中立マンデー・ドット・コムすべて表示マンデードットコム(MNDY)決算速報:注目のイスラエル企業の目標株価は341ドル!今後の株価見通しと将来性に迫る!
コンヴェクィティ - 本稿では、2024年8月12日に発表された、マンデードットコム(MNDY)の最新の2024年度第2四半期決算と競合他社比較、さらに、テクノロジー面での同社の強み(競争優位性)を詳しく分析していきます。
- そして、それらの分析を通じて、同社の目標株価、並びに、今後の株価見通しと将来性に関する詳細な分析を解説していきます。
- 同社は、2024年第2四半期決算で初めてGAAPベースの営業収支を均衡させるという重要なマイルストーンを達成し、高い業務効率を維持しています。
- 同社は、AI統合や製品ポートフォリオの拡大に注力しており、monday CRMやmonday Serviceなどの新製品が成長に貢献しています。
- 収益性の向上と高成長を両立しつつも、株価のバリュエーションに関しては割安感が薄れていることから、同社に対するレーティングを「中立」としています。
※「【コンヴェクィティ:2024年度中間バリュエーション・レビュー】注目の米国テクノロジー企業の今後の株価見通しを徹底解説!」の続き
マンデードットコム(MNDY)の最新の2024年第2四半期決算発表に関して
マンデードットコム(MNDY)は、2024年8月12日発表した2024年第2四半期決算において、初めてGAAPベースの営業収支を均衡させるという重要なマイルストーンを達成しました。特に2023会計年度の開始以来、同社は成長管理において顕著な成果を挙げており、従業員1人あたりの売上高が40万ドル(8億4470万ドル ÷ 2,110人)に達するなど、引き続き高い業務効率を示しています。
マンデードットコム(MNDY)の財務および業務のハイライト
・2024会計年度の売上高予測が第1四半期からわずかに上方修正
・成長の鈍化を効果的に管理し続けることに注力
マンデードットコム(MNDY)の製品開発とAIの統合
マンデードットコム(MNDY)の製品戦略は、刷新されたデータ層であるmondayDBの開発に重点を置いており、2024年第2四半期にmondayDB 2.0がリリースされました。この新しいデータ層は、ボードやダッシュボードを通じて操作されるデータの処理能力を大幅に強化し、さまざまなユースケースに対応できるよう設計されています。特に、企業顧客にとって大きな魅力を持ち、同社が企業向けCRM(顧客関係管理)やその他の市場で競争力を高める上で重要な役割を果たすと考えられます。さらに、企業の既存システムからのデータ統合も可能にすることで、同社の利用がさらに定着することが期待されます。
企業顧客の増加
(出典:2024年第2四半期決算資料)
関連用語
Customers with 10+ users:10人以上のユーザーを持つ顧客数の増加
$50k+ ARR customers:年間収益が5万ドル以上の顧客数の増加
$100k+ ARR customers:年間収益が10万ドル以上の顧客数の増加
YoY Growth:前年同期比成長率
データ層:ソフトウェアシステムにおいて、データの保存、管理、処理を行う基盤部分を指すもの。この層は、アプリケーションの他の部分からデータ操作を分離し、効率的かつ安全にデータを取り扱う役割を果たす。
mondayDB:マンデードットコムが提供するプラットフォームのデータ層を担うシステム。ユーザーが操作するデータを効率的に保存・管理するために設計されており、さまざまなビジネスニーズに対応できる柔軟性を備えている。
ユースケース:特定のシステムや技術がどのような状況や目的で使用されるかを示す具体的な利用例や適用場面を指す。例えば、mondayDBを利用してプロジェクト管理やCRMシステムのデータを効率的に管理することがユースケースの一例。
CRM(顧客関係管理):企業が顧客との関係を管理し、顧客情報を効果的に活用するためのシステムや戦略を指すもの。これにより、顧客満足度を向上させ、ビジネスの成長を促進することが可能となる。
同社はまた、全社的にジェネレーティブAI(生成AI)を積極的に導入しており、特に内部業務の効率化に力を入れています。その一例として、2023年半ばに導入されたサードパーティ製の(外部の)生成AIチャットボットが挙げられます。このチャットボットにより、以下のような成果が得られています。
・ITサービスのチケットの約50%を自動で解決
・チャットチケットの対応件数が大幅に増加
・チケット管理における外部サポートへの依存度を削減
この傾向は2025年以降も続くと見込まれており、生成AIの導入が顧客ニーズへの対応効率をさらに向上させることが期待されています。
マンデードットコム(MNDY)の製品ポートフォリオの拡大
・2022年半ばにリリースされたmonday CRMはすでに20,000件のアカウントを獲得
・企業向けのワーク管理ソリューションを新たに導入
・monday Devにおいても、継続的な機能強化を進行中
・monday Serviceは2024年末までにベータ版を終了し、一般向けにリリースされる予定。同社はこのサービスを内部で使用し、生成AIと自動化を活用してチケットのバックログを50%削減するなどの成果を上げており、正式リリース後も高品質なサービスを提供すると見込まれている。
マンデードットコム(MNDY)の製品戦略は、シンプルで使いやすいが柔軟性に欠けるソリューションと、柔軟性はあるが複雑なソリューションの間にあるギャップを埋め、幅広いビジネスニーズに応えるバランスの取れた製品を提供することを目指しています。2025年度までには、コアのワーク管理プラットフォームに多数のAIツールが追加され、さらには中小企業向けに提供される予定の市場トップクラスのCRM(将来的には企業向けにも対応可能)、製品やマーケティング、営業など複数の部門を横断するユニークな開発者向けソリューション、そしてアトラシアン(TEAM)のJiraに匹敵するITチケット管理ソリューションを展開する予定です。
全体として、マンデードットコムはワーク管理の枠を超えて、既存のSaaS市場、特にセールスフォース(CRM)、サービスナウ(NOW)、アトラシアンなどの強力なプレイヤーが支配する市場に新風を巻き起こそうとしています。
市場ポジションと今後の展望
マンデードットコム(MNDY)は、ワーク管理および生産性向上ソフトウェア市場での地位をますます強化しています。AIの統合に注力し、製品ポートフォリオを拡大していることから、今後の成長に向けた強力な基盤を築いています。monday CRMの成功や、monday Serviceのリリース予定が示すように、同社は製品の多様化に成功し、新たな市場への進出を果たしています。
さらに、マンデードットコムは成長を続けながらもGAAPベースの営業収支を均衡させており、拡大と財務のバランスをうまく保っています。AIや製品開発への継続的な投資により、職場の生産性や自動化の新たなトレンドにしっかりと対応しており、今後のさらなる成長が期待されています。
強力なキャッシュ効率の維持
関連用語
Quarterly free cash flow margin:四半期ベースのフリーキャッシュフローマージン
Annual adjusted free cash flow margin:年間ベースの調整後フリーキャッシュフローマージン
チケット:ITサービスやサポートシステムにおいて、問題やリクエストを追跡・管理するための記録やタスクのこと。各チケットには、問題の詳細、進行状況、担当者などが含まれ、効率的な対応を可能にする。
monday CRM:マンデードットコムが提供する顧客関係管理(CRM)システム。顧客とのやり取りや販売活動を一元管理し、営業やマーケティングチームが顧客との関係を効果的に構築・維持できるようにするためのツール。
monday Dev:ソフトウェア開発チーム向けに設計されたマンデードットコムのプロジェクト管理ツールである。開発プロジェクトの計画、進捗管理、コラボレーションを効率的に行うための機能が搭載されている。
monday Service:マンデードットコムが提供するサービス管理プラットフォーム。ITサービス管理やカスタマーサポート業務の効率化を図るために設計されており、サポートチームが顧客のリクエストに迅速に対応できるよう支援するツール。
マンデードットコム(MNDY)のバリュエーションに関して
(出典:筆者作成)
過去2年以上にわたり、マンデードットコム(MNDY)は卓越した財務改革を遂げてきました。同社は、Non-GAAPベースのEBIT、および、フリーキャッシュフロー(FCF-SBC)を大幅な赤字から高い収益性へと劇的に改善させる一方で、GAAPベースのEBITもさらに深いマイナスから損益分岐点まで引き上げることに成功しました。
特筆すべきは、同社が1億ドル規模の売上高を目前にしながらも、30%以上の成長率を維持し続けている点です。そして、この驚異的なパフォーマンスは、非常に強力な製品革新を維持しながら達成されています。これにより、同社は収益性の向上と高成長の持続を巧みに両立させ、非常に優れた「Rule of X」を達成しています。また、弊社のDCFモデルに基づくと、同社の1株当たりの本質的価値は341.81ドルとなっており、現在の株価は263ドル程度となっていることから、弊社のDCFモデルに基づく目標株価対比では割安となっています。
しかしながら、バリュエーションに関しては、株価倍率やDCF法に基づく弊社のバリュエーション対比でのディスカウント(割安さ)を全体的に考慮すると、必ずしも魅力的とは言えません。そのため、過去2年以上にわたって同社に対して強気の見方をしてきましたが、現時点では「中立」としています。
弊社のDCFモデルに基づくバリュエーションの詳細と株価予想は、下記リンク内のマンデードットコム(MNDY)のシートにおける「Intrinsic value per share(1株当たりの本質的価値)」をご覧ください。
また、マンデードットコムに関するさらに詳しい分析は、下記のレポートをご覧ください。
上記テーブルにおける関連用語
※各用語の詳細な解説は、「【コンヴェクィティ:2024年度中間バリュエーション・レビュー】注目の米国テクノロジー企業の今後の株価見通しを徹底解説!」をご覧ください。
Rule of X (inc. NTM growth & LTM SBC):Rule of X(今後12カ月間の成長率と直近過去12カ月間のSBC含む)
LTM EV/ (FCF-SBC) :企業価値 ÷ (直近過去12カ月間のフリー・キャッシュフロー - 直近過去12カ月間の株式ベースの報酬)
Financials / Valuation / Price Chg / Vol Chg:財務 / バリュエーション / 株価変動 / ボラティリティ変動
Rule of X (inc SBC):Rule of X(SBC含む)
EV/(FCF-SBC):企業価値 ÷ (直近過去12カ月間のフリー・キャッシュフロー - 直近過去12カ月間の株式ベースの報酬)
EV/GP:企業価値 ÷ 直近過去12カ月間の粗利益
DCF Val. Discount:DCF法により算出されたバリュエーション対比でのディスカウント水準
Price Change:株価変動
Implied Vol:インプライド・ボラティリティ
Hist Vol:ヒストリカル・ボラティリティ
Implied Vol vs Hist Vol:インプライド・ボラティリティとヒストリカル・ボラティリティの差
・マンデードットコム / MNDY / 強気:最新の2023年度第4四半期決算分析と今後の株価見通し・将来性 - 前編
その他のテクノロジー銘柄関連レポート
1. ① Part 1:クラウドフレア / NET:サイバーセキュリティ銘柄のテクノロジー上の競争優位性(強み)分析と今後の将来性(前編)
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また、私のその他のテクノロジー関連銘柄のレポートに関心がございましたら、是非、こちらのリンクより、私のプロフィールページにアクセスしていただければと思います。
さらに、その他のマンデードットコム(MNDY)はに関するレポートに関心がございましたら、是非、こちらのリンクより、マンデードットコムのページにアクセスしていただければと思います。
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