pizza with green leaf on brown wooden table
11 - 20 - 2024

中立
ドミノ・ピザ
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ドミノ・ピザ(DPZ)の現在の株価は439.80ドルで、弊社算出の一株当たり本質的価値である420.31ドルよりもわずかに高い水準にあり、安全余裕率(マージン)が-4.64%となっていることから、わずかに割高である可能性が示唆されています。
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ドミノ・ピザ(DPZ)の将来性とは?最新の2024年度第3四半期決算と配当推移の分析を通じて、今後の株価見通しに迫る!

イアニス・ ゾルンパノスイアニス・ ゾルンパノス
  • 本稿では、注目の配当銘柄であるドミノ・ピザ(DPZ・予想配当利回り1.39%・配当性向35%・1株当たり配当金1.51ドル)の2024年10月10日に発表された最新の2024年度第3四半期決算と配当推移を詳細に分析していきます。 
  • そして、それらの分析を通じて、「ドミノ・ピザ株は買うべきか?」という疑問に答えるべく、今後の株価見通しと将来性を詳細に解説していきます。
  • ドミノ・ピザは世界的に20,600店舗以上を展開するピザチェーンで、売上や営業利益率の安定した成長を通じて業界リーダーとしての地位を確立しています。 
  • 予想配当利回りは1.39%と控えめですが、配当性向が35%と低いため、今後の増配が期待できる一方、債務の割合が高いため長期的な配当の安定性には注意が必要です。 
  • 一方で、ROICがWACCを大幅に上回っており、資本を効率的に運用していることから、ドミノ・ピザは財務面での健全性が高く、株主価値の向上に注力していると評価されています。

ドミノ・ピザ(DPZ)の概要


レーティング:中立

バリュエーション:フェアバリュー並み

リスクレベル:中リスク


セクター:レストラン

現在の株価:439ドル

時価総額:151.9億ドル

弊社算出の一株当たり本質的価値:420.31ドル

安全余裕率(マージン):-4.63%

過去5年間の配当成長率:17.70%

次回配当落ち日:2024年12月13日

次回配当支払い日:2024年12月27日

予想配当利回り:1.39%

過去5年間の売上高成長率:10.80%

過去10年間の売上高成長率:16.90%


関連用語

安全マージン(Margin of Safety):株式の本質的価値(本来の価値)とその市場価格との間にある差のこと。投資家はこの差を利用して、予想が外れた場合や市場の変動によるリスクを軽減するための「安全な余裕(マージン)」を確保する。例えば、本質的価値が100円の株が市場で80円で取引されている場合、その20円の差が安全マージンとなる。この差が大きいほど、投資のリスクが低くなるとされている。

売上高成長率:企業の売上高が前年と比べてどれだけ増加したかを示す割合で、企業の成長スピードや市場での競争力を評価するための指標。一般的にプラス成長が望ましく、高いほど企業の成長力が強いと言える。


足元の株価推移

(出所:筆者作成)

ドミノ・ピザDPZ・予想配当利回り1.39%・配当性向35%・1株当たり配当金1.51ドル)は、アメリカのミシガン州アナーバーに本社を構える、世界的に展開するピザチェーン企業です。

ドミノ・ピザは、フランチャイズモデルを採用し、直営店舗とフランチャイズ店舗の両方を運営することで、ピザを中心にウィングやサラダ、デザートなど多様なメニューを提供しています。

2023年末時点で90以上の国と地域に20,600店舗以上を展開し、ピザ市場におけるリーダーとしての地位を確立しています。

同社のビジネスの特徴として、直近12カ月で営業利益率が拡大し、1株当たり売上も安定した成長を見せるなど、効率的な運営が続いています。

さらに、アルトマンのZスコアやピオトロスキーのFスコアが高い点からも、財務の健全性と支払い能力が強調され、信頼性の高い企業といえます。

配当については、四半期ごとに支払われており、最新の配当は1株当たり1.51ドルでした。

予想配当利回りは1.39%と控えめですが、配当性向が35%と低く、今後の増配余地があることから、長期的な配当株としての魅力があります。

ただし、負債の割合がやや高めであるため、配当の安定性を考慮する上では留意が必要でしょう。

そして、同社は20241010日に2024年第3四半期決算を発表しており、下記では同社の最新の決算と財務パフォーマンス、並びに配当推移を詳しく分析していきます。

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ドミノ・ピザ(DPZ)の最新の2024年度第3四半期決算発表に関して

ドミノ・ピザDPZ20241010日に発表された、最新の2024年度第3四半期決算発表では、非経常損益項目を除くベースでのEPSは4.19ドルを記録し、前四半期の4.03ドルからわずかに増加しており、前年同期の4.18ドルも僅かに上回る結果となりました。

売上は1株当たり30.826ドルと安定しており、前四半期の31.164ドルを下回ったものの、前年同期の29.057ドルを上回っています。

一方で、長期的なパフォーマンスを見ると、同社株の非経常損益項目を除くベースでのEPSの過去5年間の年平均成長率(CAGR)は10.80%、過去10年間の年平均成長率は21.40%となっており、中長期的にも一定の成長を実現していることが分かります。

業界全体でも今後10年で年間3〜5%程度の成長が見込まれ、ドミノ・ピザの事業には堅実な成長基盤があると考えられます。

粗利率は39.05%と、過去5年の中央値38.73%を上回り、過去10年間での最高水準を記録しました。

これは、コスト管理や価格戦略が効果的に機能していることを示しています。

また、同社は自社株買いも継続して行っており、直近1年の自社株買い比率は1.00%となっており、発行済株式の1%を買い戻しています。

この戦略によって発行株式数が減少し、1株当たり純利益(EPS)が押し上げられ、株主価値の向上につながっています。

そして、過去10年の平均自社株買い比率は5.00%で、株主還元に力を入れている姿勢がうかがえます。

今後の見通しとして、2025年12月の売上高は50億3655万ドル、2026年12月には53億8724万ドルに達すると予想されています。

また、来期のEPSは16.641ドル、その翌年には17.699ドルに増加すると予測されており、ドミノ・ピザの戦略や市場での地位に対する期待が反映されています。

次の決算発表は2025年2月26日に予定されており、同社の成長や財務状況に関するさらなる情報が注目されています。

非経常損益項目を除くベースでのEPS

(年間ベース:直近4四半期の合計値

(出所:筆者作成)


関連用語

EPS(Earnings Per Share、1株当たり利益):企業が一定期間内に得た純利益を、その期間中に発行されている株式の総数で割った値のこと。EPSは、株主が1株あたりどれだけの利益を得たかを示す指標であり、企業の収益力を評価する際によく用いられ、EPSが高いほど、一般的にはその企業が効率的に利益を上げていると判断される。

非経常損益項目を除くベースでのEPS(EPS without NRI):非経常的な収益や費用(例: 一時的な訴訟費用や災害損失)を除いた後の1株当たりの利益(EPS)。これにより、通常の業績をより正確に反映することが可能。

希薄化後EPS:既存株主にとって、潜在的に新しい株式が発行された場合(例: ストックオプションや転換社債の行使)に、1株あたりの利益(EPS)がどの程度薄まるかを考慮したもの。

1株当たり売上高:企業の総売上高を発行済株式数で割った値で、1株あたりが生み出す売上を示しており、企業の売上規模と株式の価値を評価するのに役立つ。

粗利益率:売上高に対する粗利益の割合を示す指標。企業が商品やサービスを販売した際に、売上から直接かかったコスト(売上原価)を差し引いて得られる利益の割合を計算する。粗利益率が高いほど、企業が商品やサービスから得られる利益が大きいことを意味する。

自社株買い比率:企業が自社の発行済み株式を買い戻した割合を示す指標。この比率は、過去の一定期間において企業がどれだけ自社株を買い戻したかを示しており、通常は1年間の比率として表される。具体的には、買い戻された株式数をその期間の発行済株式総数で割ることで計算される。高い比率は、企業が積極的に自社株を買い戻し、EPS(1株当たり利益)を押し上げる可能性があることを示唆している。

各指標のより詳細な解説は、下記のコラムをご覧ください。

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ドミノ・ピザ(DPZ)の財務パフォーマンスに関して

ドミノ・ピザDPZの財務パフォーマンスを、投下資本利益率(ROIC)と加重平均資本コスト(WACC)の観点から分析していきます。

全体として、ROICとWACCの観点から分析すると、同社が大きな経済価値を創出していることが明らかです。

過去5年間のROICの中央値は51.26%と非常に高く、WACCの中央値である6.14%よりも遥かに高い水準にあります。

この大きな差は、同社が資本コストを大幅に上回る利益を生み出していることを示し、効率的な資本運用と高い業務能力を裏付けています。

さらに、下記のチャートからも分かる通り、現在のROICは56.18%とさらに上昇し、直近のWACCである9.59%を大きく上回っています。

これは、同社が調達した資本のコストをはるかに超える利益を安定して生み出していることを示しています。

そして、マイナスの株主資本を抱えながらもこのような高い資本収益率を維持していることから、同社の高い収益性と運営の強さがうかがえます。

総じて、ROICが常にWACCを上回ることで示される同社の財務効率の高さは、同社の株主価値の創出力と業界内での競争優位性を強く物語っています。

投下資本利益率(ROIC)加重平均資本コスト(WACC)の比較

(出所:筆者作成)


関連用語

総資産利益率(ROA: Return on Assets):企業が保有する全ての資産を使ってどれだけの利益を生み出したかを示す指標。計算は純利益を総資産で割ることで算出され、ROAが高いほど、企業が資産を効率的に運用していることを示す。

自己資本利益率(ROE: Return on Equity):企業が株主の出資(自己資本)を使ってどれだけの利益を生み出したかを示す指標。計算は純利益を自己資本で割ることで算出され、ROEが高いほど、株主にとって効率的な運用が行われていることを示す。

投下資本利益率(ROIC: Return on Invested Capital):企業が投下資本(株主資本+負債)を使ってどれだけの利益を生み出したかを示す指標。計算はNOPAT(税引後営業利益)を投下資本で割ることで算出され、ROICが高いほど、企業が効率的に資本を運用していることを示す。

ジョエル・グリーンブラット氏の資本利益率(ROC: Return on Capital):株主資本と長期負債の合計である資本に対して、どれだけの利益(NOPAT)を生み出しているかを示す指標。ROICと同様に、資本の効率的な運用を評価する。

加重平均資本コスト(WACC: Weighted Average Cost of Capital):企業が資金を調達する際に必要となる平均的なコストを示す指標で、株主資本と負債のコストを加重平均して求める。WACCが低いほど、企業の資本コストが低く、投資がより利益を生む可能性が高くなる。

各指標のより詳細な解説は、下記のコラムをご覧ください。

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ドミノ・ピザ(DPZ)の配当に関して

ドミノ・ピザDPZ)は安定した配当成長を示しており、過去5年間の配当成長率は17.70%、過去3年間では15.80%の配当成長率を記録しています。

直近の配当は1株あたり1.51ドルで、四半期ごとに支払われています。

現在の予想配当利回りは1.39%で、過去10年の最高値である1.51%には届かないものの、配当性向は35%と控えめであり、今後の増配の可能性も期待できます。

同業他社と比較しても、同社の配当成長は顕著ですが、予想利回りは比較的控えめで、短期的に高い配当利回りを提供することよりも成長と再投資を重視していることが伺えます。

一方、同社のEBITDA有利子負債倍率は5.26倍と高く、一般的な中リスクの範囲である2倍から4倍を上回っており、財務リスクや債務返済能力に対する懸念が生じる可能性があります。

基本的には、EBITDA有利子負債倍率は2倍以下であれば財務リスクが低く、4倍以上であれば財務リスクが高いことを示すとされています。

そのため、高いレバレッジが将来の配当の安定性に影響を与える可能性もあり、収益が債務負担に追いつかない場合には注意が必要です。

一方で、今後3〜5年での配当成長率は15.38%と予測されており、これまでの成長ペースに近いものの、債務水準や収益の動向を慎重に見守ることが重要でしょう。

次の配当落日は2024年12月13日で、その後も四半期毎に配当落日が設定される予定です。

予想配当利回り:1.39%

配当性向:35%

配当カバレッジ・レシオ:2.83倍

過去5年間の配当成長率: 17.70%

EBITDA有利子負債倍率:5.26倍

DPS(Dividend Per Share):1株当たりの配当金

(出所:筆者作成)

Dividend Yield:予想配当利回り

(出所:筆者作成)

Dividend Payout:配当性向

(出所:筆者作成)


関連用語

1株当たりの配当金:企業が株主に支払う配当金を、発行されている株式の総数で割った値。これにより、株主が保有する1株あたりに受け取ることができる配当金の金額が示される。

配当成長率:企業が過去数年間にどれだけ配当金を増加させたかを示す割合。配当成長率が高いほど、企業が株主に対して利益を還元する意欲が強いことを示す。

予想配当利回り:企業が次年度に支払うと予想される配当金を現在の株価で割った割合。投資家にとって、どれだけのリターンを配当として受け取ることができるかの見込みを示す。

配当性向:企業の純利益に対して、どれだけの割合を配当金として支払っているかを示す指標。計算は、配当金を純利益で割って算出され、配当性向が高すぎると、企業の成長投資に使える資金が減少する可能性がある。

EBITDA有利子負債倍率:EBITDA(税引前利益、利払い、減価償却前の利益)に対する有利子負債の割合を示す。企業の有利子負債が利益によってどれだけカバーできるかを示す指標で、低いほど財務的な健全性が高いとされている。

配当カバレッジ・レシオ:企業の利益が、支払われる配当金をどれだけ上回っているかを示す指標。計算は、利益(通常は純利益かEBITDA)を配当金で割ることで算出され、配当カバレッジ・レシオが高いほど、配当が持続可能であると考えられている。

配当王:50年以上にわたり連続して配当を増やし続けている企業。これに該当する企業は、長期間にわたり安定した利益成長と配当支払いを維持していることを示している。

配当貴族:25年以上連続して配当を増やしている企業。これも安定した配当成長を実現している企業に与えられる称号。

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ドミノ・ピザ(DPZ)のバリュエーションに関して

ドミノ・ピザDPZの現在の株価は439.80ドルで、弊社算出の一株当たり本質的価値である420.31ドルよりもわずかに高い水準にあり、安全余裕率(マージン)が-4.64%となっていることから、わずかに割高である可能性が示唆されています。

また、直近過去12カ月ベースの実績PERは27.03倍で、過去10年の中央値である33.90倍より低く、歴史的な水準と比較して割高ではないことがわかります。

予想PERも24.93倍で、これも過去10年の範囲を下回っており、今後の収益が計画通りに伸びれば割安に評価される可能性があります。

加えて、直近12カ月の実績EV/EBITDA倍率は20.61倍で、過去10年の中央値である22.12倍を下回り、過去の水準と比べても適正価格にあると見られます。

さらに、株価売上高倍率も3.31倍と、過去10年の中央値である3.36倍とほぼ一致しており、売上に対する市場評価は一貫しています。

特に注目すべきは、株価フリーキャッシュフロー倍率(P/FCF)は30.98倍で、過去10年の中央値である34.43倍よりも低い点で、フリーキャッシュフローの観点からも割安感があることが示唆されています。

一方で、市場のアナリストの目標株価の平均値は476.62ドルとされ、現状からの上昇が期待されています。

以上より、弊社算出の一株当たり本質的価値からはやや割高ですが、過去のバリュエーション指標から見ると株価は妥当か、むしろやや割安とも言える水準です。

そして、アナリストの安定した目標株価と評価は、現在のバリュエーション指標に対するドミノ・ピザの将来性への期待を裏付けていると考えられます。

(出所:筆者作成)


上記グラフにおける関連用語

Price:現在の株価

Yiazou Value:弊社算出の一株当たり本質的価値

DCF (FCF Based):フリーキャッシュフローに基づくDCF法を用いて算出した理論株価

DCF (Earnings Based):収益に基づくDCF法を用いて算出した理論株価

Median P/S:株価売上高倍率の中央値ベースの理論株価

Perter Lynch:ピーター・リンチ氏のバリュエーション計算方法に基づく理論株価

赤線:上記の各バリュエーション手法により算出された理論株価の平均値


関連用語

実績PER(Price Earnings Ratio):過去1年間の実績ベースの1株当たり利益(EPS)に対する現在の株価の倍率。企業が過去にどれだけの利益を上げたかに基づいて、株価が割安か割高かを評価する指標。

予想PER(Forward PER):予想される1株当たり利益(来年度のEPS予想)に対する現在の株価の倍率。将来の利益見込みに基づいて、株価が割安か割高かを評価する指標。

PEGレシオ(Price/Earnings to Growth Ratio):PERを企業の利益成長率で割った指標。成長率を考慮した株価の割安・割高を判断するために使われ、一般的に1以下が割安とされる。

株価売上高倍率(Price to Sales Ratio, PSR):企業の売上高に対する現在の株価の倍率。売上高に対して株価がどれだけの価値を持つかを示す指標で、低いほど割安とされる。

株価フリー・キャッシュフロー倍率(Price to Free Cash Flow Ratio, P/FCF):企業がフリー・キャッシュフロー(営業キャッシュフローから資本的支出を差し引いた金額)に対する現在の株価の倍率。企業のキャッシュフロー創出能力に対して株価が割安か割高かを判断する。

EV/EBITDA倍率(Enterprise Value to EBITDA Ratio):企業価値(EV:株式時価総額+負債−現金)をEBITDA(税引前利益、利払い、減価償却前の利益)で割った指標。企業全体の価値に対する収益力を評価するために用いられる。

PBR(Price to Book Ratio, 株価純資産倍率):企業の純資産(簿価)に対する現在の株価の倍率。株主資本に対して株価がどれだけの価値を持つかを示し、1倍以下だと市場での評価が純資産を下回っているとされる。

各指標のより詳細な解説は、下記のコラムをご覧ください。

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ドミノ・ピザ(DPZ)のリスクとリターンに関して

ドミノ・ピザDPZのリスク・リターン評価分析では、投資家が投資決定を下す前に考慮すべきいくつかのポイントを取り上げたいと思います。

同社は、好材料と注意点が入り混じるリスクプロファイルを持っています。

まずプラス面としては、ピオトロスキーのFスコアが9と高く、財務の健全性が際立っています。

また、ベニッシュのMスコアが-2.5で、財務操作のリスクが低いとされ、アルトマンのZスコアも3.02と高く、優れた支払い能力を示しています。

さらに、営業利益率が拡大し、1株あたり売上も安定して成長していることから、効率的で安定した事業運営が伺えます。

しかし、一方で過去3カ月間に5件、合計11,051株のインサイダーによる同社株式の売却があり、同社関係者が同社の株式に対して慎重な姿勢を示している可能性も考えられます。

ただし、これが単なる個々人のポートフォリオ調整である可能性も否定できません。

また、予想PERは24.93倍と過去1年間の低水準に近く、割安感や市場の慎重な見方を反映しているかもしれません。

全体的に、DPZは堅実な財務基盤を持ち、財務操作のリスクが低く、成長指標も安定している一方で、インサイダーによる売却は注意が必要な要素です。

市場の投資家は、同社の財務健全性と事業の強みに加え、これらのリスクも慎重に考慮して判断することが求められるでしょう。


関連用語

財務レバレッジ:企業が負債をどれだけ活用して資産を増やしているかを示す指標。高い財務レバレッジはリスクを伴うが、うまく活用すればリターンが増加する可能性もある。 目安は業界によって異なるが、一般的には2~3倍が理想とされ、高すぎると財務リスクが高まるとされている。

アルトマンのZスコア:企業の財務健全性を評価するための指標で、特に倒産リスクを予測するのに用いられる。複数の財務指標を組み合わせて計算され、Zスコアが低いほど倒産リスクが高いとされる。目安としては、3.0以上は安全、1.8未満は倒産リスクが高いとされている。

ベネッシュのMスコア:企業が財務報告において不正行為や収益の過大計上を行っている可能性を評価する指標。スコアが高いと、財務操作のリスクが高いとされ、-2.22以下で不正の可能性が低いとされている。

ピオトロスキーのFスコア:企業の財務健全性や成長性を評価するための指標で、9つの財務指標に基づいてスコアが付けられる。スコアが高いほど、財務状況が健全であると評価される。目安としては、7〜9は財務状況が非常に健全、4〜6は平均的、0〜3は財務上の懸念がある可能性が高いとされている。

インタレスト・カバレッジ・レシオ(利息カバレッジ比率):企業が稼いだ利益(通常は営業利益)が、支払わなければならない利息に対してどれだけ余裕があるかを示す指標。計算式は、営業利益 ÷ 利息費用。目安としては、2倍以上が望ましいとされ、これは企業が利息の2倍以上の利益を稼いでいることを意味し、財務的な余裕があると評価される。逆に、1倍以下だと、利息の支払いが困難になる可能性があり、財務リスクが高まる。

ベンジャミン・グレアム:現代のバリュー投資の父と呼ばれる著名な投資家であり、経済学者。「証券分析」や「賢明なる投資家」などの著書を通じて、企業の本質的価値に基づいて株を割安に買うというバリュー投資の概念を広めた人物。彼の投資哲学は、リスクを抑えつつ堅実なリターンを得ることを目指し、多くの投資家に影響を与えている。

各指標のより詳細な解説は、下記のコラムをご覧ください。

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ドミノ・ピザ(DPZ)のインサイダー(内部関係者)による売買に関して

ドミノ・ピザDPZの過去1年間のインサイダー取引を分析すると、取締役や経営陣による売却が顕著であることがわかります。

過去3カ月、6カ月、12カ月にわたりインサイダーによる同社株式の買い付けは記録されていない一方で、売却はそれぞれ5件、7件、16件に上っており、インサイダーによる売却が継続的に行われている状況です。

こうした売却トレンドは、経営陣を含むインサイダーが同社の将来に対する不安を抱いている可能性も示唆しますが、個人の資金計画や資産分散といった理由も考えられます。

ただし、インサイダーによる同社株式の保有比率は1.66%と比較的低めで、経営陣や取締役による直接的な株式保有は少ない一方、プロの機関投資家の保有比率は97.85%と非常に高く、機関投資家による強い信頼が見受けられます。

この高い機関投資家の保有率は、インサイダー売却に対する不安を和らげる要素といえるでしょう。

なぜなら、プロの機関投資家は通常、長期的なパフォーマンスに注目しているため、同社には引き続き大きな魅力があると考えられます。

インサイダー(内部関係者)による売買

(出所:筆者作成)


関連用語

インサイダーによる自社株式の保有比率:企業の経営陣や役員、主要株主(一般的に10%以上の株式を保有する人)が、その企業の株式をどれだけ保有しているかを示す割合。インサイダーが多くの株式を保有している場合、彼らが企業の将来に自信を持っていると見なされることが多い。

機関投資家による株式の保有比率:投資ファンドや保険会社、年金基金などのプロの機関投資家が、その企業の株式をどれだけ保有しているかを示す割合。機関投資家の保有比率が高いと、その企業が市場で信頼されていると判断されることがある。


ドミノ・ピザ(DPZ)の流動性に関して

ドミノ・ピザDPZ)の流動性と取引パターンを分析すると、過去2カ月の1日平均出来高は644,778株である一方、直近の出来高は470,046株にとどまり、平均を下回っています。

このことから、足元の流動性がやや低下していることが分かります。

また、同社のダークプール指数(DPI)は74.53%で、取引量の大部分が非公開市場(ダークプール)で行われていることがわかります。

DPIが高いことは、多くの取引が公開市場外で行われていることを意味し、市場の実際の需要が見えにくく、流動性に関する印象に影響を与える可能性があります。

これは、大口の取引が価格への影響を避けるためにダークプールで行われることが多いことから、プロの機関投資家の関与を示唆しているとも考えられます。

全体として、同社は通常、安定した取引量を保っていますが、平均を下回る出来高や高いDPIは、日によって流動性に変動があることを示唆しており、短期の投資家やトレーダーにとって取引戦略に影響を与える要因となるでしょう。

また、インベストリンゴのアナリストであるジェームズ・ フォード氏が、伝説のバリュー投資家であるウォーレン・バフェット氏のバークシャー・ハサウェイ(BRK.B)が最新の13Fレポートを公開した後に、バフェット氏のポートフォリオに関するアップデートとドミノ・ピザに関する下記のレポートをリリースしています。

もし詳細に関心がございましたら、是非、インベストリンゴのプラットフォーム上よりご覧いただければと思います。

さらに、その他のドミノ・ピザDPZに関するレポートに関心がございましたら、是非、こちらのリンクよりドミノ・ピザのページにアクセスしていただければと思います

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関連用語

ダーク・プール(私設取引所):株式などの金融商品が公開市場(例えば証券取引所)ではなく、非公開の場で取引されるプラットフォームのこと。ダーク・プールでは取引の内容(注文の価格や数量)が一般に公開されないため、大量の株式を売買する際に市場に与える影響を最小限に抑えることができる。主に機関投資家が利用し、取引の透明性が低い点が特徴。

ダーク・プール指数(DPI):ダーク・プール(私設取引所)内において、同社株式がどの程度取引されているかを示すものであり、注目すべき指標の1つである。


アナリスト紹介:イアニス・ゾルンパノス氏

📍バリュー・インカム担当

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