中立アルファベット クラスCすべて表示アルファベット(GOOG:予想配当利回り0.46%・配当性向3%)2024年2Q決算は好調も株価は下落!今後の株価見通しと将来性に迫る!
イアニス・ ゾルンパノス- アルファベット(GOOG / GOOGL:予想配当利回り0.46% / 配当性向3%)は、グーグルの親会社であり、検索エンジンやクラウドコンピューティング、デジタル広告、モバイルOS、ハードウェアなど多岐にわたる事業を展開しています。
- 2024年第2四半期決算では、非経常損益項目を除くEPSが1.972ドル、1株当たり売上高が6.782ドルとなり、成長を続けていることが示されました。
- アルファベットは2024年度から配当を開始し、予想配当利回りは0.46%、配当性向は3%と低く、将来的な増配の余地を残しています。
アルファベット(GOOG / GOOGL)の概要
レーティング:中立
バリュエーション:フェアバリュー並み
リスクレベル:低リスク
セクター:メディア / テクノロジー
現在の株価:167ドル
時価総額:2.07兆ドル
弊社算出の一株当たり本質的価値:155.95ドル
安全マージン:-7.22%
過去5年間の配当成長率:0.00%
前回の配当落ち日:2024年6月10日
前回の配当支払い日:2024年6月17日
予想配当利回り:0.46%
過去5年間の売上高成長率:21.30%
過去10年間の売上高成長率:20.50%
アルファベット(GOOG/GOOG:予想配当利回り0.46% / 配当性向3%)は、グーグルの親会社として知られ、世界最大級のテクノロジー企業の一つです。1998年に創業されたグーグルは、2015年に持株会社であるアルファベットを設立し、ビジネスの多様化を図りました。主要事業は検索エンジンであり、グーグルは検索広告による収益が主な収入源となっています。具体的には、グーグルサービスはアルファベットの売上高の90%近くを占め、そのうち85%以上がオンライン広告によるものです。
しかし、アルファベットのビジネスはそれに留まらず、クラウドコンピューティング(Google Cloud)、デジタル広告(YouTube)、モバイルOS(Android)、ハードウェア(Pixelシリーズ、Nest製品)など、多岐にわたります。そして、クラウドコンピューティングは、アルファベット全体の売上高の10%強を占めている。
アルファベットのユニークな特徴は、革新と多様化への強い取り組みです。Waymoによる自動運転技術の開発や、Verilyによるヘルスケアテクノロジーの進化、Calicoによる寿命延伸の研究など、将来性のある分野への投資を積極的に行っています。また、アルファベットはデータ解析とAI技術においてもリーダーシップを発揮し、様々なサービスの向上と新たなビジネスモデルの創出を推進しています。
また、同社は2024年7月23日に2024年第2四半期決算を発表しています。
アルファベット(GOOG / GOOGL)の最新の2024年度第2四半期決算に関して
アルファベット(GOOG/GOOG)は、2024年6月30日に終了した最新の2024年度第2四半期決算において、非経常損益項目を除くベースでのEPS(EPS without NRI)は1.972ドル(前四半期:1.79ドル)、希薄化後のEPSは1.89ドル(前四半期:1.89ドル)、また、1株当たり売上高も6.782ドル(前四半期:6.01ドル)と、希薄化後のEPSはフラット着地も、非経常損益項目を除くベースでのEPSと1株当たり売上高は上昇という着地となっています。
一方で、長期的なパフォーマンスを見ると、下記のチャートからも分かる通り、同社株の非経常損益項目を除くベースでのEPSの過去5年間の年平均成長率(CAGR)は25.90%で、過去10年間の年平均成長率は21.80%となっており、足元では成長がさらに加速しており、ポジティブな兆候であると言えます。
さらに、今後10年間、同社業界は安定した成長を遂げると予想されており、同社の業績には明るい見通しがあるように見えます。
※チャート上の値は年間ベースであり、非経常損益項目を除くベースでのEPS(EPS without NRI)の直近4四半期の合計値
アルファベット(GOOG / GOOGL)の財務パフォーマンスに関して
アルファベット(GOOG/GOOGL)の財務パフォーマンスを、総資産利益率(ROA)、自己資本利益率(ROE)、投下資本利益率(ROIC)、ジョエル・グリーンブラット氏の資本利益率(ROC)、加重平均資本コスト(WACC)の観点から分析していきます。
まず、過去5年間のROICの中央値は29.25%で、ROEの中央値は23.62%となっており、これは、同社の効率的な資本配分と株主への価値創造を示しています。
また、過去5年間のROCの中央値が60.34%であることは、同社が資本コストを上回る実質的な経済価値を生み出していることを示唆しています。
ROICとWACCのパーセンテージを比較すると、同社の現在のROICの水準は32.81%となっており、5年間のWACCの中央値である8.01%を上回っていることからも、継続的に経済価値を創造していることを示しています。
しかし、足元のWACCは10.56%と上昇傾向にあり、ROICが同様に上昇しない場合、将来の同社の経済価値を生み出す能力に影響を与える可能性があります。
一方で、同社のROEは過去10年間で変動しており、最低水準は8.69%で、最高水準は32.07%となっており、現在のROEの水準である30.92%は、過去10年間の中央値を上回っており、高い収益性と株主還元を反映していると言えます。
以上より、アルファベットのROICが引き続きこの資本コストであるWACCを上回り、プラスの経済的価値を継続して生み出すことできるよう、同社のWACCの水準を注意深く監視する必要があるように見えます。
アルファベット(GOOG / GOOGL)の配当に関して
アルファベット(GOOG/GOOGL)は、2024年度より配当の支払いを開始したことから、過去の配当成長率は0%となっています。
一方で、同社のEBITDA純有利子負債倍率は0.22倍で、基準値である2.0倍を大きく下回っており、財務リスクの低さと債務返済能力の高さを示しています。
これは、同社が強固な財務体質を有し、負債を効果的に管理できる能力を保持していることを示唆しています。
また、予想配当利回りは0.46%で、配当性向は3.0%となっていることから、同社が現在、利益のごく一部のみを配当として株主に分配していることが分かり、将来的な配当増加の可能性を多く残していることを示していると言えます。
さらに、この配当性向の水準の低さは、同社が長期的に配当支払いを維持し、潜在的に配当支払い額を増加させる能力を持っていることを示唆しています。
全体として、アルファベットの配当分析からは、同社は将来的に増配の可能性を持っており、安定的で財務的に健全な企業であることを示していると言えます。
予想配当利回り:0.46%
配当性向:3%
配当カバレッジ・レシオ:34.85
過去5年間の配当成長率:0.00%
EBITDA純有利子負債倍率:0.22倍
※DPS(Dividend Per Share):1株当たりの配当金
※Dividend Yield:予想配当利回り
※Dividend Payout:配当性向
アルファベット(GOOG / GOOGL)のバリュエーションに関して
アルファベット(GOOG/GOOGL)の現在の価格は167.23ドルで、弊社算出の一株当たり本質的価値である155.95ドルよりやや高い水準となっていることからも、若干の割高感があると言えます。
一方で、実績PERは24倍となっており、過去5年間の平均である25倍をわずかに下回っていることから、過去の利益に基づくと割安感があるように見えます。
さらに、予想PERは22.24倍となっており、実績PERよりも低い水準となっており、こちらも将来の利益に基づくと割安感があると言えます。
ただし、株価売上高倍率は6.51倍となっており、過去5年平均と過去10年平均の両方より高く、売上高に基づいた場合には潜在的な割高感を示していると言えます。
また、EV/EBITDA倍率も17.86倍と業界平均を上回り、EBITDAベースで見た場合には、割高である可能性を示唆しています。
しかし、PEGレシオは1.13倍となっており、同社の利益成長率に対する公正なバリュエーションを示唆しています。
全体として、アルファベットは売上高とEBITDAの倍率に基づくと割高で取引されているように見える一方で、過去、または、将来の最終利益ベースではやや割安感もあるといったバリュエーションとなっています。
アルファベット(GOOG / GOOGL)のリスクとリターンに関して
アルファベット(GOOG/GOOGL)のリスク評価分析では、投資家が投資決定を下す前に考慮すべきいくつかのポイントを取り上げたいと思います。
まずマイナス面では、過去3ヶ月のインサイダーによる同社株式の売却件数が多い一方で、インサイダーによる買い付けがないことから、同社インサイダーが、同社の今後の株価見通しに対して自信を持っていない可能性を示唆しています。
さらに、同社の株価が史上最高値圏にある点にも注意が必要であろう。
一方でプラス面では、ピオトロスキーのFスコアが8であることから、アルファベット社の財務状況は非常に健全であることが分かります。
また、同社はインタレスト・カバレッジ・レシオも高く、すべての負債を賄うのに十分な現金があり、財務の安定性を示しています。
さらに、ベニッシュのMスコアは-2.42で、同社が利益操作を行っている可能性が低いことを示唆しており、加えて、営業利益率も拡大していることからもポジティブな兆候であると言えます。
そして、株価のPERは1年ぶりの低水準に近づいている一方で、予測可能な売上高と利益の伸びを示している点も魅力的に見えます。
しかし、投資家はアルファベットのインサイダーによる同社株式の売却の動向と今後の株価調整の可能性には注意すべきであるように見えます。
アルファベット(GOOG / GOOGL)のインサイダー(内部関係者)による売買に関して
過去12ヵ月間、アルファベット(GOOG/GOOGL)のインサイダーによる同社株式の買い付けは確認されていないが、6件のインサイダーによる売却が確認されていることから、同社の役員や経営陣の間で今後の同社株式の見通しに対して弱気なセンチメントがある可能性を示唆しているとも言えます。
ただし、インサイダーによる同社株式の保有比率はわずか3.15%である点にはご留意ください。
一方、機関投資家の同社株式の保有比率は24.12%となっており、機関投資家が同社株式の一定量を保有していることを示唆しています。
以上より、投資家は、今後のインサイダーによる同社株式の取引動向を注意深く監視し、インサイダーと機関投資家のセンチメントと同社株価パフォーマンスへの潜在的な影響をチェックした方が良いでしょう。
アルファベット(GOOG / GOOGL)の流動性に関して
アルファベット(GOO/GOOGL)の流動性は高く、直近営業日の一日の出来高は38,852,792株で、過去2ヶ月間の1日平均出来高は23,506,150株となっており、同社株式に対する一貫した取引があることを示唆しています。
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