強気メタ・プラットフォームズすべて表示メタ・プラットフォームズ(META)の将来性:現在の株価は買い時?目標株価670ドル!最新の決算分析と今後の株価見通しに迫る!
コンヴェクィティ - 本稿では、2024年7月31日に発表された、メタ・プラットフォームズ(META)の最新の2024年度第2四半期決算と競合他社比較、さらに、テクノロジー面での同社の強み(競争優位性)を詳しく分析していきます。
- そして、それらの分析を通じて、同社の目標株価、並びに、今後の株価見通しと将来性に関する詳細な分析を解説していきます。
- 同社は、AI主導の取り組みとオープンソースアプローチを通じて広告収益の効率化や成長戦略を推進しており、次世代AIモデルの開発に注力しています。
- 同社の株価は他の大手テクノロジー企業と比較して低めですが、長期的な投資価値が見込まれ、特に生成AIに対する投資の収益化が注目されています。
- 広告、バーチャルリアリティ、メタバースの分野で革新を進めており、2024年度の成長に向けて良好なポジションにあるように見えますが、財務業績への影響は今後の数四半期で注視が必要です。
※「【コンヴェクィティ:2024年度中間バリュエーション・レビュー】注目の米国テクノロジー企業の今後の株価見通しを徹底解説!」の続き
メタ・プラットフォームズ(META)の最新の2024年度第2四半期決算発表に関して
メタ・プラットフォームズ(META)は、全プラットフォームで引き続き好調なパフォーマンスを見せており、日次アクティブユーザー数やユーザーあたりの平均収益が着実に増加しています。広告インプレッション数が減少する中でも、ユーザーあたりの広告収益が増加しており、より効率的で効果的な広告運用が行われていることを示しています。
Family 平均売上高(ARPP)
(出典:2024年第2四半期決算資料)
広告インプレッションの前年比増減率
(出典:2024年第2四半期決算資料)
メタ・プラットフォームズのAI主導の取り組みは、成長戦略の中心にあります。AIを活用した広告技術は非常に高度で、広告主がターゲットオーディエンスを指定しなくても、特定のオーディエンスセグメントを広告主以上に深く理解できるほどです。現在、同社は広告主向けにAIが生成するクリエイティブの提供に力を入れており、CEOのマーク・ザッカーバーグ氏は、将来的に広告主が提供するのはビジネス目標と予算だけになると予測しています。
メタ・プラットフォームズはAI開発において大きな進展を遂げており、最近発表した405Bパラメータモデルは、主要なクローズドモデルに比べて優れたコストパフォーマンスを実現しています。ザッカーバーグ氏は、このオープンソースアプローチがLinuxのように業界標準になると考えています。同社はすでに次世代モデルであるLlama 4の開発に取り組んでおり、来年には業界で最も先進的なモデルを目指していますが、そのためにはLlama 3の10倍の計算能力が必要になるかもしれません。
興味深いことに、メタ・プラットフォームズのAI開発への取り組みは、主に従業員に対するSBC(株式ベースの報酬)の傾向にも反映されています。生成AIブームの開始以来、同社は売上高に対するSBCの割合を7-8%から10-11%へと増加させており、これは他の大手テック企業、例えばマイクロソフト(MSFT)、アップル(AAPL)、アマゾン(AMZN)、アルファベット(GOOG/GOOGL)で見られるわずかな増加や横ばいの動向と比較して顕著な上昇です。このSBCの増加は、同社の生成AIに対するオープンソースアプローチが優れたAI人材を引き付けていることによるものと考えられます。
関連用語
Family Average Revenue per Person (ARPP):メタ・プラットフォームズの「Family of Apps」内で、各ユーザーが平均してもたらす収益を示す指標。具体的には、Facebook、Instagram、WhatsAppなどのアプリ群(Family of Apps)のユーザー1人あたりが生み出す収益の平均値を指す。
Family of Apps:メタ・プラットフォームズが所有する一連のアプリケーション群の総称。Facebook、Instagram、WhatsAppなどが含まれる。
405Bパラメータモデル:4050億のパラメータ(学習可能な要素)を持つAIモデルで、非常に高度な自然言語処理を行うことができる。
オープンソースアプローチ:プログラムや技術のソースコードを公開し、誰でも自由に使用、修正、共有できる方式。これにより、コミュニティ全体での協力や改良が進みやすくなる。
Linux:無料で使えるオープンソースのオペレーティングシステムで、世界中の多くのサーバーやデバイスで使用されている。
Llama 3:メタ・プラットフォームズが開発したAIモデルの第3世代で、非常に高度な自然言語処理能力を持つ。
Llama 4:Llama 3の次世代モデルで、さらに進化したAIモデル。Llama 3よりも多くの計算能力が必要とされる
2022年後半から多くの大手テクノロジー企業で優秀な人材がスタートアップに流出する中、メタ・プラットフォームズ(META)はこの流れに逆行しています。オープンソースアプローチとGPUへの大規模な投資が功を奏し、アマゾンなどの企業から多くの優秀なAI専門家を引き寄せています。
そして、メタ・プラットフォームズのプラットフォームは、さらにAI機能を強化する方向に進化しています。Reels、長尺動画、ライブ配信、友達のおすすめを統合し、全体的なレコメンデーションを向上させる計画が進行中です。新しいプラットフォーム「Threads」はすでに月間アクティブユーザーが約2億人に達しており、Xの市場シェアを奪い、新たな広告収入源となる可能性があります。
WhatsAppは特にインドで勢いを増しており、Meta AIがその成長を後押ししています。プラットフォームのビジネスメッセージング売上高は増加し、Family of Appsのその他の売上高は73%増の3億8900万ドルに達しています。ザッカーバーグ氏は、将来的にすべての企業がウェブサイトやソーシャルメディアのアカウントと同様に、AIエージェントを持つことが当たり前になると考えています。
メタバース分野でも、メタ・プラットフォームズのHorizonがモバイルやデスクトップで人気を集めており、これがVR Horizonへの導入に繋がり、Quest 3の売上を押し上げる可能性があります。また、Ray-Ban Metaグラスも需要が供給を上回るほどの人気を誇っています。
メタ・プラットフォームズの財務見通しは引き続き堅調で、2024年度の設備投資は売上高の23%に達すると予測されています。この投資は、同社の野心的なAIおよびメタバースのプロジェクトを支えるものと見られています。
関連用語
GPU:Graphics Processing Unitの略で、画像処理を行うためのプロセッサ。AIの計算や高速な並列処理が得意。
Threads:メタ・プラットフォームズが提供する新しいソーシャルメディアプラットフォームで、テキストベースの投稿を中心としたコミュニケーションを行う。
Horizon:メタ・プラットフォームズが提供するメタバース空間のプラットフォーム。ユーザーが仮想空間で交流したり、コンテンツを作成したりできる。
VR Horizon:HorizonのVR(仮想現実)版で、ユーザーがVRヘッドセットを使用して仮想空間に没入することができる。
Quest 3:メタ・プラットフォームズが開発したVRヘッドセットの最新モデルで、より高度な仮想現実体験を提供する。
Ray-Ban Metaグラス:メタ・プラットフォームズとRay-Banが共同開発したスマートグラスで、カメラやオーディオ機能を備え、AR(拡張現実)機能が搭載されている。
メタ・プラットフォームズ(META)のバリュエーションに関して
さらに、メタ・プラットフォームズ(META)の株価収益倍率が他の大手テクノロジー企業に比べて低いのは、ウォール街が同社のLlamaモデルへの投資の収益化可能性を十分に評価していないからかもしれません。しかし、同社のSBC(株式ベースの報酬)に関する費用の推移や、生成AIに対する一般的な認識を考えると、長期投資家にとっては注目すべき潜在的な利益を見込めるかもしれません。
メタ・プラットフォームズはAI、広告、バーチャルリアリティの分野で引き続き革新を進めており、将来の成長に向けて良好なポジションにあるようです。しかし、これらの取り組みが成功し、それが財務業績にどのように影響するかは、今後の数四半期で注目すべきポイントです。
(出典:筆者作成)
他の大手テクノロジー企業との比較やRule of X、相対評価およびDCF法によるバリュエーション、そして最近の株価動向を踏まえ、現在のメタ・プラットフォームズに対して「強気」で見ています。
私たちのDCFモデルに基づくと、同社の1株当たりの本質的価値は670.01ドルとなっている一方で、現在の株価は530ドル程度となっていることから、弊社のDCFモデルに基づく目標株価対比では割安となっています。
また、DCF法におけるバリュエーションの算出時には、2026年会計年度から2029年会計年度の年平均成長率(CAGR)を15%に設定しましたが、この前提は控えめすぎる可能性があります。
弊社のDCFモデルに基づくバリュエーションの詳細と株価予想は、下記リンク内のメタ・プラットフォームズ(META)のシートにおける「Intrinsic value per share(1株当たりの本質的価値)」をご覧ください。
さらに、数日以内に、メタ・プラットフォームズのLlama 3.1について、これまで明かされていなかった収益化の方法に焦点を当てたレポートを公開する予定です。
加えて、メタ・プラットフォームズに関するさらに詳しい分析は、下記のレポートをご覧ください。
上記テーブルにおける関連用語
※各用語の詳細な解説は、「【コンヴェクィティ:2024年度中間バリュエーション・レビュー】注目の米国テクノロジー企業の今後の株価見通しを徹底解説!」をご覧ください。
Rule of X (inc. NTM growth & LTM SBC):Rule of X(今後12カ月間の成長率と直近過去12カ月間のSBC含む)
LTM EV/ (FCF-SBC) :企業価値 ÷ (直近過去12カ月間のフリー・キャッシュフロー - 直近過去12カ月間の株式ベースの報酬)
Financials / Valuation / Price Chg / Vol Chg:財務 / バリュエーション / 株価変動 / ボラティリティ変動
Rule of X (inc SBC):Rule of X(SBC含む)
EV/(FCF-SBC):企業価値 ÷ (直近過去12カ月間のフリー・キャッシュフロー - 直近過去12カ月間の株式ベースの報酬)
EV/GP:企業価値 ÷ 直近過去12カ月間の粗利益
DCF Val. Discount:DCF法により算出されたバリュエーション対比でのディスカウント水準
Price Change:株価変動
Implied Vol:インプライド・ボラティリティ
Hist Vol:ヒストリカル・ボラティリティ
Implied Vol vs Hist Vol:インプライド・ボラティリティとヒストリカル・ボラティリティの差
・メタ・フェイスブック / META / 強気:最新の2023年度第3四半期決算分析と今後の株価見通し・将来性 - 前編
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