には業界のトレンドから恩恵を受けることができる好位置にあると見ている。
デル・テクノロジーズ(DELL)の財務パフォーマンスに関して
デル・テクノロジーズ(DELL)の業績は、投下資本利益率(ROIC)と加重平均資本コスト(WACC)に基づいて評価できる。
過去5年間、同社のROICは平均4.53%で、WACCの4.97%を下回っており、これは同社が資本コスト以下のリターンを得てきたことを示している。
さらに、過去10年間のデータを比較すると、同社のROICは平均6.71%で、過去10年間ベースではWACCの平均である4.96%を上回っている。
そのため、過去10年間というやや長い期間で見た際には、ROICがWACCを上回っており、同社が長期にわたってプラスの経済価値を生み出すために資本を効果的に配分してきたことを示唆しているが、足元、この状況がやや悪化している点には注意が必要である。
さらに、同社の自己資本利益率(ROE)は非常に不安定で、大幅にプラスの%であることもあれば、大幅にマイナスの%の年もある等、長年にわたって大きな変動を示している。
こうした変動は、収益性や資本活用の効率性が様々なレベルで変化し続けていることを示しているのかもしれない。
全体として、足元のデル・テクノロジーズのWACCを下回るROICは、効果的な資本配分と株主への価値創造という点で注意が必要であることを示唆している。
デル・テクノロジーズ(DELL)の配当に関して
デル・テクノロジーズ(DELL)の過去5年間、並び、過去3年間の配当成長率は低迷しており、成長率はマイナスのトレンドとなっている。
また、同社のEBITDA純有利子負債倍率は2.98倍で、理想的な基準値である2倍を上回っている点はネガティブだが、一般的にはまだ許容範囲内であると言えるだろう。
加えて、予想配当利回り%は1.2%となっており、投資家への配当を通じたリターンが控えめであることを示している。
同社の配当パフォーマンスをセクターと比較すると、同社の配当性向は22%と比較的低く、将来、さらなる配当成長の余地があることを示唆しているようにも見える。
さらに、予想配当利回りは過去10年間で変動があり、最高値は3.59%、最低値は0.65%となっている。
直近の四半期では、同社は1株当たり0.445ドルの配当を支払い、一貫した配当支払いの傾向を続けている。
全体として、デル・テクノロジーズの配当成長は停滞しており、さらに、EBITDA純有利子負債倍率で示される同社の財務の健全性は、一部の投資家にとっては懸念事項と見なされるかもしれない。
予想配当利回り:1.2%
配当性向:22%
配当カバレッジ・レシオ:3.18
過去5年間の配当成長率:マイナス
EBITDA純有利子負債倍率:2.98倍
デル・テクノロジーズ(DELL)のバリュエーションに関して
デル・テクノロジーズ(DELL)の現在の株価は149.15ドルとなっており、弊社算出の一株当たり本質的価値である26.81ドルより大幅に高い水準となっている。
また、実績PERは30.12倍で、株価売上高倍率は1.22となっており、同社株価が利益と売上高と比較して、相対的に割高であることを示している。
さらに、EV/EBITDA倍率も14.67倍と業界平均より高く、潜在的な収益力に比べて割高である可能性を示唆している。
加えて、PEGレシオは42.08倍となっており、また、株価フリー・キャッシュフロー倍率は20.76倍となっており、同社が割高である可能性をさらに裏付けている。
しかし、予想PERは17.72となっており、同社株価が、今後、さらに成長する可能性があることを示唆しており、この点では、バリュエーション面でもそこまで割高ではないように見える。
一方で、過去5年平均や10年平均と各バリュエーションを比較すると、同社の現在のバリュエーションは概ね割高で取引されているように見える。
以上より、デル・テクノロジーズへの投資を検討する際には、上述の高水準にあるバリュエーションに注意を払い、より魅力的なエントリー・ポイントを待つことを検討すべきであろう。
デル・テクノロジーズ(DELL)のリスクとリターンに関して
デル・テクノロジーズ(DELL)のリスク評価分析では、主に投資家が投資決定を下す前に考慮すべきいくつかのポイントを取り上げたい。
まずマイナス面では、同社の現在の税率は低く、一時的に利益を押し上げている可能性がある点には注意が必要である。
さらに、同社の売上総利益率は年平均-3.2%で低下しており、収益性への懸念が高まっている。
また、インサイダーによる同社株式の売却の動きは顕著で、過去3ヵ月間に14件のインサイダーによる同社株式の売却が確認されており、合計で11,849,929株が売却されている。
加えて、同社の一株当たり売上高は減少傾向にある一方で、株価は10年ぶりの高水準に迫ろ、株価売上高倍率も10年ぶりの高水準に近づいており、潜在的な割高感を示している。
そして、投下資本利益率は加重平均資本コストを下回っており、資本配分の非効率性を示唆しており、さらに、予想配当利回り(1.2%)も1年ぶりの低水準に近くなっている。
一方でプラス面では、ピオトロスキーのFスコアが7となっており、同社の健全な財務状況を示し、ベニッシュのMスコアが-2.83であることからも、同社が利益操作を行っている可能性が低いことを示唆している。
デル・テクノロジーズ(DELL)のインサイダー(内部関係者)による売買に関して
デル・テクノロジーズ(DELL)のインサイダー取引データに基づくと、過去12ヶ月間、インサイダーによる同社株式の売却取引が40件あった一方で、インサイダーによる同社株式の買い付けは0件となっており、インサイダーによる売却活動がかなり活発であることが分かる。
このように売りが多いということは、同社の取締役や経営陣を含むインサイダーが利益確定を行っているか、或いは、同社の将来の業績に懸念を抱いている可能性があると言える。
ただし、インサイダーによる同社株式の保有比率は4.78%と比較的低い点にはご留意いただきたい。
一方、機関投資家の同社株式の保有比率も15.45%と、他の大手テクノロジー企業と比較して低水準となっている。。
全体として、インサイダーによる同社株式の売却トレンドとインサイダーによる同社株式の保有比率の低さは、投資家にいくつかの警戒フラグを提起し、インサイダーが同社の将来の成長見通しに対して、前向きに見ていない可能性を示唆している。
デル・テクノロジーズ(DELL)の流動性に関して
デル・テクノロジーズ(DELL)は、直近営業日の1日の出来高が33,000,113株と高く、同社株式における多くの流動性と取引活動を示している。
また、過去2ヶ月の1日平均出来高は13,859,385株で、この銘柄に対する一貫した流動性があることを示している。
また、同社株式のダークプール指数(DPI)は36.76%で、取引活動の一定の割合がダークプールで行われていることを示している。
※ダーク・プール指数は、ダーク・プール(私設取引所)内において、同社株式がどの程度取引されているかを示すものであり、注目すべき指標の1つである。
この高水準のDPIは、同社株式の価格発見への透明性と市場全体の効率性に影響を与える可能性がある。
そして、この水準は、機関投資家がこの銘柄を積極的に取引していることを示唆している可能性がある。
また、ダーク・プールにおける流動性は同社株価の安定に寄与し、株価のボラティリティを低下させるとも言える。
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