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08 - 04 - 2024

やや強気
ドラフト・キングス
やや強気
ドラフトキングス(DKNG)の予想フリー・キャッシュフローの27倍という足元のバリュエーションは割安に見える。
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ドラフトキングス(DKNG)の今後の株価見通し:最新の2024年第2四半期決算は予想上回るも株価急落で割安?

マイケル・ウィギンズ・ デ・オリベイラマイケル・ウィギンズ・ デ・オリベイラ
  • 本稿では、注目の米国グロース企業であるドラフトキングス(DKNG)の最新の2024年度第2四半期決算分析を通じて、同社の目標株価、並びに、今後の株価見通しと将来性を詳しく解説していきます。
  • 同社の株価は高い税率を課す州の影響を受けていますが、30%以上の年平均成長率を誇る企業としては割安に映り、実際に、予想フリー・キャッシュフローの27倍というバリュエーションで評価されています。
  • 同社の売上高成長率は大幅に上方修正されており、将来の見通しも明るいことから、私の同社株式の目標株価は1株あたり「65ドル」としています。

ドラフトキングス(DKNG)に関して

ドラフトキングス(DKNG)は、高税率の州がもたらす影響に関するネガティブな話題に苦しんでいる銘柄です。

このため、典型的な株式市場の不確実性が同社の株価バリュエーションに悪影響を及ぼしています。

透明性を保つためにお伝えしますが、私は2023年11月3日にこの銘柄をモデル・ポートフォリオに組み入れました。

ただし、この株は非常に変動が激しく、期待したほどのリターンを得られていません。

また一方で、私は特定のコミットメントや一貫したバイアスにとらわれていません。

この銘柄の見通しが圧倒的に良いと思えない場合には、正直にその旨をお伝えし、ポートフォリオから外すという決断も下します。

しかし、私は継続して同社株式が割安であると見ています。

2025年を見据えると、この株は年率30%以上の成長を遂げながら、27倍の予想フリー・キャッシュフローで評価されています。

そして、私は、同社株式は2025年夏までに1株あたり65ドルに達すると見ています。

2024年8月2日に発表された同社の最新の2024年度第2四半期決算と合わせて、その理由を説明していきます。

ドラフトキングス(DKNG)の短期的な見通し

ドラフトキングス(DKNG)が、ベッティング(賭博)事業を営む企業への課税を50%に引き上げた州において利益を出せないというニュースが多く流れていました。

このことは2024年を通じて同社の株価に重くのしかかっていました。

しかし、同社の2024年度第2四半期決算における、最新の2025年ガイダンスでは、この問題がすでに考慮されているだけでなく、現在の見通しは非常に魅力的であるように見えます。

ガイダンス:企業が投資家や市場に対して提供する業績予測のこと。通常、売上高や利益、調整後EBITDAなどの数値目標を含み、将来の業績に関する期待を示すもの。企業はガイダンスを通じて、今後の事業計画や市場状況に基づく収益見通しを提供し、投資家がその企業の成長可能性や財務健全性を評価するための参考にする。ガイダンスは、企業の四半期または年度決算発表時に提供されることが一般的である。

にもかかわらず、市場の投資家たちはこの株に対してまだ疑念を持っているようですが、その見方も間もなく変わると見ています。

私はこれらの話題の代わりに、以下の2つの点に特に注目しています。

・有料顧客の需要曲線

・増加するフリー・キャッシュフローの数字(詳細は後ほど)

例えば、以下に示すように、同社の月間ユニークペイヤーは前年比で48%増加しています。

ユニークペイヤー:特定の期間においてサービスを利用し、実際にお金を支払った一意のユーザーの数を指す。ここで「一意」とは、同じユーザーが複数回支払った場合でも、重複を排除して1人としてカウントされることを意味する。例えば、ある月にゲームをプレイし課金したユニークペイヤー数が10万人であれば、その月に10万人の異なるユーザーがそのゲームに対して実際に支払いを行い、利用したことを示している。この指標は、実際の収益に直接影響を与える顧客の数を把握し、ビジネスの収益性や成長を評価する上で重要な指標である。

※Average Monthly Unique Payers (MUPs):平均月間ユニークユーザー数

※(in millions):百万単位

この数字にはJackpocketのデータも含まれており、その結果として通常よりも好調な期間となりました。

しかし、同社の利用者がそのプラットフォームを非常に気に入っていることには変わりありません。

Jackpocket:アメリカで提供されている宝くじ購入のモバイルアプリケーションで、ドラフトキングスが2024年に買収。このアプリを使うことで、ユーザーは自分のスマートフォンを通じて公式の宝くじを購入することができる。Jackpocketは、手軽に宝くじを購入し、管理することができる便利なプラットフォームとして人気を集めている。また、利用者はアプリ上で当選結果を確認したり、小額の当選金を直接アプリ内のウォレットに受け取ることもできる。

私たちのプラットフォームにおけるユニーク顧客数は増加

この状況を踏まえ、同社の財務状況を詳しく見ていきましょう。

ドラフトキングス(DKNG)の売上高:売上高成長率を再び上方修正

ドラフトキングスの売上高成長率

ドラフトキングス(DKNG)は、2024年の売上高ガイダンスを700ベーシスポイント(7%)も上方修正しており、この数字には驚かされます。

同社は現在、年間50億ドル以上の売上高を上げており、急成長しています。

私には、同社がほぼ毎四半期ごとに売上高見通しをわずかに上方修正しているように見えます。

しかし、2024年の途中でこれほど大幅に見通しを引き上げたことは、2024年に前年比45%の売上高成長を最終的に達成できるのかどうかを考えさせられます。

さらに、2025年に目を向けると、同社が2025年に前年比30%成長する可能性が非常に高いと考えています。

もしかしたら楽観的すぎるかもしれませんが、市場のアナリストの売上高コンセンサス予想を見てみると、これらの予想は非常に低く、上方修正の余地があると感じています。

売上高コンセンサス予想:特定の企業の将来の売上高について、複数のアナリストが独立して行った予測の平均値または中央値を指す。この予想は、企業の成長見通しを評価するために使われ、投資家や市場参加者がその企業の業績を評価する際の参考になる。コンセンサス予想は、アナリストが公開するレポートや金融データベースを基に集計され、企業の株価に影響を与えることがある。

現時点では、市場のアナリストたちは同社の2025年の売上高が年平均成長率(CAGR)20%で成長すると予想しています。

しかし、この成長率は、同社の全体的な見通しを考えると低すぎると感じています。

このような理由を考慮し、同社のバリュエーションについて解説していきます。

ドラフトキングス(DKNG)のバリュエーション:予想フリーキャッシュフローの27倍

ドラフトキングス(DKNG)は2024年の調整後EBITDA目標を5億ドルから約4億ドルに下方修正しました。

その理由には、高税率環境、新たに取得したJackpocketのワシントンでの立ち上げ、そして顧客獲得コストの増加が含まれています。

2024年度の更新後のガイダンスと以前の2024年度のガイダンスの比較(単位:百万ドル)

※FY 2024 Guidance Provided 5/2/2024:2024年度のガイダンス(2024年5月2日提供)

※Illinois Tax Rate Increase:イリノイ州の税率引き上げ

※Unfavorable Sport Outcomes:スポーツ関連の不利な影響

※Jackpocket and Launching OSB in Washington D.C.:JackpocketとOSB(オンラインスポーツベッティング)のワシントンD.C.での開始

※Stronger Customer Acquisition, Retention and Engagement:顧客獲得、維持、エンゲージメントの強化

※FY 2024 Guidance Provided 8/1/2024:2024年度のガイダンス(2024年8月1日提供)

※Revenue:売上高

※Ads. EBITDA:調整後EBITDA

同社は、調整後EBITDAのガイダンスとして掲げた4億ドルが、約2億8,000万ドルのフリー・キャッシュフローに相当すると考えています。

EBITDAからフリーキャッシュフローへの転換率は70%です。

さらに、同社は2025年に約9億5,000万ドルのEBITDAを達成すると見込んでいます。

詳細は以下をご覧ください。

2025年度の調整後EBITDA:9億ドル~10億ドルになると引き続き予想

同じフリーキャッシュフローマージンを適用すると、2025年には約6億7,000万ドルのフリーキャッシュフローに相当します。

従来、私は、2025年初頭には、同社が年間ベースで5億ドルのフリー・キャッシュフローを生み出す可能性があると考えていました。

これにより、同社の株価は予想フリー・キャッシュフローの40倍に評価されていることになっていました。

一見すると、このバリュエーションは強気に見えるかもしれません。

しかし、同社は前年比35%以上という非常に速いペースで成長を続けていました。

そして、期待していた通り、私の予測は非常に控えめなものだったようです。

実際、同社の足元のガイダンスによれば、同社の現在のバリュエーションは予想フリー・キャッシュフローの27倍となっています。

そして、年平均成長率が33%以上であることを考えると、同社は割安である様に見えます。

また、同社のバランスシートには約4億ドルの純負債がありますが、事業は明らかにフリー・キャッシュフローを生み出しているため、経営陣はフリーキャッシュフローの最良の使い道として自社株買いを行うことを決定しました。

現在、10億ドルの自社株買いが発表されています。

これにより、同社の株価は私の目標株価である1株あたり65ドルに近づく可能性があると見ています。

ドラフトキングス(DKNG)への結論

結論として、ドラフトキングス(DKNG)の予想フリー・キャッシュフローの27倍という足元のバリュエーションは割安に見えます。

特に最近の進展として、経営陣は売上高成長率のガイダンスを700ベーシスポイント(7%)引き上げ、前年比43%にしたことで、将来への強い自信を示しています。

さらに、10億ドルの自社株買いの発表は、同社の価値に対する経営陣の信念を裏付けているように見えます。

これらの説得力のある要因から、今後、私は同社が大きく成長すると見ており、目標株価を1株あたり「65ドル」としてます。

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