05/08/2024

アルトリア・グループ(MO)の株価の将来性は?高配当が魅力な同社の2024年1Q決算発表と今後の株価予想を徹底解説!

a white and red car parked in a tunnelイアニス・ ゾルンパノスイアニス・ ゾルンパノス
  • 本稿では、アルトリア・グループ(MO:配当王・予想配当利回り8.96%・配当性向79%・1株当たり配当金0.98ドル)の2024年4月25日に発表された2024年第1四半期決算と配当推移に関するトレンド、さらに、同社の財務パフォーマンスを詳細に分析していきます。 
  • そして、それらの分析を通じて、同社の目標株価、並びに、今後の株価見通しと将来性を詳細に解説していきます。
  • アルトリア・グループは、タバコ関連ビジネスの子会社を通じて、米国内でタバコと無煙タバコでトップの座にあり、機械製葉巻では第2位の座に位置しています。
  • 最新の決算ではEPSは1.15ドルで、EPSの過去5年間の年平均成長率は4.40%となっています。
  • また、同社は過去50年以上にわたり連続して増配を継続している注目の米国配当王であり、高配当銘柄です。
  • 足元の予想配当利回りは高水準である一方で、過去5年間の配当成長率は4.70%と高水準を維持しています。

アルトリア・グループ(MO)の概要

セクター:タバコ製品

現在の株価:43ドル

時価総額:753.2億ドル

弊社算出の一株当たり本質的価値:45.4ドル

安全マージン:3.41%

過去5年間の配当成長率:4.70%

直近配当落ち日:2024年3月22日

直近配当支払い日:2024年4月30日

予想配当利回り:8.96%

過去5年間の売上高成長率:2.30%

過去10年間の売上高成長率:2.80%

2008年、フィリップ・モリス・カンパニーズは、海外事業をカバーするフィリップ・モリス・インターナショナルPM)と、米国内市場をカバーするアルトリア・グループ(MO)に分割された。

そして、アルトリア・グループはフィリップモリス USA、U.S. Smokeless Tobacco、John Middleton、Horizon Innovations、Helix Innovationsで構成されている。

同社は世界最大のビール会社であるアンハイザー・ブッシュ・インベブの8%の株式も保有している。

さらに、タバコ関連事業の子会社を通じて、同社は米国で紙巻きタバコと無煙タバコでトップの座にあり、機械製葉巻では第2位となっている。

加えて、同社の「マールボロ」ブランドは、2022年の年間シェア42%で米国をリードするたばこブランドである。

アルトリアは大麻製造会社クロノスの株式42%を保有し、2023年にはNJOYホールディングスを買収する一方で、最近では、ジュールラボへの戦略的投資から撤退している。

また、加熱式タバコでは日本たばこ産業と合弁会社を運営している。

同社は2024年4月25日に2024年度第1四半期決算を発表し、連続して増配を継続している注目の高配当銘柄である。

アルトリア・グループ(MO)の収益と成長に関して

アルトリア・グループ(MOの2024年度第1四半期の非経常損益項目を除くベースでのEPSは、前四半期の1.17ドルから1.15ドルへと若干減少という着地となっている。

また、長期的なパフォーマンスを見ると、同社株の非経常損益項目を除くベースでのEPSの過去5年間の年平均成長率(CAGR)は4.40%で、過去10年間の年平均成長率は7.40%となっており、持続的な収益性を示す一方で、足元のパフォーマンスは若干減速しているようにも見える。

ただし、1株当たりの売上高は安定しており、同社の弾力的なビジネスモデルを示唆している。

加えて、今後10年間のタバコ業界の成長予測がプラスであることは、今後の同社の成長の可能性にとって良い兆しであると言える。

さらに、同社は歴史的に適度な財務レバレッジを維持しており、持続可能な成長を可能にしている。

以上より、安定した実績と業界の成長見通しにより、今後もアルトリア・グループは成長軌道を継続することが出来ると見ている。

アルトリア・グループの配当に関して

アルトリア・グループ(MO)は、過去5年間一貫した配当成長を示しており、過去5年間の配当成長率は4.70%で、過去3年間の配当成長率は4.10%となっており、一貫して増配を継続している。

さらに、同社は過去54年間連続して増配を実施しており、米国株配当王の一角を担っている。

また、同社のEBITDA純有利子負債倍率は1.98倍で、健全なバランスシートを示している。

加えて、同社の現在の予想配当利回りは8.96%となっており、魅力的な配当利回りを提供していると言える。

実際に、直近の四半期では、同社は0.98ドルの一株当たり配当を支払い、安定した配当支払いの傾向を続けている。

ご参考までに、直近の配当落ち日は2024年3月22日で、直近の配当支払い日は2024年4月30日となっている。

そして、同社の配当実績を同業他社と比較すると、同社の配当成長率は業界平均と一致している。

以上より、アルトリア・グループの高い配当利回りは、配当収入を求めるインカムゲイン志向の投資家にとって魅力的な選択肢となっている。

同社の一貫した配当支払いと配当成長率は、株主への価値還元へのコミットメントを反映していると言える。

配当利回り:8.96

配当性向79%

配当カバレッジ1.23

5年間の配当成長率:4.70%

純有利子負債対EBITDA1.98

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アルトリア・グループ(MO)のバリュエーションに関して

アルトリア・グループ(MO)の現在の株価は43.49ドルで、弊社算出の一株当たり本質的価値である45.4ドルをやや下回る水準で取引されていることからも、やや割安感があるようにも見える。

また、実績PERは9.15倍で、5年平均、10年平均を下回っている。

加えて、EV/EBITDA倍率も7.6倍と業界平均を下回っており、株価がEBITDAベースで割安である可能性を示唆している。

さらに、過去の平均と比較すると、同社の現在の株価は魅力的な水準にあると言える。

一方で、株価売上高倍率は3.8倍となっており、業界平均よりやや高く、売上高に基づくと同社株式が割高であることを示している。

ただし、PEGレシオは0.6で、成長見通しに基づくと、同社の株価は妥当な水準にあるようにも見える。

全体として、アルトリア・グループは弊社算出の一株当たり本質的価値や同業他社より割安な水準で取引されているようであることから、バリュー志向の投資家に対して潜在的な投資機会を提示している可能性がある。

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アルトリア・グループ(MO)のリスクとリターンに関して

アルトリア・グループ(MOのリスク評価分析では、投資家が投資決定を下す前に考慮すべきいくつかのポイントを取り上げたい

まずマイナス面では、配当性向が79%と高水準にあることから、今後の配当支払いが持続可能でない可能性があり、将来の配当支払いに対する懸念があるというのが現状である。

また、過去1年間の売上高成長の鈍化や、株価が1年ぶりの高水準にあることも同社のリスク・プロファイルを高めている。

一方でプラス面では、ピオトロスキーのFスコアが7であることからも、同社の健全な財務状況を示しており、ベニッシュのMスコアが-3.52であることは、同社が利益操作を行っている可能性が低いことを示唆している。

さらに、拡大する営業利益率、3年ぶりの低水準に近い低い株価売上高倍率、高い予想配当利回り、3.78という強力なアルトマンZスコアは、同社に対する総合的なリスク評価に一定の安定感をもたらしていると言える。

以上より、アルトリア・グループにはいくつかのリスクが存在するが、ポジティブな指標は潜在的な投資家にとってリスク・プロファイルのバランスをとるのに役立つ。

アルトリア・グループ(MO)のインサイダー(内部関係者)による売買に関して

過去12ヶ月間、アルトリア・グループ(MO)のインサイダーによる同社株式の買い付けは2件で、インサイダーによる同社株式の売却は1件となっている。

ただし、インサイダーによる同社株式の保有比率はわずかに0.60%である点にはご留意いただきたい。

一方、機関投資家の保有比率は44.12%で、同社株式のかなりの部分が機関投資家によって保有されていることを示している。

全体として、インサイダー取引分析では、インサイダーと比べて機関投資家の保有が高い水準にあり、特段、憂慮すべきトレンドではないと見ている。

そして、このことは、機関投資家がインサイダーに比べ、同社の将来性に自信を持っていることを示唆している。

アルトリア・グループ(MO)の流動性に関して

アルトリア・グループ(MO)の流動性は高く、直近営業日の一日当たりの出来高は10,992,551株で、過去2ヶ月間の1日当たり平均出来高は14,168,211株であることからも、同社株式に対して一貫した取引活動が行われていることが分かる。

また、同社株式のダークプール指数(DPI)は46.7%で、取引活動のかなりの部分がダークプールで行われていることを示している。

※ダーク・プール指数は、ダーク・プール(私設取引所)内において、同社株式がどの程度取引されているかを示すものであり、注目すべき指標の1つである。

この高水準のDPIは、同社株式の価格発見への透明性と市場全体の効率性に影響を与える可能性がある。

そして、この水準は、機関投資家がこの銘柄を積極的に取引していることを示唆している可能性がある。

また、ダーク・プールにおける流動性は同社株価の安定に寄与し、株価のボラティリティを低下させるとも言える。

全体として、1日の平均出来高が多く、DPIが中程度であるこ とから、アルトリア・グループの株式は投資家にとって十分な流動性があり、活発に取引されていることがうかがえる。

さらに、その他のアルトリア・グループ(MO)に関するレポートに関心がございましたら、是非、こちらのリンクより、アルトリア・グループのページにアクセスしていただければと思います。


アナリスト紹介:イアニス・ゾルンパノス氏

📍バリュー・インカム担当

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