【半導体】ファブリネット(FN)の将来性とは?最新の2025年度第1四半期決算分析を通じて今後の株価見通しに迫る!
ダグラス・ オローリン- 本稿では、注目の米国半導体銘柄であるファブリネット(FN)の11月4日に発表された最新の2025年度第1四半期決算(暦年:2024年第3四半期)を詳細に分析していきます。
- そして、分析を通じて、同社の決算後の株価上昇理由、並びに、今後の株価見通しと将来性を詳しく解説していきます。
- 最新の決算では予想を上回る収益を報告しましたが、市場反応は控えめでした。
- 光通信分野では特にDatacomや400ZRの製品が好調で、400G製品が売上を牽引しています。
- 従来型の通信ビジネスも成長の兆しを見せており、今後は追い風になる可能性が期待されています。
ファブリネット(FN)の最新の2025年度第1四半期決算発表に関して
ファブリネット(FN)は11月4日に最新の2025年度第1四半期決算(暦年:2024年第3四半期)を発表しており、予想を上回る好業績を報告しましたが、市場の反応はやや控えめでした。
それでも、特に強みを発揮した部分には注目する価値があり、投資アイデアが豊富に見出せる分野であるように見えます。
2025年度第1四半期決算
・EPS(特別項目除く):2.39ドル(FactSet予想の2.38ドルを上回る)
・売上高:8.042億ドル(FactSet予想の7.713億ドルを上回る)
2025年度第2四半期ガイダンス
・EPS(特別項目除く):2.44ドル〜2.52ドル(FactSet予想の2.45ドルを上回る)
・売上高:8億ドル〜8.2億ドル(FactSet予想の7.972億ドルを上回る)
光通信分野はDatacom(データ通信の略称で、主にデータを送受信するための技術やシステム、プロトコルなどを指す)需要に引き続き支えられて堅調です。
ただし、全体的には若干期待を下回った印象もあります。
下記は最新の決算説明会での遣り取りの一部です。
(原文)In the first quarter, optical communications revenue was $626 million or 78% of total revenue, up 17% from a year ago and 5% from Q4. Within optical communications, datacom revenue was $329 million or 53% of optical communications revenue, an increase of 36% from a year ago and 5% from the prior quarter.
(日本語訳)第1四半期の光通信分野の売上は6億2,600万ドルで、全体売上の78%を占めました。前年同期比で17%、前四半期比で5%の増加です。この中でもDatacomの売上は3億2,900万ドルで、光通信全体の53%を占め、前年同期比で36%、前四半期比で5%の伸びを記録しています。
一方で、800G(通信ネットワークにおけるデータ転送速度)の導入は予想ほど進まず、売上も横ばいでした。
今四半期では、実際に400Gの売上が800Gを上回っています。
特に興味深いのは、Datacomや400Gが好調な理由です。
その鍵を握っているのが400ZRです。
400ZRは、データセンター間の相互接続(DCI)において、最大400Gbpsの高速データ伝送を可能にする光通信規格です。
(原文)The strong performance was due to strength from datacom programs and from certain data center interconnect products such as 400ZR, which are classified as telecom products. As in the fourth quarter, 400ZR products were 10% of optical communications revenue.
(日本語訳)この好調な業績は、データ通信プログラムや400ZRといったデータセンター間接続用の通信製品の需要によるものです。第4四半期と同様に、400ZR製品は光通信分野の売上の10%を占めています。
(原文)Revenue from products rated 800 gig or faster was $257 million, up 19% from a year ago and down 1% from Q4 as new customer programs are early in their product ramps.
(日本語訳)800ギガ以上の製品売上は2億5,700万ドルで、前年同期比で19%増加しましたが、第4四半期からは1%の減少となりました。これは、新規顧客向けプログラムがまだ立ち上げ初期段階にあるためです。
さらに、従来型の通信分野でも好調な動きが見られ始めています。
(原文)We did see what we would call traditional telecom begin to flatten out. And we're now starting to see some growth in traditional telecom. So, we're -- I suppose we're optimistic that, that traditional telecom business, which for some time has been a headwind, we think that's about to turn to a tailwind in the coming quarters.
(日本語訳)従来型の通信分野が安定し始めた中で、最近では成長の兆しも見えています。これまで逆風だった従来型通信ビジネスが、今後数四半期で追い風に変わるのではないかと期待しています。
ZRは依然として好調で、強みを見せています。
そして、これはシエナ(CIEN)やマーベル・テクノロジー(MRVL)にとっても良い兆候と言えるでしょう。
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アナリスト紹介:ダグラス・ オローリン / CFA
📍半導体&テクノロジー担当
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