やや強気ドラフト・キングスドラフトキングス(DKNG)目標株価は65ドル!最新の2024年第1四半期決算は好調で今後の株価見通しに期待?

- 本稿では、注目の米国グロース企業であるドラフトキングス(DKNG)の最新の2024年度第1四半期決算分析を通じて、同社の目標株価、並びに、今後の株価見通しと将来性を詳しく解説していきます。
- 2024年5月2日に発表された最新の決算では、前年同期比53%増という堅調な売上高成長を達成している一方で、同社のフリー・キャッシュフローは改善しつつあり、2024年には魅力的な成長率が見込まれています。
- 規制環境や競争環境という課題に直面しているが、ファンダメンタルズとバリュエーションの観点からは堅実な投資対象に見えることから、私の同社株式に対する目標株価は65ドルとしています。
ドラフトキングス(DKNG)への投資に関して
ドラフトキングス(DKNG)は、2024年度第1四半期決算発表において、非常に強い業績を報告している。
ただし、株式市場は同社の2024年度第2四半期が第1四半期から減速する見込みであることに加え、四半期ベースのキャッシュフローが減少したことをマイナスと捉えているように見える。
しかし、私は同社がフリー・キャッシュフローを大幅に増加させる可能性があり、且つ、2024年に期待される同社の成長率は非常に魅力的であるように見える。
そのため、私の同社株式の目標株価は、2025年半ばまでに65ドルと見ている。
インフレクション投資におけるドラフトキングス(DKNG)に関する重要な文脈
以下の文章は、私の前回の分析からの抜粋である。
「2月16日、決算報告を受けて株価が10%下落したため、ドラフトキングスが2025年夏までに65ドルに達するという私の見通しに懐疑的な人々は多かったように思える。しかし、私は引き続きその主張を支持している。 ここで大切なポイントは、同社の顧客導入曲線と増加するフリー・キャッシュフローを分析することである。」
これは、私が継続的に繰り返している私のインフレクション投資における基本原則である。
こちらも繰り返しとなるが、インフレクション投資とは、成長ストーリーが変わりつつある銘柄に投資をすることである。
そして、ここで重要な点は、このような成長ストーリーが変わりつつある銘柄への投資には少し長い目で見ることであり、理想的には12カ月程度の時間は要すると見ている。
しかし、シナリオは一度では全て変わらず、時代遅れの古いシナリオが再浮上する可能性がある点には注意が必要である。
なぜドラフトキングス(DKNG)なのか?なぜ今なのか?
ドラフトキングス(DKNG)はオンライン・スポーツ・ベッティングとゲーム・サービスを提供している。
ウェブサイトやアプリを通じて、人々がスポーツイベントにベットしたり、カジノゲームや宝くじスタイルのゲームなど様々なゲームをプレイしたりする手助けをしている。
そして、同社は新規顧客の獲得と既存顧客の維持に注力している。
また、人々が同社のプラットフォームを利用し、賞品を獲得するための新しく、より良い方法を常に考え出そうとしている。
同社は、2024年度第1四半期に前年同期比53%増という大幅な増収を達成し、堅調な売上高成長を示している。
この成長は、効率的な顧客獲得、既存顧客とのエンゲージメントの強化、スポーツブック保有率の向上、プロモーション戦略の最適化によってもたらされている。
さらに、同社がバーモント州やノースカロライナ州といった新市場への進出に成功したことは、人口普及率に合わせて効果的に地域に浸透し、顧客を獲得する能力を示している。
加えて、同社は製品の革新と顧客中心のアプローチに重点を置いており、同社のプラットフォーム全体で強力な顧客維持力を生み出している。
そして、直近、私は下記の様に述べている。
「ドラフトキングスは季節的なビジネスである。つまり、第4四半期が最も好調な四半期となることが多く、次いで第1四半期が不調となる傾向にある。とはいえ、同社のプラットフォームには毎月約350万人のユニーク・ペイヤー(料金支払者)が存在し、この数字は時間の経過とともに増加し続けている。 そのため、もしフリー・キャッシュフローも同様に増加しているのであれば、同社にとって各ペイヤーの収益性が高まっている可能性も期待される。」
上図の通り、平均月間ペイヤー数は前年同期比21%増となっている。
これは素晴らしい内容であり、同社のベッティング・プラットフォームに対するペイヤーの一貫した高い需要を反映していると言える。
しかし、有望な見通しとは裏腹に、同社は重要な課題にも直面している。
主な課題は、ゲーミング業界を取り巻く規制の状況であり、特に責任あるゲーミング慣行に関するものである。
同社が新たな市場に進出する際には、複雑な規制要件を乗り越え、責任あるゲーミング基準の遵守を徹底しなければならない。
その上、同社は、急速に進化する消費者の嗜好を特徴とする競争の激しい市場で事業を展開している。
そのため、競争力を維持するためには、ベッター(賭け事をする人)のエンゲージメントを高めるマーケティング戦略に投資し続けなければならない。
このような背景を踏まえ、同社のファンダメンタルズについて説明していきたい。
ドラフトキングス(DKNG)の2024年の売上高成長率:37%の年平均成長率
市場は、ドラフトキングス(DKNG)の2024年第2四半期が2024年第1四半期に比べて大幅に減速すると予想されていることを好ましく思っていないが、なぜだろうか?
昨年、2023年度第2四半期、同社は前年同期比88%増の着地となっていた。
そのため、言うまでもなく、その期間の業績と比較することは非常にチャレンジングなことであると言える。
ただし、私は数週間もすれば市場はこの問題を乗り越えるだろうと見ている。
夏が終わる前には、市場の投資家は2025年度の業績を考えるようになり、2024年第2四半期が必ずしも良好な見通しを示していいないという事実は忘れ去られるだろうと見ている。
ここでのダウンサイド・リスクとしては、同社の足元の上昇は純粋な成長ストーリーにより支えられているため、成長率が年平均成長率である30%を下回り始めると、市場の投資家は不安になるかもしれない。
しかし今のところ、その懸念はすでに株価に織り込み済みであると見ている。
また、私の同社への強気な理由として、同社の成長率だけに焦点を当てているわけではない。
つまり、同社がフリー・キャッシュフローを大幅に増やし始めると、足元のバリュエーションが非常に魅力的であることを踏まえると、今後1年以内に投資家の同社に対する見方が変わる(あるいは成長ストーリーが更新される)のではないかと見ている。
ドラフトキングス(DKNG)のバリュエーション:将来フリー・キャッシュフローの42倍
直近、私は下記の様に述べている。
「そこで、私の簡単な計算を紹介したい。ドラフトキングス(DKNG)は、2024年に5億1,000万ドルのEBITDAをガイダンスのレンジの上限として公表している。同社は一貫して収益性予想を上方修正する傾向があることから、この数字もさらに上方修正される可能性があると見ている。しかし今は、2024年のEBITDAを5億1,000万ドルとしておこう。」
「さらに、2024年の同社の設備投資額は約1億2000万ドルと推定する。このことから、同社のフリー・キャッシュフローは2025年初頭には、フォワード・ラン・レートとして、4億5,000万ドルから4億8,000万ドルとなることが想定される。」
「私のフリー・キャッシュフロー予想は、特にJackpocketの買収と統合が完了すれば、今後数四半期でさらに上方修正される可能性もあるだろう。しかし、私は今のところ、安全マージンを残すためにこの見積もりに固執するつもりである。その後、2024年における見通しがよりはっきりしてくれば、私はいつでも情報修正することができる。」
私の予想通り、ドラフトキングスはEBITDA予想を上方修正した。
同社は現在、2024年には、EBITDAのガイダンスの上限である5億4,000万ドルを達成できる可能性があると見ている。
その結果、2025年初頭には、フォワード・ランレートとして、同社は5億ドルのフリー・キャッシュフローに達する可能性があると私は考えている。
つまり、同社の株価はフリー・キャッシュフローの42倍ということになる。
そして、表面的には、これは割高なバリュエーションに思えるかもしれない。
しかし、同社は年平均成長率30%台で成長していることからも、この事業がまだ高成長期の企業であることを考慮していただきたい。
そのため、このような高い成長率を考慮すると、少なくとも年平均成長率が20%以下に減速し始めるまでは、この事業が収益性の最大化に取り組むことは単純に意味をなさないと言える。
今のところ、同社は市場シェアを最大化し、多くのプレーヤーを同社のプラットフォームに取り込むために全力を尽くすべきだろう。
その一方で、同社は、経営陣が成長への取り組みにある程度慎重であることを確認するためにも、一定のフリー・キャッシュフローがボトムライン(最終利益)として現れるようにすることも必要であろう。
ドラフトキングス(DKNG)に対する結論
結論として、ドラフトキングス(DKNG)は、市場の投資家が足元では同社株式に熱狂していないかもしれないが、堅実な投資先であるように見える。
2024年第2四半期に予想される減速は懸念を生じさせるかもしれないが、2024年に関しては、同社の大幅なフリー・キャッシュフローと魅力的な成長率に向けた軌道は、同社の長期的な可能性を強調していると言える。
投資家としては、特に有望なバリュエーション指標と、市場拡大と顧客エンゲージメントへの継続的な注力により、同社に有利な幅広いシナリオが進行中であることを見失うべきではないだろう。
以上より、私の同社株式に対する目標株価は65ドルとしている。